「野球選手の名前」あれこれ

2017-12-16 00:00 「パ・リーグ インサイト」成田康史

ある1人の選手を応援しようと決めるとき、その理由はファンによって様々だろう。「同じ高校の出身だから」「格好いいから」「きれいなホームランを打つから」「いつでも全力プレーだから」。1つ1つ例を挙げればきりがない。そんな中でも、野球をあまり知らない人でも自ずと応援したくなってしまうのが、「自分と同じ名前」の選手ではないだろうか。そこで今回は、パ・リーグの選手たちの「名前」に焦点を当てていきたい。

【「吉田さん」が4人在籍、同一苗字の多いオリックス】
日本人に多い苗字といえば、佐藤さんや鈴木さん、高橋さんといったところが思い浮かぶ。当然このような苗字の選手が、同じチームに複数人在籍することは珍しくない。埼玉西武の高橋朋巳投手、高橋光成投手などが例として挙げられるが、オリックスには特に同姓選手が数多く在籍している。

「佐藤さん」
・佐藤達也投手
2013年から4年連続で40試合以上に登板した鉄腕。復活が待たれる。
・佐藤世那投手
2015年の夏の甲子園準優勝投手。現在サイドスローに挑戦中。

「鈴木さん」
・鈴木昂平選手
守備力を評価されている若手内野手。一軍で経験を積みながら打撃力向上を目指す。
・鈴木優投手
高卒3年目の今季は一軍登板ならず。ファームでは優秀な成績を残す期待の若手だ。
・鈴木康平投手
今年のドラフト2位。来季の登録名は「K-鈴木」になるという。

「吉田さん」
・吉田一将投手
今季4年目にして初の完封勝利。先発・中継ぎどちらもこなす。
・吉田凌投手
2015年の夏の甲子園優勝投手。今季は念願の一軍初登板を果たした。
・吉田正尚選手
豪快なスイングが持ち味。「Amazing」なホームランアーティストだ。
・吉田雄人選手
今季4年目にして初の一軍試合出場。来季はプロ初安打を目指す。

多くの同姓選手が所属するオリックス。中でも目立つのは4選手が並ぶ「吉田さん」だ。2013年ドラフト1位で吉田一将投手、5位で吉田雄人選手が指名され、2名の「吉田さん」がチームに加入。さらに2015年に、またもや1位と5位でそれぞれ吉田正尚選手と吉田凌投手が指名され、気づけば猛牛軍団は「吉田さん」の大所帯となった。吉田凌投手はこれもあってユニホームの背ネームを「RYO」にしている。

また、オリックスの苗字に関するエピソードとして、T-岡田選手を思い浮かべる人も多いだろう。入団時は本名の「岡田貴弘」で登録していたが、2009年のオフに岡田彰布監督が就任すると、自身と同姓である岡田選手の改名を発案。球団が募集した中から、最後は岡田選手自身が選出し、「T-岡田」の登録名が誕生した。翌年には自身初の本塁打王にも輝き、現在に至るまでこの登録名で活躍を続けている。

【「名前のみ」の登録名】
選手の名前は、多くの場合フルネームで登録される。しかし中には、登録名を「名前のみ」にしている選手が少なからずいる。まずは、2017年に「名前だけ」の登録だった選手たちを見ていこう。

・斐紹選手(福岡ソフトバンク※11月11日、楽天へトレード)
・誠投手(埼玉西武)
・愛斗選手(埼玉西武)
・銀次選手(楽天)
・駿太選手(オリックス)

今季は、4球団で5選手が「名前のみ」の登録名でプレーした。銀次選手にとってルーキーイヤーだった2006年、楽天には「名前のみ」で登録していた日本人選手が他に4人(鉄平氏、竜太郎氏、憲史氏、カツノリ氏)もいた。杜の都ではちょっとしたトレンドだったのか。駿太選手は、入団時に同姓の後藤光尊氏が在籍していたため、「駿太」で選手登録。後藤氏の退団後もそれを変えることなく、今に至っている。

また、過去に「名前のみ」で登録していた選手には、今季飛躍を遂げた福岡ソフトバンク・甲斐選手(昨季まで「拓也」)や斐紹選手とのトレードが発表された西田選手(2016年のみ「哲朗」)がいる。さらに、昨季千葉ロッテで引退した大村三郎氏は現役時代「サブロー」の登録名で親しまれた。

【珍しい苗字】
初めに苗字被り、すなわちよく耳にする苗字の選手たちを紹介してきたが、今度は一転して「珍しい苗字」の選手を紹介していく。なかなかいない苗字といえば、横浜DeNAの筒香嘉智選手や広島に在籍していた梵英心選手などが有名だが、果たしてパ・リーグにはどんな珍名がいるのだろうか。

・聖澤諒選手(楽天)
野球選手の「恰好いい苗字」としてよく挙げられる「聖澤さん」は、全国に数えられるほどの人数しかいないという。その1人である聖澤選手は2012年の盗塁王。外野守備の名手でもあり、外野手連続守備機会無失策の日本記録保持者だ。本人は「地元(長野県千曲市)のごく狭い範囲においては、それほど珍しい苗字ではなかった」という旨の発言をしている。

・嘉弥真新也投手(福岡ソフトバンク)
「嘉弥真さん」は沖縄県に見られる苗字のようだ。嘉弥真投手自身は、昨秋サイドスローに転向すると、左キラーとして自己最多の58試合に登板。見事、FAで巨人に移籍した森福投手の穴を埋めた。漢字は違うが、この苗字にちなんで「ゆうぞー」と呼ぶ人もいるとか。

以上、3つのポイントから、「選手の名前」にフォーカスしてみた。この他にも、調査対象として興味深いテーマはいくらでも発見できそうだ。まだ難解なルールや戦略を理解できないという人は、プロ野球を掘り下げるとっかかりのひとつとして。あるいは、いつもとは違う視点から、より深くプロ野球を楽しむ手段のひとつとして。たまには選手の「名前」について注目してみるのも、ありなのではないだろうか。