スタッフには一軍で活躍した元投手も…千葉ロッテが参加する「LTO活動」とは?

2019-01-23 11:00 「パ・リーグ インサイト」望月遼太
千葉ロッテの一員としてLTO活動に参加している、上野氏(左)と大石氏(右)※写真提供:NPO法人海さくら

千葉ロッテの一員としてLTO活動に参加している、上野氏(左)と大石氏(右)※写真提供:NPO法人海さくら

「プロ野球界を代表している」という意識を胸に

 「LEADS TO THE OCEAN(以下LTO活動)」という活動をご存じだろうか。「日本財団」と「NPO法人海さくら」を中心に、Jリーグの湘南ベルマーレと共に2015年7月から始まったこの活動は、スポーツと清掃活動を軸にしたアプローチで環境問題へと取り組むことをコンセプトとしている。現在は、Jリーグの9つのクラブとBリーグの1チーム、そして千葉ロッテの全11チームで活動を行っている。

 LTO活動へ参加した理由について、千葉ロッテで当活動を担当する営業部の大石賢央氏は「『海にゴミを行かせない』というテーマに共感しました」ということに加え、「本拠地のZOZOマリンスタジアムの横には海がありますので、海が見える野球場を持つ我々が取り組むことに意義がある」と説明してくれた。

 プロ野球で唯一活動している立場として、大石氏は「プロ野球界を代表しているということは意識をしなければならないと思っています」と話し、活動の意義について次のように語った。

「海のゴミの8割は川から、川のゴミは街からやってきます。そして、街のゴミは人々の心が出しています。その結果、海にゴミがたまって、海洋資源や鳥などが影響を受けています。ゴミを減らすには心がけ次第だと思っていますので、それを理解していただくという、この取り組み自体の意義というものを大事にしています」 

29歳の若さで引退した、元千葉ロッテの投手もスタッフとして参加

 LTO活動に従事するスタッフの中には、元プロ選手も存在している。現役時代に千葉ロッテで投手として活躍し、現在は古巣の球団職員を努めている上野大樹氏だ。

 上野氏は2011年7月17日に先発として完封勝利を収め、2013年からの2シーズンで中継ぎとして73試合に登板した実績を持つ。しかし、わずか2試合の登板にとどまった2015年のオフに戦力外通告を受け引退。当時29歳と余力を残しての幕引きにも思えたが、上野氏自身は「やりきった」という感覚を持っていたようだ。

「トライアウトまで受けさせていただいて、球団の方に拾っていただいて……。自分の中では、やりきったという気持ちは本当にありました。現役時代からいつかは終わりが来ることで、その時に悔いなく終われるように、と思ってずっとやっていました」

上野氏は投手としてプレーした現役時代、一軍の舞台でも活躍を見せていた【提供:千葉ロッテマリーンズ】

上野氏は投手としてプレーした現役時代、一軍の舞台でも活躍を見せていた【提供:千葉ロッテマリーンズ】

営業という立場から見た、「元プロ野球選手」という経験のメリットとは

 引退後は2年間にわたってマリーンズ・ベースボール・アカデミーのテクニカルコーチとして小学生たちを指導し、18年からは球団職員に転身。現在は「おもてなし担当」と名乗り、先述のLTO活動や球団のおもてなしプロジェクトに取り組んでいる。上野氏と同様に千葉ロッテ一筋の現役生活を送り、2017年限りで現役を引退した古谷拓哉氏と黒沢翔太氏も昨年から球団職員へと転身しており、上野氏とは形を変えて再び”同僚”となった。

「元選手が球団職員になるっていうのは(千葉ロッテでは)ずっとなかったことで、山室社長が初めてセカンドキャリアの道を開いてくださいました。(古谷氏、黒沢氏は)球団職員としては同期なので、『今後、僕たちのような元選手からの道を閉ざさないようにもっと頑張っていかないといけないよね』と3人でよく話しています」

 こういった転身のメリットについて、大石氏は「元選手だからこそ持っている武器」について、営業の立場から次のように語っている。

「例えば、営業でお客様の元に行ったときに、『元選手』という肩書きは非常に強い武器だと思います。ひとつのことを徹底的にやり抜いた経験はビジネスにも通じる部分があるので、どこの企業も欲しいと思います。そんな方々が去年、3人も入ってくださったのはすごい力になりますよね」