首位打者・森友哉は4の4で打率10割。ノースリーで好成績を残した打者たち

2019-10-08 12:00 「パ・リーグ インサイト」望月遼太
結果が出ているからこそ、積極的に打ちに出る?

 次に、3ボール0ストライクから振っていった回数が多い選手たちの顔ぶれについて見ていきたい。パ・リーグ6球団における、3-0のカウントにおける打数が多かった選手のランキングは次の通りだ。

1位:6打数
浅村栄斗選手:
24打席 6打数3安打 0本塁打1打点 18四球 打率.500

2位タイ:4打数
森友哉選手:
10打席 4打数4安打 0本塁打4打点 6四球 打率1.000
ブラッシュ選手:20打席 4打数2安打 1本塁打1打点 16四球 打率.500
レアード選手:18打席 4打数2安打 0本塁打1打点 14四球 打率.500

5位タイ:3打数
中村剛也選手:
9打席 3打数1安打 0本塁打0打点 6四球 打率.333
大田泰示選手:8打席 3打数1安打 0本塁打1打点 4四球 打率.333

7位タイ:2打数
ウィーラー選手:
10打席 2打数1安打 0本塁打1打点 8四球 打率.500
渡邉諒選手:12打席 2打数0安打 0本塁打0打点 10四球 打率.000
茂木栄五郎選手:9打席 2打数0安打 0本塁打1打点 7四球 打率.000
山川穂高選手:19打席 2打数0安打 0本塁打1打点 17四球 打率.000

 トップの浅村選手は6打数。2位タイの3選手に2つの差をつけており、打率.500と結果もしっかりと残している。2位タイには4打数4安打の森選手に加えて、助っ人の長距離砲2名が入った。5位以下にも一発長打の魅力を持った選手が名を連ねており、四球(=単打)以上の結果を期待できる選手が多いという傾向が見えてきた。

 また、2位タイまでの4選手はいずれも打率.500以上、5位タイの2選手も打率.333と、打数が多い選手は打率も高くなっている。やはり、ほぼ確実に甘い球が来る状況ならばしっかりと捉えてヒットにできるという自信があるからこそ、四球狙いに徹することなく積極的にバットを出しているのかもしれない。

3-0からでも打ちに行く姿勢は積極性を感じさせるが……

 3ボール0ストライクという状況から打ちに出ること自体が「積極的」と捉えられがちだが、前出のランキングに名を連ねた選手たちの打者としてのタイプの傾向はどうなっているだろうか。そこを確認するために、四球を打席数で割って求める「BB%」と、四球を三振で割って求める「BB/K」という2つの指標を見ていくことで、各打者の選球眼と忍耐力を調べていきたい。

浅村栄斗選手:635打席 四球93 三振162 BB%.146 BB/K.574 
森友哉選手:573打席 四球72 三振89 BB%.126 BB/K.809
ブラッシュ選手:527打席 四球81 三振157 BB%.154 BB/K.516
レアード選手:553打席 四球55 三振128 BB%.099 BB/K.430
中村剛也選手:557打席 四球54 三振123 BB%.097 BB/K.439
大田泰示選手:594打席 四球27 三振111 BB%.045 BB/K.243
ウィーラー選手:472打席 四球43 三振96 BB%.091 BB/K.448
渡邉諒選手:543打席 四球48 三振120 BB%.088 BB/K.400
茂木栄五郎選手:648打席‬ 四球66 三振121 BB%.102 BB/K.545
山川穂高選手:626打席 四球86 三振142 BB%.137 BB/K.606


 BB%のリーグ平均値は.089、BB/Kのリーグ平均値は.456となっている。BB%では10名中8名がリーグ平均を上回る数値を記録しており、下回ったうちの1人である渡邉選手も.088と、リーグ平均とはほぼ差がない。各選手が、一定以上の選球眼と自制心を持ち合わせていることがうかがえる。おおむね、球を見極めて冷静なバッティングをする選手が大半を占めており、積極的なスタイルが持ち味の大田選手は、この中ではむしろ例外的な存在となっている。

 BB/Kにおいては、大田選手と渡邉選手に加えて、レアード選手、中村選手、ウィーラー選手の3人もリーグ平均を下回っていた。それでも、大田選手を除けばその数値は.400台にとどまっており、それ以外の5選手はリーグ平均を上回る数値を記録。BB%ほど極端な結果ではないにせよ、こちらの数値でも好球必打の傾向が強い選手が半数以上を占めていた。

 そもそも、3ボール0ストライクという状況を作れている時点で、打者としてはある程度冷静に球を見られているのは間違いないところ。それに加えて、いかに甘い球が来やすいとはいえ、その1球を確実に仕留める技術も必要になってくる。積極的な姿勢よりも好球必打の精神が見て取れる2つの指標が示した結果は、その意味でも納得のいくものと言えるかもしれない。

大きなリスクを伴うが故に、成功させるにはさまざまな要素が必要

 四球による出塁は、得てして投手のメンタル面にも影響を与えがちだ。それゆえ、四球の可能性が高い状況から凡退すれば相手を助けることにもつながってしまう。3-0からのバッティングにはそのような危険性も伴うだけに、「待て」のサインが出ずに自由に打たせてもらえるかどうかは、首脳陣の考え方によっても大きく変わってくる。

 大きなリスクが生じるからこそ、それを承知で失敗を恐れずに3ボール0ストライクから打ちに出て、しっかりと結果を残している選手の精神力と、その高い技術は称賛に値するはず。投手にとってはどんなカウントからでも気を抜くことのできない選手たちの存在には、ポストシーズン、そして来期以降においても注目していく価値があるのではないだろうか。