佐々木、奥川はどこへ行く ドラフト1位の育て上手はどの球団?

2019-08-27 11:26 「Full-Count」編集部
大船渡・佐々木朗希※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

大船渡・佐々木朗希※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

ドラフト1位選手が数多く1軍の戦力になっているのは…

 夏の全国高等学校野球選手権大会は決勝で履正社が星稜を下し、春夏通じて初の優勝を飾った。この甲子園で自己最速の154キロをマークし、ファンの注目を集めたのが、準優勝だった星稜の奥川恭伸投手だった。決勝で敗れはしたものの、準決勝まで自責点ゼロ。圧巻の投球でプロのスカウトからの評価もまた一段、上昇したに違いない。

 その奥川をも上回る、今秋ドラフトの最大の目玉が大船渡の最速163キロ右腕・佐々木朗希投手だ。岩手県大会では圧巻の投球を見せながら、故障防止を最優先に考えて県大会決勝戦には登板せず。チームも花巻東に敗れて甲子園出場を逃したが、そのポテンシャルは誰もが認めるところだ。

 その佐々木と奥川は揃って「第29回 WBSC U-18ワールドカップ」に臨む野球日本代表「侍ジャパン」U-18高校代表のメンバーに選出。26日には、こちらもドラフト1位候補の明大・森下暢仁投手らが選ばれている大学日本代表との壮行試合を戦った。

 今後、セパ各球団はそれぞれのチーム編成やチーム作りの方針により、ドラフト1位で指名する選手を絞り込んでいく。佐々木、奥川、そして森下は特に競合の可能性が高くなるだろう。将来性重視なのか、はたまた即戦力を欲するのか。佐々木、奥川をどこの球団が指名するのか、ファンも大いに注目しているだろう。

 では、これまで各球団でドラフト1位選手を1軍の戦力へと育て上げているのは、どの球団だろうか。過去10年間のドラフト1位選手を振り返り、きっちりと育成できている球団を探ってみよう。

福岡ソフトバンクは今季、高橋純が覚醒するなど、それなりに成長している

【パ・リーグ】
○福岡ソフトバンク
今宮健太、山下斐紹(現楽天)、武田翔太、東浜巨、加治屋蓮、松本裕樹、高橋純平、田中正義、吉住晴斗、甲斐野央

○埼玉西武
菊池雄星(現マリナーズ)、大石達也、十亀剣、増田達至、森友哉、高橋光成、多和田真三郎、今井達也、斉藤大将、松本航

○楽天
戸村健次、塩見貴洋、武藤好貴、森雄大、松井裕樹、安楽智大、オコエ瑠偉、藤平尚真、近藤弘樹、辰己涼介

○北海道日本ハム
中村勝、斎藤佑樹、菅野智之(入団せず)、大谷翔平(現エンゼルス)、渡辺諒、有原航平、上原健太、堀瑞輝、清宮幸太郎、吉田輝星

○千葉ロッテ
荻野貴司、伊志嶺翔大、藤岡貴裕(現巨人)、松永昂大、石川歩、中村奨吾、平沢大河、佐々木千隼、安田尚憲、藤原恭大

○オリックス
古川秀一、後藤駿太、安達了一、松葉貴大(現中日)、吉田一将、山崎福也、吉田正尚、山岡泰輔、田嶋大樹、太田椋

 パ・リーグ首位の福岡ソフトバンクは千賀や甲斐の活躍から育成選手が台頭するイメージが強い。一方でドラ1が当たらないなどと揶揄されたりもしたが、実際のところドラ1選手も戦力となっている。今宮は不動の遊撃手となり、東浜は2017年に最多勝を獲得。加治屋も昨季72試合に登板し中継ぎとして活躍した。田中、吉住はまだ台頭していないが、今季は4年目にして高橋純が覚醒し、甲斐野も活躍している。

 埼玉西武もコンスタントにドラフト1位が1軍の戦力となっている。高橋光は今季9勝をマークして初の2桁勝利に王手をかけており、森友哉は史上4人目となる捕手による首位打者に向けて猛打を爆発させている。北海道日本ハムは大谷翔平を輩出。今季、渡辺諒が1人立ちして二塁のレギュラーとなった。近年は堀、清宮、吉田輝と高卒ルーキーを続けて指名しており、育成に主眼を置いている。

 楽天は絶対守護神の松井が出てきているが、過去10年を振り返ると、チームの核となっている選手が松井だけと少々物足りないか。オリックスは吉田正が球界を代表する強打者に。山岡も今季自身初の2桁勝利をマークし、近年のドラ1はまずまずの成果が出ている。千葉ロッテは荻野貴、中村奨らがチームの中心として活躍。安田、藤原の成長が楽しみだ。

横浜DeNAのここ5年は出色、山崎、今永、浜口、東、上茶谷と5年連続で1軍戦力に

【セ・リーグ】
○巨人
長野久義(現広島)、澤村拓一、松本竜也、菅野智之、小林誠司、岡本和真、桜井俊貴、吉川尚輝、鍬原拓也、高橋優貴

○横浜DeNA
筒香嘉智、須田幸太、北方悠誠、白崎浩之(現オリックス)、柿田裕太、山崎康晃、今永昇太、浜口遥大、東克樹、上茶谷大河

○広島
今村猛、福井優也(現楽天)、野村祐輔、高橋大樹、大瀬良大地、野間峻祥、岡田明丈、矢崎拓也、中村奨成、小園海斗

○阪神
二神一人、榎田大樹(現埼玉西武)、伊藤隼太、藤浪晋太郎、岩貞祐太、横山雄哉、高山俊、大山悠輔、馬場皐輔、近本光司

○中日
岡田俊哉、大野雄大、高橋周平、福谷浩司、鈴木翔太、野村亮介、小笠原慎之介、柳裕也、鈴木博志、根尾昂

○東京ヤクルト
中澤雅人、山田哲人、川上竜平、石山泰稚、杉浦稔大(現北海道日本ハム)、竹下真吾、原樹理、寺島成輝、村上宗隆、清水昇

 セ・リーグに目を移してみよう。巨人は菅野がエースとして君臨し、岡本が主砲に成長。今季は桜井が成長してきており、まずまずのドラフト1位か。近年で際立つのは横浜DeNA。山崎、今永、浜口、東、上茶谷と5年連続で1軍の戦力として活躍している。

 広島は大瀬良がエースに成長したが、その他の面々はチームの中心とまでは言い難いか。高卒ドラ1の小園は、田中広輔の不振に伴って現在1軍で遊撃のポジションを守る。非凡なところは発揮しており、今後の活躍に大いに期待できる。

 中日は岡田、大野雄、そして高橋と2009年、2010年、2011年のドラ1がチームの中心に。特に高橋は、今季怪我で離脱するまで首位打者に立つなど開花したところを見せていた。柳も今季、初の2桁勝利に王手をかけている。昨年は根尾が加入しており、成長に期待だ。

 苦戦していると言わざるを得ないのが阪神と東京ヤクルトか。阪神は今季、近本がレギュラーとして活躍しているものの、大山や高山らが一皮剥けきれない。藤浪も苦しんでいる。東京ヤクルトは村上が覚醒したものの、10年を振り返ると既にチームを離れている選手もおり、厳しい現状がうかがえる。

(Full-Count編集部)