パ・リーグの若き才能が激突した2012年の甲子園

2016-08-07 00:00 「パ・リーグ インサイト」編集部

8月7日から夏の甲子園大会がついに開幕し、初日からいきなり熱戦が繰り広げられた。横浜高の藤平尚真投手、履正社高の寺島成輝投手ら有望な選手のプレーにも注目が高まり、試合結果だけでなく、選手個々の活躍も追っていきたいところだ。

現在、活躍しているパ・リーグの若手ホープたちがシノギを削ったのが2012年夏の甲子園だった。この年、地方大会で最も注目を集めていたのが岩手・花巻東高の大谷翔平投手(現・北海道日本ハム)。高校歴代最速の160キロを計測したが、岩手大会決勝で盛岡大附に敗れ甲子園出場はならなかった。

この年の甲子園で一気に評価が高まったのは神奈川・桐光学園2年生のサウスポー・松井裕樹投手(現・楽天)だった。神奈川大会では46回1/3を投げ68奪三振を挙げた松井裕投手は、甲子園でも速球とスライダーのコンビネーションで数々の三振を奪っていく。初戦の愛媛・今治西戦では甲子園記録となる22奪三振。圧巻だったのは6回から9回までの10者連続三振だった。松井裕投手は打っても5回に3ランと投打で存在感を発揮する。

続く2回戦の茨城・常総学院戦で19奪三振、3回戦の沖縄・浦添商戦で12奪三振と3試合で計53奪三振。1958年に徳島商・板東英二氏が打ち立てた大会記録の83奪三振を塗り替えるかどうかに注目が集まった。

そして準々決勝で対戦したのが2季連続甲子園準優勝の青森・光星学院(現・八戸学院光星)。試合は7回を終え0対0と緊迫した展開が続く。8回表、光星は2死1,3塁と先制のチャンスを作ると、打線には3番・田村龍弘選手(現・千葉ロッテ)を迎える。カウント0-1から松井裕投手の投じた内角の直球を田村選手は振り抜き、打球はレフト前へ。田村選手の一打で光星学院は先制点を奪う。

さらに4番・北條史也選手(現・阪神)の2点タイムリー2ベースで追加点を挙げ3対0で光星学院が勝利する。松井裕投手を打ち崩した田村選手は続く準決勝の山梨・東海大甲府戦では本塁打を含む5打数4安打4打点と大暴れ。光星学院は9対3で勝ち3季連続の決勝進出を決める。

決勝はセンバツ決勝の再現となった大阪桐蔭と光星学院の対戦。この時、大阪桐蔭の2年生キャッチャーとしてエース・藤浪晋太郎投手(現・阪神)とバッテリーを組んでいたのが森友哉選手(現・埼玉西武)だった。森選手は2年生ながら「1番・キャッチャー」として大阪桐蔭打線をけん引。3回戦の熊本・済々黌(せいせいこう)戦、準々決勝の奈良・天理戦と本塁打を放つなど持ち前のフルスイングで甲子園を沸かせていた。

その決勝で森選手は1安打に終わるも先輩・藤浪投手を好リード。光星学院打線は8回までわずか1安打に抑えられ、田村選手は2三振と精彩を欠く。そして大阪桐蔭の3点リードで迎えた9回、田村選手は藤浪投手からセンター前ヒットを放ち意地を見せるが、無得点に終わり試合終了。大阪桐蔭が春夏連覇を達成した。

あれから4年。高校からプロ入りした松井裕投手、田村選手、森選手はプロ4年目ながらそれぞれがチームの主力として活躍。プロ野球界の巨星となるべく奮闘を続けている。今年の夏の甲子園、彼らのようにパ・リーグを引っ張る将来のスター候補が登場するのか。興味は尽きない。