あの歓喜の瞬間を、もう一度。2014年以降の「優勝決定試合」を振り返る

2019-12-16 18:00 「パ・リーグ インサイト」望月遼太
「パーソル パ・リーグTV」では、2013年以降のパ・リーグにおける優勝決定試合を、1試合丸々配信予定

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 愛するチームが優勝を決めた瞬間というものは、やはりファンにとってはかけがえのない思い出となるものだ。グラウンド上に歓喜の輪が広がり、監督やチームの中心選手たちが胴上げされる。過酷なシーズンを戦い抜いた選手たちにとっては、前シーズン終了直後から取り組んできた努力が報われた瞬間にもなるだろう。

 日程やマジック対象チームの結果によっては、試合に敗れても優勝が決まったり、試合のない移動日に優勝が決まるというケースも存在する。だが、近年のパ・リーグにおいては、マジック対象チームの結果を待つことなく、自力で勝って優勝を決めるケースが多くなっている。

 そこで、今回は直近6年間の優勝決定試合を一挙に紹介。ファンにとっても印象深いであろう激闘のペナントレースに決着をつけた一戦と、そこに至るまでの背景をあらためて振り返っていきたい。

2014年:10月2日 福岡ソフトバンク対オリックス(ヤフオクドーム)

10/2 ホークス対バファローズ ダイジェスト

 この年は福岡ソフトバンクとオリックスがシーズン最終盤まで熾烈な優勝争いを繰り広げ、10月2日にゲーム差なしの状態でシーズン最後の直接対決を迎えた。この試合がシーズン最終戦となる福岡ソフトバンクは勝てばその時点で優勝決定、シーズン142試合目のオリックスはこの試合に勝てば残り2戦を1分け以上で乗り切れば優勝と、まさにペナントの行方を決める大一番だった。

 福岡ソフトバンクはこのシーズンに黄色靭帯骨化症から復帰した大隣憲司氏を先発に立て、不屈の左腕も6回無失点という素晴らしいピッチングで首脳陣の期待に応える。対するオリックスはまだ1失点だった先発のディクソン投手を4回2/3という早い段階で交代させ、優勝争いの原動力となっていた強力リリーフ陣にスイッチ。救援陣もその期待に応えて福岡ソフトバンクに追加点を与えず、試合は息詰まる投手戦となっていく。

 大隣氏は2回に細川亨選手の犠飛で挙げた1点のリードを守ったままマウンドを下りるが、オリックスも代打の原拓也選手が7回に森唯斗投手から同点タイムリーを放ち、試合を振り出しに戻す。その後は両チーム共にリリーフ陣が好投し、試合は同点のまま延長戦に。オリックスは10回表に2死満塁の絶好機を迎えるも、サファテ投手が踏ん張って勝ち越しを許さず。直後の10回裏に今度は福岡ソフトバンクが1死満塁とサヨナラのチャンスを作ると、続く松田宣浩選手の打球は左中間へ。大激戦となったペナントレースは、劇的な一打で幕を閉じた。

2015年:9月17日 福岡ソフトバンク対埼玉西武(ヤフオクドーム)

9/17 ホークス対ライオンズ ダイジェスト

 前年は壮絶な優勝争いの末に僅かな差で優勝を勝ち取った福岡ソフトバンクだったが、この年は投打に盤石な戦いぶりを披露。6月から首位を快走し始め、8月を迎えるころには既に独走態勢へと入っていた。対する埼玉西武は6月までは優勝争いに加わっていたが、7月15日から悪夢の13連敗を喫して大きく後退。9月を迎えた時点では、千葉ロッテとの3位争いが佳境を迎えている状況だった。

 試合は福岡ソフトバンクが武田翔太投手、埼玉西武が高橋光成投手の先発で始まった。福岡ソフトバンクは初回に4番・内川聖一選手の適時打で先制すると、3回には松田選手と長谷川勇也選手の2者連続本塁打でリードを3点に広げる。対する埼玉西武も5回に鬼崎裕司氏の適時打で1点を返すが、6回には野選と明石健志選手の犠飛でホークスがさらに2点を追加する。

 武田投手は7回1失点という見事な投球を見せてマウンドを降りたが、2番手の森投手が中村剛也選手に2点適時二塁打を浴び、わずか1アウトしか取れずに降板する事態に。それでも3番手の五十嵐亮太投手がきっちりと火消しに成功してそれ以上の失点は許さず、9回はサファテ投手が無失点で締めくくって試合終了。シーズンを通じて圧倒的な強さを見せつけた福岡ソフトバンクが、リーグ連覇を達成した。

2016年:9月28日 北海道日本ハム対埼玉西武(西武プリンスドーム)

9/28 ライオンズ対ファイターズ ダイジェスト

 リーグ3連覇を狙った福岡ソフトバンクは序盤から快調に首位を走り、前評判通りの戦いぶりで独走態勢を築いていた。対する北海道日本ハムは開幕から数か月はなかなか調子が上がらず、5月が終了した終了時点で勝率.520、順位は3位。首位に立っていた福岡ソフトバンクとは、最大で11.5ゲームという大差をつけられていた。

 しかし、北海道日本ハムは6月19日から7月11日まで球団新記録となる怒涛の15連勝を記録するなど、中盤戦に入ってから猛烈な追い上げを見せ、8月25日にはついにシーズン初の首位浮上を果たす。その後も両チームは一進一退の戦いを続けたが、敵地で行われた9月21日からの直接対決で連勝を飾った北海道日本ハムが一気に優位な状況に。優勝マジックを点灯させてからはその数を順調に減らしていき、マジック「1」の状況で28日の試合を迎えた。

 この試合の先発マウンドを託された大谷翔平投手は初回から鬼気迫る投球を見せ、埼玉西武打線を全く寄せ付けない。打線の援護は4回にレアード選手が放ったソロによる1点のみだったが、この日の大谷投手にとってはその1点で十分だった。許した安打は5回に森友哉選手に打たれた1本のみ、四球を含めた走者もわずかに2人。9回を15奪三振で完封というまさに完璧なピッチングを見せ、チームを歓喜の瞬間へと導いた。