南郷でMVPへスタート切った山川、松坂や清原は春野で…埼玉西武の春季キャンプ

2019-01-29 09:25 「Full-Count」広尾晃
埼玉西武・山川穂高※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

埼玉西武・山川穂高※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

かつては「野武士集団」も…埼玉西武のキャンプの歴史は?

 埼玉西武ライオンズは、プロ野球が2リーグに分立した1950年に西鉄クリッパーズとして誕生。翌年、西日本パイレーツと合併して西鉄ライオンズとなった。

 春季キャンプは、創設1年目は親会社の西鉄が所有していた福岡県春日市の春日原球場で行われた。以後は本拠地の平和台球場や、同じ福岡県の香椎球場で行われることが多かった。また長崎県島原などでもキャンプを行っている。

 西鉄は1956年からリーグ3連覇を果たす。この時期のライオンズは「野武士集団」と呼ばれ、大下弘、中西太、豊田泰光、稲尾和久らスター選手は、キャンプの時期は練習後には博多の街に繰り出したと言われている。親会社が西鉄からクラウンライター、太平洋と変わっても、春季キャンプ地は平和台球場をベースとして、九州地区で行われていた。

 しかし、1979年に埼玉西武ライオンズになり、本拠地も福岡県から埼玉県所沢に移転すると、春季キャンプ地も大きく変わった。埼玉西武ライオンズになってからは、春季キャンプでは1軍、2軍ではなくA班、B班という形でキャンプ参加選手の編成を行っている。

 1年目、A班は伊豆下田からフロリダ州ブラデントンに、B班は伊豆下田からグアムに。これまでほとんど経験したことのない海外キャンプに、ナインたちは目を見張った。1980年からは、高知県の春野球場がベースとなる。この球場は高知県立春野運動公園内にあり、陸上競技場や室内練習場なども完備されている。1986年には清原和博が、1999年には松坂大輔が、ともにこの球場でプロのスタートを切っている。

 1990年代にはA班はハワイ・マウイ島でもキャンプを行った。高知、春野球場をメインのキャンプ地とする時代は2003年まで続いたが、2004年からA班は宮崎県南郷町(現宮崎県日南市南郷)の南郷町中央公園野球場で行われている。B班は以前と同様、高知、春野球場で春季キャンプを行っている。

 最寄り駅のJR日南線南郷駅からは約1キロ、小高い丘がそのまま運動公園になっている。その頂上付近にメイングラウンド、中腹に室内練習場の「くろしおドーム」、その下にサブグラウンドとブルペンがある。

 JR南郷駅の隣の駅は広島カープがキャンプを張る油津駅。油津駅周辺はカープの赤色一色で染まるが、南郷駅周辺はライオンズブルーのフラッグがはためく。まだキャンプとしての歴史は浅いが、地元はライオンズを応援している。また、週末には関東地区から熱心なファンが押し寄せる。

 昨年は早朝から山川穂高がノックを受ける姿が見られた。打撃では定評のある山川だが、一塁守備のレベルアップが必要だった。「そらこい!」「もう一丁」、溌溂とした声をあげてゴロをさばく山川。2月のこの特守が、2018年の本塁打王、MVPにつながったと言えるだろう。

(広尾晃 / Koh Hiroo)