甲斐野央~奪三振能力の高さも魅力。最速159km/hの若鷹セットアッパー~(福岡ソフトバンクホークス)【インサイト的選手名鑑】

2019-05-21 16:00 「パ・リーグ インサイト」編集部

《THE FEATURE PLAYER》H甲斐野 デビューからの連続無失点記録を更新中!!

甲斐野央(かいの・ひろし)/投手

#20/1996年11月16日生まれ
187cm・86kg/右投左打

高校2年次に投手へ転向し大学日本代表まで。アマ最速に上り詰めた学生時代

 中学時代は後の埼玉西武のドラフト1位松本航投手とともに、「MAJOR HYOUGO」でプレー。高校は地元の西脇工業高校を母から勧められたが、当時甲子園で活躍していた原樹理投手(東京ヤクルト)に憧れていたこともあり、同投手の出身校である東洋大姫路高校に進学した。

 外野手として高校に入学した甲斐野投手に転機が訪れたのは2年次の年末だった。「突然、練習メニューが増えていた。最初は間違えかと思っていた」と身長が伸びたことをきっかけに、投手の練習にも参加。「そんな簡単に転向できるはずがない」と思っていたが、練習試合で見せた好投が評価され、三塁手兼第2投手となった。

 東洋大学に投手として入学し、ブルペンで憧れの原樹理投手と並び練習を積んでいた甲斐野投手。その成果が結果として出たのは大学3年次の秋季リーグ戦だった。ロングリリーフとして8試合に登板、5勝を挙げる活躍を見せ、最優秀投手賞とベストナインの2冠に輝いた。

 大学4年に上がると、中継ぎ投手としての適性を見出され終盤を任されるように。3年秋に続き、4年春季リーグ戦でも優勝マウンドを経験すると、大学野球日本代表に選出され、ハーレム国際ベースボールウィークや日米野球大会と国際試合も経験。その後の高校野球日本代表との侍ジャパン壮行試合では最終回にマウンドに上がると、当時大阪桐蔭高校に在籍していた根尾昂選手(中日)に対して158km/hをマーク。この一球が大学時代に投じた球場表示の最速となった。惜しくも4年秋はリーグ優勝を逃したが、この1年間で球速を153km/hから158km/hまで伸ばした。

ドラフト1位でプロの世界へ。新人記録を塗り替える圧巻の投球で勝ち継投の一員に

 2018年のドラフト会議で福岡ソフトバンクからドラフト1位指名を受け入団。最大の武器は150km/hをコンスタントに超える直球と鋭く落ちるフォークボールだ。プロ入り後、キャンプでフリー打撃に登板すると、入団会見で対戦を熱望していると語った柳田悠岐選手のバットを粉砕。その後もアピールを続け、開幕一軍入りを勝ち取った。

 順調にプロとしての道を歩み始めた甲斐野投手は、思わぬ形で初勝利を手に入れた。3月29日にヤフオクドームで行われた埼玉西武との開幕戦に6番手として延長10回から登板。10回は埼玉西武のクリーンナップとの対戦となったが、3者連続三振に打ち取り球場をざわつかせた。11回のマウンドにも上がり、5奪三振という圧巻の奪三振ショーを披露し、プロ初勝利をマークした。

 圧巻のデビュー戦を飾ったゴールデンルーキーの快進撃は止まらなかった。ルーキーながらに勝ちパターンとして8回を任されると、その期待に応えるべく剛腕を振るう。開幕戦から5月2日にヤフオクドームで行われた楽天との第5回戦まで12試合連続無失点で抑え、最後は力強くガッツポーズ。新人選手による開幕連続無失点記録を塗り替え、早くも球史に名を刻んだ。

 6月半ばからは、森唯斗投手が不在の約1カ月間クローザーを務めるなど、首脳陣からの信頼も厚く、大車輪の働きを見せた甲斐野投手。シーズン通して1軍に帯同し、65試合で防御率は4.14ながら8セーブ、26ホールドを記録し、優勝争いの渦中も鷹ブルペン陣を支えた。夏場に疲れからか調子を落とすも、ポストシーズンでは8試合でわずか1失点と復活を印象づけ、チームの3年連続日本一に貢献。勝負強さを見せつけると、プレミア12の日本代表に急遽追加選出されることに。迎えた大舞台でも5試合を無失点に抑える完璧な投球を披露し、侍ジャパンを世界一に導いた。

 惜しくも新人王は逃したものの、ファンフェスタではタレント・IKKOさんのモノマネを披露するなど、オフでも持ち前の強心臓は健在。人気・実力ともに兼ね備え、すっかりチームの顔となっている。鷹のセットアッパーから日本のセットアッパーへ。オリンピックイヤーの今年、彼にかかる期待は大きい。

(2020/2/3 追記)

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文・須之内海

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