獅子対決目前! 統一ライオンズの日本人左腕が語る、注目選手と台湾野球の特色は?

2019-02-18 11:00 「パ・リーグ インサイト」望月遼太
知念広弥投手が注目選手のひとりに挙げた、統一ライオンズの好打者・陳傑憲選手【映像提供:統一ライオンズ】

知念広弥投手が注目選手のひとりに挙げた、統一ライオンズの好打者・陳傑憲選手【映像提供:統一ライオンズ】

 2月20日(水)と21日(木)に、高知県立春野総合運動公園野球場で埼玉西武ライオンズと統一ライオンズ(台湾)の交流試合が開催される。社会人野球と独立リーグを経て統一の入団テストに合格し、今季で台湾球界2年目のシーズンを迎える日本人左腕の知念広弥投手は、日本人にとって馴染み深いとは言いがたい台湾リーグ、そして統一を肌で知る貴重な存在だ。今回はそんな知念投手に、今回の交流試合の見どころを現役台湾リーガーの立場から語ってもらった。

「日本の打ち方」な好打者・陳傑憲選手と、「米国的な打ち方」な2人の長距離砲

 今回の遠征メンバーの中で、知念投手が特に注目すべき選手として挙げた選手は全部で4人。まずは、2018年の台湾リーグ最多安打受賞者の陳傑憲(チェン・ジェシェン)選手だ。埼玉西武の呉念庭(ウー・ネンティン)選手や廖任磊(リャオ・レンレイ)投手と同じく岡山共生高校での野球留学の経験を持ち、知念投手の通訳に近い役割をこなすほど日本語も堪能だ。

 陳傑憲選手は日本でバッティングを習ったこともあり、知念投手いわく「日本の打ち方」をしているという。陳傑憲選手本人もNPB屈指の安打製造機である秋山翔吾選手の打撃フォームや、昨季ゴールデングラブ賞に輝いた源田壮亮選手の安心感のある守備を参考にしていると語っており、それを知念投手に伝えたところ「なるほど、似た感じです。そんなバッティングですね」と納得顔だった。埼玉西武の屋台骨を支える攻守の要のプレーに、統一ライオンズの切り込み隊長がどれだけ”似ている”のかも注目ポイントのひとつだ。

 一方、高卒でアメリカに渡った経験を持つ郭阜林(グォ・フーリン)選手と、台湾で育ったものの、師事したコーチが米国式の教えをしていた蘇智傑(スー・ジージェ)選手は、打率と確実性の高い陳傑憲選手とは対照的な、「米国的な打ち方」をしているという。とりわけ、蘇智傑選手は意識的に高い打球を打ち上げて長打を狙うという”フライボール革命”に近い打ち方を、この理論が日本で話題になるよりも前に取り入れていたそうで、その打撃スタイルを知念投手は「下から思いっきり、空に向かって打っています」と形容している。

 ちなみに、北海道日本ハムに入団した王柏融選手は「(日本と米国の)ちょうど中間、少し日本寄りな打ち方」をしているそうだ。その王柏融選手に続く、今後の日本行きが期待できる”ネクスト王柏融”の候補として、知念投手は「アベレージでいうと陳傑憲。長距離打者でいうと蘇智傑」と、先述の2人を推挙してくれた。陳傑憲選手に関しては日本の高校に在籍した経験を持っているため、ドラフトを経由して外国人枠から外れる形でのNPB挑戦も可能だ。そういった意味でも、この2人の名前を覚えておいて損はなさそうだ。

 注目選手の最後の1人は、リリーフエースの陳韻文(チェン・ユンウェン)投手だ。2018年11月に日本代表と台湾代表が対戦した壮行試合で9回にマウンドに上ったが、そこで5失点を喫した投手でもある。しかし、知念投手は23歳の右腕について「本来持っている力はかなりある」と話し、155km/hの速球と、共に空振りが取れる球であるフォークと縦方向のスライダーを持ち、2018年オフのメジャー挑戦も噂されていたほどの逸材であると紹介してくれた。

 また、知念投手は陳韻文投手以外の注目投手として、先述の壮行試合で揃って台湾代表に選出された江辰晏(ジィァン・チェンイェン)投手、施子謙(シー・ヅゥチェン)投手という2人の先発投手の名前も挙げてくれた。

「練習にかけている時間が違う」打撃力と、アグレッシブな走塁が多くの得点を生む

 知念投手はチーム全体の打撃力についても高評価しており、「バッティング練習にかけている時間が違います」とその理由を明かした。練習時間のほとんどが打撃練習に費やされており、アップが終わってキャッチボールをしたらすぐに打撃練習に入るとのこと。また、台湾の選手はウエイトトレーニング好きでもあり、走り込みよりもそちらに重点が置かれているようだ。そのぶん守備力に関しては落ちるそうだが、鍛えに鍛えた打撃力には注目だ。

 また、走塁面での「日本で言う『暴走』っていうのがオッケーで、チャンスがあればすぐ行く。そのぶん成功するとどんどん点が入りますし、かなりアグレッシブですね。タッチアウトも多いですが(笑)」という積極性も、知念投手にとって強く印象に残っているそうだ。

 投球面では、小さなシュートやスプリットのような傾向のツーシームを使う投手が多いという。その動きの小ささゆえに「カメラ越しだとなかなかわからないと思います」とのことだが、今回の交流試合は様々な面で日本とは特色の異なる台湾野球を観察するチャンスにもなりそうだ。