「千賀・甲斐世代」。福岡ソフトバンクの2010年ドラフト指名選手を振り返る

2017-10-27 00:00 「パ・リーグ インサイト」山本理絵

10月26日、「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が催され、福岡ソフトバンクは育成選手を含む11人の選手との交渉権を獲得した。育成選手は6人で、この数は巨人に次ぐ多さだ。彼らのうちの誰が新たな「育成の星」となるのか楽しみでならないが、そのような期待を抱かせるのも、福岡ソフトバンクには育成選手を一流に育て上げてきた実績があるからだ。

今季の8月12日、福岡ソフトバンクの千賀投手が10勝目を挙げ、育成出身の選手としては史上初となる2年連続2桁勝利を達成した。その後も順調に勝ち星を積み重ねて勝率第1位のタイトルを獲得したが、いずれもバッテリーを組んでいたのは甲斐選手だ。甲斐選手も千賀投手と同じ、2010年の育成ドラフト出身選手である。

これまたプロ野球史上初となる育成出身の先発バッテリーは、9月16日にパ・リーグ制覇を果たしたチームの快進撃に大きく貢献したこともあって、今季大注目を集めてきた。そこでここでは、2010年のドラフトにおける福岡ソフトバンクの指名選手を振り返ってみたい。

1位:山下斐紹選手(捕手・習志野高校)
高校生ナンバーワン捕手と名高かった。高校通算35本塁打。昨季は13試合に出場。4月20日の千葉ロッテ戦で、日本球界復帰後初の完封勝利を決めた和田投手を好リードした。

2位:柳田悠岐選手(外野手・広島経済大学)
広島六大学野球リーグで4度の首位打者に輝く。現在は言うまでもなく、球界を代表するスラッガーだ。今季は3年連続となる最高出塁率のタイトルを獲得した。

育成3巡目:伊藤大智郎投手(投手・誉高校)
7年間一度も支配下登録は叶わず、プロ野球史上最長期間、育成契約を結んでいる。今年の4月、トミー・ジョン手術を受けた。

育成4巡目:千賀滉大投手(投手・蒲郡高校)
2017年、第4回WBCでベスト4に貢献。日本人選手唯一のベストナインに選出される。プロの捕手でさえ簡単には止められない「お化けフォーク」が代名詞。今季、育成出身選手としては史上初となる2年連続の2桁勝利を達成した。

育成5巡目:牧原大成選手(内野手・城北高校)
2012年、支配下登録。今季はファームで35試合、打率.237。

育成6巡目:甲斐拓也選手(捕手・楊志館高校)
チームの捕手ではもっとも小柄だが、12球団最速の二塁送球スピードを誇る強肩。2013年支配下登録され、今季、プロ入り初のスタメンマスクを被る。同い年の千賀投手とバッテリーを組み、守備力と勝負強い打棒で大躍進を遂げた。

2010年のドラフトで指名された選手は、今季が7年目のシーズンだった。パ・リーグのチームでは、ほかに牧田投手(埼玉西武・2位)、秋山選手((埼玉西武・3位)、西川選手(北海道日本ハム・2位)、駿太選手(オリックス・1位)、塩見投手(楽天・1位)、美馬投手(楽天・2位)が名を連ねている。

華々しくプロ野球生活をスタートさせる選手もいれば、日陰からスタートし、日々の努力を積み重ねて、一軍を目指す選手もいる。ここでは福岡ソフトバンクの7年前のドラフトを振り返ってみたが、この世代でもすでに現役を引退した選手は少なくない。

今年もまた、溢れんばかりの希望を胸に、多くの選手が日本プロ野球界の一員となる。上記の通り、指名の順位は選手の実力を判断する指標にはならない場合もある。アマチュア時代の実績も名声も助けにはならない厳しい世界。時間は非情なほどに限られている。あらゆる不安と隣り合わせになりながら、それでもこの競争を生き抜く選手たちの勇姿を、これから目に焼き付けたい。