CS初戦の勝敗を分けた8回表の継投と代打。平良海馬に“あの”場面を聞いた

2019-10-09 22:50 中島大輔
8回表、1死1,3塁の場面で登板した埼玉西武・平良海馬投手(C)パーソル パ・リーグTV

8回表、1死1,3塁の場面で登板した埼玉西武・平良海馬投手(C)パーソル パ・リーグTV

 福岡ソフトバンクに前年のリベンジを期す埼玉西武が、必勝パターンに入ったと思われた矢先ーー。「パーソル CS パ」ファイナルステージ初戦はまさかのドラマが待っていた。

 初回に2点を先行された埼玉西武だが、3回裏に4番・中村剛也選手のレフト前タイムリー、5番・外崎修汰選手のセンターオーバーの2点タイムリー三塁打で逆転。先発のニール投手が2回から5回までパーフェクトに抑えるなど6回まで好投を見せると、7回途中から継投で逃げ切り体制に入った。

 そして4対3でリードして迎えた8回表、今季81試合登板とリーグ新記録を打ち立てたセットアッパー・平井克典投手をマウンドに送る。

「やっとこの日が来たなと。(コンディション?)まったく問題ないです」

 試合前にそう話していた右腕だが、シーズン前半と比べてストレートの球速が出ておらず、変化球も精度を欠いていた。一死から3番・柳田悠岐選手にセカンドへの内野安打で出塁を許すと、4番・デスパイネ選手は詰まりながらもセンター前安打。1死1,3塁のピンチを迎えると、埼玉西武の辻発彦監督は平良海馬投手への継投を決断した。

「変化球がコントロールできていなかった。甘く入っていたので代えました」このタイミングでの登板を予期していなかったという平良投手だが、5番・松田宣浩選手に150km/h超のストレートを3球続けて空振り三振。ピンチ脱出まであと1死に迫る。

(C)PLM

(C)PLM

福岡ソフトバンクの松田宣浩選手を3球三振に仕留める

 ここで福岡ソフトバンクの工藤公康監督は勝負手を打った。6番・内川聖一選手のところで左の長谷川勇也選手を代打に送ったのだ。

「(内川は)今日タイミングが合ってないように感じたので、僕自身が後悔しないように思い切って(代打)を行かせてもらいました」

 長谷川勇選手は2球を見逃し2ストライクに追い込まれたが、2球選んで2ボール、2ストライク。埼玉西武バッテリーは外角ストレートを勝負球に選んだが、これが真ん中に入ると、長谷川勇選手が詰まりながらもレフト前に落として同点に追いついた。

「基本的に打席の中では無で、何も考えずに立っていました。でもストレートが続いたので、フォークが頭をよぎる部分もありました」

 ベテランの一打で4対4。終盤に並んだ試合は直後、思わぬ形で決する。7番・グラシアル選手の3球目、外角低めへのスライダーを埼玉西武の捕手・森友哉選手がパスボールとし、これが決勝点になった。

代打・長谷川勇也選手の同点打と決勝点となったパスボール

 本拠地でのCS初戦を痛い形で落とした埼玉西武。しかし、これでアドバンテージを含めて1勝1敗。まだタイになったにすぎない。勝負の分かれ目となった長谷川勇選手の同点タイムリーについて、平良投手は強気に振り返った。

(C)PLM

(C)PLM

「真っすぐがちょっと内に入ればショートフライになっていたと思いますし、ちょっと外に行っていたら(抑えられたかもしれない)……。結果的にヒットになったけど、あそこは紙一重だったと思います。いいボールを投げられていたので、また明日投げられる場面があったら今日みたいなボールを投げられるようにしたいです」

 初戦の大熱戦は、平良投手の言うように紙一重の差が勝敗を分けた。埼玉西武対福岡ソフトバンクのライバル対決は、2戦目以降も熱い勝負を期待できそうな展開で幕を開けた。

中島大輔