都市対抗野球の表彰選手は千葉ロッテとオリックスに多い? 過去10年を遡る

2019-07-27 08:00 「パ・リーグ インサイト」編集部

バファローズ・福田 熱いキャプテンの雄叫び3ベース 2019/04/27

 7月13日から25日まで行われた「第90回都市対抗野球大会」では、各地方大会を勝ち抜いた企業が東京ドームに集い、社会人野球の頂点を争った。特徴的な応援もさることながら、毎年ハイレベルな戦いが繰り広げられることで人気も根強い。

 現在、パ・リーグで活躍している選手の中にも、この舞台を経験した社会人出身者は少なくなかった。今回は、過去10年の大会で表彰されたパ選手の今季の活躍を紹介していく。

※成績は2019年7月25日試合終了時点

大会期間に強い! 橋戸賞受賞者はこの選手

 まずは大会MVPにあたる橋戸賞受賞者から見ていく。この賞は都市対抗野球大会の創立者である橋戸信氏に由来し、優勝チームから1名選出される。今年の大会では、全5試合に救援登板してチームを初優勝に導いた元・横浜DeNAの須田幸太投手(JFE東日本)が受賞した。過去10年でその栄誉にあずかった現役選手はセ・パに1名ずつと、意外に少ない。

 パ唯一の受賞者は、オリックスの福田周平選手だ。東京都代表NTT東日本に所属し、第88回大会に出場。打率.550をマークし、チームの優勝に大きく貢献した。その後、2017年のドラフト会議を経て、オリックスへ入団している。

 そんな福田選手はここまで83試合に出場し、打率.257をマーク。ルーキーイヤーだった昨年の打席数を上回り、2年目のジンクスを感じさせない存在感を見せている。さらに大会期間に入ってから、3試合でマルチ安打を記録。かつて輝きを放ったこの季節をきっかけに、さらなる飛躍を見せてくれそうな予感だ。

大会期間に再昇格の久慈賞右腕

 次に、敢闘賞にあたる「久慈賞」の受賞者だ。これは、1934年の日米野球で全日本チームの主将を務めた名捕手・久慈次郎氏に由来しており、原則として準優勝チームから1名選出される。今大会では、社会人野球14年目のベテラン・佐竹攻年投手(トヨタ自動車)が受賞した。

 過去10大会で同賞に輝いたパの現役選手は、第82回大会の埼玉西武・小石博孝投手、第83回大会のオリックス・吉田一将投手、第86回大会の千葉ロッテ・酒居知史投手の3選手。セ・リーグには、第76回大会の梵英心選手を最後に、久慈賞受賞者は14年間にわたって入団していない。

 ではここでは、第86回大会で久慈賞と若獅子賞をW受賞した酒居投手に注目していこう。2016年のドラフトで、千葉ロッテから2位指名。ルーキーイヤーから即戦力右腕として5勝を挙げると、2年目は主に先発として登板した。

 3年目の今季は、ここまで36試合に登板し、防御率4.86、16ホールドの成績を残している。一度は不調から二軍落ちを経験するものの、今大会中の7月15日に復帰。中継ぎとして4試合に登板した。

若獅子賞受賞者も中堅に。飛躍が期待される8年目のシーズン

 最後に紹介するのは、新人賞にあたる「若獅子賞」だ。大卒の場合は1年目まで、高卒の場合は2年目までが選考対象であるが、人数の規定はなく、同時に複数人が選出されることもある。今大会では、今川優馬外野手(JFE東日本)、峯本匠内野手(JFE東日本)、岡直人投手(日立製作所)が選出された。

 過去10年、この賞を受賞した後にNPB入りを果たしたのは12名で、そのうちの7名がパ・リーグに進んでいる。

 第81回大会では、後にオリックスに入団する安達了一選手と、小島脩平選手の同級生2選手が受賞。第83回と第86回大会ではともに「久慈賞」受賞経験のあるオリックス・吉田一将投手と、千葉ロッテ・酒居投手が選出された。また、第87回では千葉ロッテの藤岡裕大選手と菅野剛士選手が受賞している。

 中でも注目したいのは、オリックスで三塁手のスタメンを勝ち取った小島選手。ルーキーイヤーの2012年シーズンから途絶えることなく一軍出場しているものの、規定打席に乗ったシーズンは一度もない。

 8年目とベテランの域に入り始めた今季は、代打として高打率を残すほか、内外野をこなすユーティリティープレイヤーとしてもチームに欠かせない存在となっている。大会会期中もスタメンに名を連ね続け、社会人時代に所属した住友金属鹿島(日本製鉄鹿島)が惜しくも敗れてしまった7月20日の埼玉西武戦では、本塁打を放つ活躍を見せた。

過去10大会の表彰選手は千葉ロッテとオリックスに集中

 過去10大会での受賞者をまとめると、千葉ロッテとオリックスに選手が集中していることが分かる。次に行われるJABA本戦は、京セラドーム大阪での社会人野球日本選手権大会。2019年度のドラフトでも、本大会の表彰選手からNPBプレイヤーが誕生する可能性はある。社会人野球の舞台にも注目し、今後のチームを担うかもしれない選手たちの雄姿を見れば、プロ野球の楽しみ方もまた新たに増えるはずだ。

文・須之内海