三振の数は好成績につながる? 過去10年の最多三振と、歴代10傑の顔ぶれは

2019-10-19 12:00 「パ・リーグ インサイト」望月遼太
元近鉄の大砲が上位を占める中で、新鋭の台頭も

 続けて、NPBにおけるシーズン三振記録のトップ10に入っている選手たちと、その成績についても紹介していきたい。(所属は当時)

1位:ラルフ・ブライアント氏(近鉄・1993年)
シーズン成績:
204三振 127試合125安打 42本塁打107打点 打率.252 OPS.869‬
獲得タイトル:本塁打王、打点王、ベストナイン(指名打者)

2位:ラルフ・ブライアント氏(近鉄・1990年)
シーズン成績:
198三振 108試合101安打 29本塁打73打点 打率.245 OPS.828‬

3位:ラルフ・ブライアント氏(近鉄・1989年)
シーズン成績:
187三振 129試合140安打 49本塁打121打点 打率.283 OPS1.005‬
獲得タイトル:本塁打王、パ・リーグMVP、ベストナイン(外野手)

4位:村上宗隆選手(東京ヤクルト・2019年)
シーズン成績:
184三振 143試合118安打 36本塁打96打点 打率.231 OPS.813

5位:ラルフ・ブライアント氏(近鉄・1992年)
シーズン成績:
176三振 119試合109安打 38本塁打96打点 打率.243 OPS.864

6位:岩村明憲氏(ヤクルト・2004年)
シーズン成績:
173三振 138試合160安打 44本塁打103打点 打率.300 OPS.966
獲得タイトル:ゴールデングラブ賞(三塁手)

7位:中村剛也選手(埼玉西武・2015年)
シーズン成績:
172三振 139試合145安打 37本塁打124打点 打率.278 OPS.926
獲得タイトル:本塁打王、打点王、ベストナイン(三塁手)

8位:ブラッド・エルドレッド氏(広島・2014年)
シーズン成績:
169三振 118試合118安打 37本塁打104打点 打率.260 OPS.873
獲得タイトル:本塁打王

9位:マウロ・ゴメス選手(阪神・2014年)
シーズン成績:
166三振 143試合152安打 26本塁打109打点 打率.283 OPS.861
獲得タイトル:打点王、ベストナイン(一塁手)

10位:オレステス・デストラーデ氏(西武・1990年)
シーズン成績:
165三振 130試合125安打 42本塁打106打点 打率.263 OPS.926‬
獲得タイトル:本塁打王、打点王、ベストナイン(指名打者)

 以上のように、全ての選手がOPS.800を超えており、同じ年にタイトルを獲得した選手も多数。好成績との相関性という点では、先ほど取り上げた直近10年よりもさらに顕著であると言えそうだ。試合数の増加も手伝ってか、2010年代中盤から後半にかけて生み出された記録が上位に多く存在しているのも興味深い点といえよう。

 そんな中でも、1位から5位までのうち実に4つを占めているブライアント氏の存在感は強烈だ。「三振かホームラン」を地で行く豪快なバッティングはファンの人気を集めただけでなく、優勝を手繰り寄せるダブルヘッダーでの4打数連続本塁打、東京ドームのスピーカーに打球を当てる認定本塁打など、数々の伝説的なアーチも生み出している。

 そして、2019年にブレイクを果たした村上選手がいきなり歴代4位にランクインしたという事実も特筆ものだ。昨季までは1位から4位までブライアント氏の記録がずらりと並んでいたが、村上選手がそこに割って入ったことになる。36本塁打・96打点はいずれもリーグ3位の数字で、OPSも.800超え。19歳の若さにして、既に底知れないポテンシャルを発揮している。

 6位以下にも本塁打王と打点王がそれぞれ3人並んでおり、打撃タイトルを獲得していない岩村氏もOPS.966とハイレベルな打撃を見せていた。三振数はネガティブな記録ではあるが、球史に残るレベルで思い切りのよい打撃を見せていた選手たちは、すべからく好成績を残していたことも確かなようだ。

三振を恐れない姿勢が、好成績に結びつくケースは多かった

 以上のように、ブライアント氏やかつての中村選手のように、三振を恐れずに長打を狙っていく姿勢が好成績に結びつくケースは多い。三振の多さはシーズンを通して出場機会を確保したことと、当てに行かずに振り抜くという強打者としての基本を、年間を通じて堅持したことの証明でもあるだろう。

 もちろん三振数は少ないに越したことはないが、その他の成績が優れていればある程度は目をつぶることができるのも確か。来季以降も失敗を恐れることなく、豪快なバッティングを見せてくれる選手は出てくるだろうか。