10年前はこんなに弱かった!? 2008年の福岡ソフトバンクを振り返ると…

2018-12-20 17:48 「Full-Count」広尾晃
2008年まで14年間ホークスの指揮を執った福岡ソフトバンク・王貞治会長※写真提供:Full-Count(写真:Getty Images)

2008年まで14年間ホークスの指揮を執った福岡ソフトバンク・王貞治会長※写真提供:Full-Count(写真:Getty Images)

松中、小久保が下り坂に 本多、川崎、松田以外は固定できず

 10年ひと昔という。10年前の野球界はどんな様子だったのか。2008年の野球界を数字で追いかけよう。今年の日本一、福岡ソフトバンクの10年前は?

2008年 福岡ソフトバンクホークス 64勝77敗3分 勝率.454 6位

 王貞治監督率いる福岡ソフトバンクは、2005年以来、毎年プレーオフ、CSに進出する3位以上の成績を挙げていたが、この年は5月終了時点で5割と足踏みし、埼玉西武の独走を許す。2位以下は混戦状態となり、8月には2位に上がるが、9月、10月で6勝21敗と大きく負けが込み、1996年以来12年ぶりの最下位に沈んだ。ホークス監督になって14年目の王監督はこの年を最後に退任。秋山幸二ヘッドコーチが次期監督へ昇格した。

○打線 左端の数字は打順、打率の横の()は順位

1二・本多雄一(24歳) 107試 454打 132安 3本 38点 29盗 率.291(12)
2遊・川崎宗則(27歳) 99試 424打 136安 1本 34点 19盗 率.321(3)
3指・松中信彦(35歳) 144試 538打 156安 25本 92点 3盗 率.290(13)
4一・小久保裕紀(37歳) 106試 383打 97安 20本 56点 1盗 率.253
5外・大村直之(32歳) 79試 245打 74安 2本 22点 7盗 率.302
6三・松田宣浩(25歳) 142試 551打 154安 17本 63点 12盗 率.279(18)
7外・長谷川勇也(24歳) 71試 221打 52安 4本 24点 2盗 率.235
8外・柴原洋(34歳) 96試 339打 94安 3本 34点 2盗 率.277
9捕・高谷裕亮(27歳) 62試 189打 34安 2本 13点 0盗 率.180
外・多村仁(31歳) 39試 149打 45安 3本 15点 0盗 率.302
内・仲澤忠厚(26歳) 58試 132打 32安 0本 10点 0盗 率.242
外・中西健太(22歳) 59試 136打 34安 3本 14点 1盗 率.250
捕・田上秀則(28歳) 52試 144打 38安 4本 13点 0盗 率.264
遊・森本学(30歳) 54試 133打 32安 0本 8点 1盗 率.241

 チームを引っ張った3冠王の松中と小久保に衰えが見えた。二遊間は本多、川崎コンビ。三塁には3年目の松田が定着したが、他のポジションは固定できず、日替わり打線となっていた。外国人打者のレストビッチも期待外れ。10年後の陣容から見れば信じられないような、決定力不足の打線だった。

左腕3本柱は奮闘も先発4番手以降、救援も決め手なく…

○投手陣 防御率の横の()は順位

先・杉内俊哉(28歳) 25登 10勝8敗 0SV 0HD 196回 防御率2.66(5)
先・和田毅(27歳) 23登 8勝8敗 0SV 0HD 162回 防御率3.61(13)
先・大隣憲司(24歳) 22登 11勝8敗 0SV 0HD 155回2/3 防御率3.12(6)
先・ガトームソン(31歳) 18登 5勝7敗 0SV 0HD 100回 防御率4.05
先・新垣渚(28歳) 15登 4勝6敗 0SV 0HD 92回2/3 防御率4.18
先・ホールトン(29歳) 28登 4勝7敗 6SV 0HD 84回1/3 防御率4.27
先・大場翔太(23歳) 13登 3勝5敗 0SV 0HD 78回 防御率5.42
先・パウエル(32歳) 12登 2勝6敗 0SV 0HD 66回1/3 防御率5.29
中・ニコースキー(35歳) 39登 2勝4敗 2SV 7HD 42回2/3 防御率4.64
中・久米勇紀(23歳) 40登 4勝1敗 3SV 15HD 36回 防御率3.25
中・三瀬幸司(32歳) 44登 2勝1敗 0SV 5HD 35回 防御率4.11
中・小椋真介(28歳) 29登 3勝0敗 1SV 6HD 33回1/3 防御率5.40
中・高橋秀聡(26歳) 20登 1勝1敗 1SV 3HD 31回 防御率4.06
中・柳瀬明宏(25歳) 30登 1勝2敗 3SV 6HD 29回2/3 防御率5.16
抑・馬原孝浩(27歳) 21登 0勝2敗 11SV 2HD 19回1/3 防御率2.79

 松坂世代の杉内、和田に大隣と、3人の左腕が3本柱。しかしそれ以下の先発が定まらず、5人の投手がローテーションを出たり入ったりした。救援陣は、前年セーブ王に輝いた馬原が故障で出遅れ、先発のホールトンや久米、柳瀬などが臨時に抑えを務める。馬原は7月には復帰したが、中継ぎ投手もパッとせず、勝利の方程式は作れなかった。

 この顔ぶれでは松田宣浩、長谷川勇也、高谷裕亮、和田毅が現役。杉内俊哉は巨人に移籍して今年引退を表明した。大隣憲司も千葉ロッテに移籍して引退を表明。

ドラフトでは攝津、現巨人の立岡らを指名

○ドラフト会議

1位 巽真悟(投手)
2位 立岡宗一郎(内野手)
3位 近田怜王(投手)
4位 有馬翔(投手)
5位 攝津正(投手)
6位 金無英(投手)
7位 鈴木駿也(投手)

育成
1位 内田好治(投手)
2位 二保旭(投手)
3位 柳川洋平(投手)
4位 猪本健太郎(捕手)
5位 堂上隼人(捕手)

 秋山新監督がドラフト会議に臨み、1巡目で東海大相模の大田泰示を指名したが巨人にくじで敗れ、外れ1位で近畿大の巽を指名。この年の新人では、攝津が即戦力のセットアッパーとして2009年に活躍。のちに先発に転向して実績を残したが、今季戦力外となった。チームは最下位だったが、ファームはウエスタンで優勝。若手は台頭しつつあった。

 福岡ソフトバンクは監督を退き、フロントのトップになった王貞治会長兼GMのもと、本格的な育成システムの構築に着手。2011年には3軍を創設するなど、チームは強化され、以後10年で9回ポストシーズンに進出。日本一にも5度輝いている。そういう意味では、最下位になったこの年が、強豪福岡ソフトバンクの原点とも言えるだろう。

(広尾晃 / Koh Hiroo)