自身もチームも大きな転機を迎えた1年。上沢直之投手が新しいチームの顔になる

2017-12-18 00:00 「パ・リーグ インサイト」編集部

増井投手と大野選手の移籍、大谷選手の渡米などに伴って、来季は本格的な転換期を迎えるだろう北海道日本ハム。今シーズンは活きのいい若手が少しずつ頭角を現してきたものの、より多くの選手に「チームを背負うのは自分だ」と名乗りを上げてもらわねばならない。特に投手陣の中では、来季7年目を迎える上沢直之投手に注目だ。

千葉県の専大松戸高校から、2011年ドラフト6位で北海道日本ハムに入団した上沢投手。187センチと長身であり、同じ長身右腕の大投手にちなんで「松戸のダルビッシュ」の異名を取り、将来を嘱望されていた。ただ1年目、2年目ともに一軍登板はなく、ファームでも防御率5点台前後と振るわなかった。

しかし、2年目のフレッシュオールスターでは緊急登板で好投を見せて優秀選手に選出され、3年目に大きな飛躍を果たすことに。2014年4月2日の福岡ソフトバンク戦、6回1失点の好投で一軍初登板・初勝利を挙げると、4月17日のオリックス戦まで3連勝を決める。「デビュー戦からの先発3戦3勝」は、北海道日本ハムにおいては2002年のシールバック氏以来、実に12年ぶりとなる快挙だった。その後も勝ち星を重ね、高卒3年目ながら先発ローテーションを守り抜く。最終的な成績は、23試合8勝8敗、防御率3.19。

その年のオフに行われた「第1回 IBAF 21Uワールドカップ」でも先発投手としてベストナインに選出され、2015年はさらなる飛躍を期待された。しかしシーズンを通して本来のパフォーマンスを発揮できず。終盤からは右肘の違和感に苛まれ、2016年春、右肘関節滑膜ヒダ切除術に踏み切ることになる。術後8週での実戦復帰に向けてリハビリに励んだが、チームが日本一に輝く2016年のシーズン中に、一軍復帰を果たすことはできなかった。

チームにとっては、栄光に彩られた2016年。上沢投手にとっては「何もできなかった」と苦々しい思いで振り返る2016年。しかし、その悔しさを胸に挑んだ2017年は、確かに大手術からの復活を印象付けるシーズンとなった。4月7日のオリックス戦で一軍復帰登板。そして4試合目の登板となる7月2日の千葉ロッテ戦、6回1失点の好投で726日ぶりとなる勝ち星を手にする。7月9日には784日ぶりに本拠地勝利を挙げるとともに、自己最速タイとなる149キロを計測し、右肘の不安を完全に払拭してみせた。

その後は好投を続けるものの勝ち星に恵まれず、シーズン成績は15試合4勝9敗、防御率3.44。大きく負け越すことになってしまったが、2014年に垣間見せたポテンシャルの高さ、手術を乗り越えて一軍に帰ってきた精神力、何よりまだ23歳という年齢を考えれば、来季以降、上沢投手が先発陣の柱の1人になることを期待せずにはいられない。

11月23日には、背番号が「63」から「15」へ変更になることが発表された。上沢投手自身は「来季にかける思いもありますし、自分の中で良いきっかけになると思います。大好きなメンドーサの後に15番をつけられることもうれしいです」と語る。さらに12月14日には一般女性との結婚を公表した。「より一層責任感を持って家庭での生活、野球に取り組んでいきたいです」と笑う右腕。公私ともに大きな転機を迎えたその身にかかる期待は大きい。