誕生日も忘れるほど!? 充実の北海道日本ハム堀、右打者への攻めが飛躍の鍵「苦にならない」

2019-05-14 13:30 「Full-Count」石川加奈子
北海道日本ハム・堀瑞輝※写真提供:Full-Count(写真:石川加奈子)

北海道日本ハム・堀瑞輝※写真提供:Full-Count(写真:石川加奈子)

10日に21歳の誕生日「夜中にめっちゃ、LINEが来るなと思って気が付きました」

 北海道日本ハムの高卒3年目左腕、堀瑞輝投手が存在感を増している。今季13試合に登板し、15回を投げて防御率は1.20と安定感は抜群だ。

 今月10日に21歳の誕生日を迎えたばかり。「夜中にめっちゃ、LINEが来るなと思って気が付きました。自分の誕生日に全然興味がなかったので。去年は(誕生日を)覚えていたんですけどね。やっぱり1軍で迎えるのと下では違います」と語る表情は充実感にあふれていた。

 開幕1軍こそ逃したものの、4月5日に昇格すると、ロングリリーフもできる左腕としてブルペンに欠かせぬ存在になった。すでに入団1年目17年の4試合(先発1試合)、昨年の10試合(先発6試合)を上回る13試合に登板。勝っている場面での出番が多く、5月1日埼玉西武戦ではショートスターターも務めた。

 今季好調の理由について、堀はチェンジアップの進化を挙げる。元々キレのある直球とスライダーを武器にしており、左打者には強いが、右打者への攻め方が課題だった。「去年までは右バッターを三振に取る球がなくて苦しい場面がありましたが、今はチェンジアップが使えているので苦にならなくなりました」。

 その言葉が示す通り、昨季は.279だった右打者の被打率は今季.176と飛躍的に向上した。左打者の被打率は昨季.191で今季.174。右打者を抑える力をつけたことが今季の成績につながっている。

 そのチェンジアップは、今春のキャンプ中に自分自身で試行錯誤しながらつかんだという。「それまでは抜こう、抜こうというイメージでしたが、シンカーみたいなイメージでしっかり持つようにしました」と語る。

 広島新庄高時代には高校ジャパンでクローザーを務め、ドラフト1位で入団した逸材だ。高橋憲幸投手コーチは「野球の能力、テクニック、野球観は素晴らしいものを持っている」と高く評価する。一方で、磨いてほしいものとして、直球とスライダー、打者と対峙する中での感性を挙げた。「バッターとのやり取りの中で、ここでボール球を振らせるんだといった、感性を磨いてほしい。今は短いイニングの仕事なので、1球の大切さも学んでほしい」と語る。

目指すのは先発の座「先発でやっていけるようになりたい」

 先発かリリーフか。堀の適性について栗山英樹監督は「何でもできる。今は特に先発もできるし、抑えもできる」と能力を最大限認めている。実際、5月1日埼玉西武戦では今季初めて先発させた。3回途中に左手人差し指の皮がむけて降板したものの、2回1/3を投げて、山川のソロによる1失点とショートスターターとしての役割を果たした。

 堀自身が目指しているのは先発だ。「やりたいのは先発です。今は中継ぎでチャンスをもらっているので、今のポジションで結果を勝ち取って、先日のようなチャンスを生かして、先発でやっていけるようになりたいと思っています」と言い切る。

 5月1日埼玉西武戦で先発した時には、リリーフでの経験が生きたという。「先発だけやっていた時は長いイニングを投げなければいけないと変に考えることが多かったですが、中継ぎは一発目からポンと入っていかないといけない。中継ぎの気持ちで1イニングずつやって、イニングが増えていくことは苦ではなかったです」と新境地を切り開いた。

 今季忘れられない試合がある。4月28日福岡ソフトバンク戦。4点リードの8回に登板した堀は、安打と失策で1死一、二塁となったところで、宮西尚生投手にマウンドを譲った。「4点差あったし、点を取られてからなら、納得できたんですけど…。信頼されていないことが悔しくて。だから、もっとしっかり結果を残して、代えられないようにしたいと思いました」と決意を新たにした。

 堀のそんな思いを察知した宮西が翌日食事に誘ってくれたという。「気にかけてもらって本当にありがたいです。野球の話とそれ以外の話が半々。僕からも質問しますし、いつもいろいろ教えてくれます。ミヤさんの前で結果を残して、ミヤさんに認められて、チームに信頼されるピッチャーになりたいです」と目をキラキラさせながら語った堀。近い将来、投手陣の柱となるべき左腕は着実に成長している。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)