ルーキーの「挨拶回り」に注目! パ・リーグの先輩・後輩相関図

2019-02-01 11:00 菊地高弘
少年時代からのつながりもめずらしくない 意外な関係編

 野球界の上下関係は、何も高校以上から始まるわけではない。中学野球界でも、多数のプロ選手を輩出している名門チームが存在する。

 ドラフト1位で指名された大阪桐蔭・藤原恭大選手、報徳学園・小園海斗選手(広島1位)がともに大阪の硬式クラブ・枚方ボーイズ出身ということは知られている。枚方ボーイズはかつて鍛治舍巧氏(現・県岐阜商監督)が監督を務めた名門中の名門。その薫陶を受けた「鍛治舎チルドレン」はパ球団にも在籍しており、強肩強打の捕手・九鬼隆平選手(福岡ソフトバンク)、快足内野手・山足達也選手(オリックス)がいる。山足選手は藤原選手にとってボーイズ、高校を通じての先輩でもある。

 東京の強豪・武蔵府中リトルシニアも人脈では負けていない。埼玉西武に3位指名された山野辺翔選手は三菱自動車岡崎で活躍した即戦力二塁手。武蔵府中シニア時代は1学年上に茂木栄五郎選手(東北楽天)、菅野剛士選手(千葉ロッテ)、1学年下には石川亮選手(北海道日本ハム)に囲まれた世代である。大舞台でも物怖じせずにプレーできる山野辺選手のルーツは、この武蔵府中にある。

 中学軟式の選手を対象にした選抜チーム「MAJOR HYOGO」でチームメイトだった松本航投手(日本体育大→埼玉西武1位)と甲斐野央投手(東洋大→福岡ソフトバンク1位)は、ともにドラフト1位でプロに進むことになった。中学卒業後もお互いに意識し合い、大学3年時の明治神宮大会では投げ合い、高め合ってきた。プロでもライバル物語は続き、プロとして最初の戦いは「新人王争い」になりそうだ。

埼玉西武・伊藤投手と千葉ロッテ・育成1位の追いかけっこ?

 最後に不思議な縁でつながった選手を紹介したい。徳島インディゴソックスから千葉ロッテ育成1位で指名された速球派右腕・鎌田光津希投手と、埼玉西武の若手ホープ右腕・伊藤翔投手は、千葉県匝瑳市の近所に住む幼馴染だった。学年は3年違うものの、鎌田投手が伊藤投手にスライダーを伝授したこともある。高校はともに横芝敬愛へと進学。ところが、ここから両者の道は微妙に逆転していく。

 横芝敬愛から敬愛大に進学した鎌田投手に対し、後輩の伊藤投手は高校卒業後、独立リーグの徳島インディゴソックスに入団。伊藤投手はわずか1年で頭角を現し、埼玉西武にドラフト3位指名される。一方、大学で不完全燃焼に終わった鎌田投手は、伊藤投手のプロ入りと入れ替わる形で徳島インディゴソックスに入団。こちらも1年で最速155キロを計測するまでになり、育成指名ながらプロ入りを勝ち取った。追いかけ合うようにして野球人生を歩んできた2人は、プロの世界でも刺激し合える関係になるのか。興味は尽きない。

 まったく知り合いがいない状態でプロ入りするルーキーたちには、強いハングリー精神や愛嬌のある挨拶で活路を見出してもらいたい。晴れてプロ野球選手になった彼らが輝く季節は、まもなくやってくる。

グラフィック制作:出内テツオ 監修・文 菊地高弘