【千葉ロッテマリーンズ2019:前編】多くの若手が台頭。着実に力を付けた投手陣を振り返る

2019-12-24 17:29 「パ・リーグ インサイト」編集部

より一層ボリュームアップした「シーズンレビュー2019」!! 千葉ロッテの名シーンの数々をご覧ください!!(C)パーソル パ・リーグTV

 3位の楽天と2ゲーム差で惜しくも4位に終わった千葉ロッテマリーンズ。最終的には悔しい結果に終わったが、来季に向けて多くの収穫があった1年でもあった。今回は、特集動画「シーズンレビュー2019」で試合を振り返り、本記事では選手にフォーカス。前編は投手を中心に、後編は野手を中心に千葉ロッテの2019シーズンを振り返っていく。

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覚醒間近。フル回転が期待される若手右腕たち

 2017年にリーグワーストに沈んだチーム防御率4.22を、年々良化させ、リーグ4位の3.90で終えた2019シーズン。少しずつではあるが、投手力は着実に備わってきていると言えよう。

 そんな成長著しい千葉ロッテ投手陣の象徴とも言える存在が、種市篤暉投手だ。高卒3年目の21歳で迎えた今季は、開幕からベンチ入り。中継ぎとして結果を残し4月29日の楽天戦で今季初先発に抜てきされると、5回2失点の力投でプロ初勝利を挙げた。その後も活躍を続け、終わってみれば26試合に登板。チーム最多タイの8勝を挙げ、防御率3.24を記録してブレイクを果たした。

 種市投手の強みは高い奪三振力。116回2/3を投げ135奪三振を記録した一方で、与四球はリーグ5位(51四球)と今ひとつ制圧力に欠ける。弱点を改善し、さらなる飛躍を遂げたいところだ。

 また、成長株として忘れてはいけないのが高卒5年目、23歳の岩下大輝投手だ。4月17日の福岡ソフトバンク戦では6回無失点の好投で今季初勝利、7月までに5勝の活躍を見せた。その後も着実に勝利を積み重ねていくかに思われたが、8月6日の福岡ソフトバンク戦で、守備の際に右足を痛め、無念の戦線離脱。9月中旬に一軍復帰を果たすも、先発の座に返り咲くことはかなわず、5勝3敗、防御率3.64でシーズンを終えた。

 力強い直球を武器に飛躍の足がかりをつくった今季。強気の投球スタイルが魅力だが、96回1/3で49四球と、制球には改善の余地が残る。今オフにさらなる成長を遂げ、来季こそ1年間ローテーションを守りたい。

期待の若手が成長する一方で新戦力の台頭も

 新戦力の台頭もあった。ルーキーの小島和哉投手と東妻勇輔投手だ。オープン戦で結果を残した小島投手は開幕ローテーションに名を連ね、4月4日の埼玉西武戦で登板したが、2回8失点と炎上し登録抹消。しかし、夏場に再び一軍へ昇格すると、8月14日の北海道日本ハム戦で6回1失点と好投しプロ初勝利。その後も活躍を続け、8月の月間防御率は1.88、9月は3.00と結果を残し、3勝を挙げて初めてのシーズンを終えた。

 一方の東妻投手は7月に一軍初昇格を果たすと中継ぎとして好投を続け、8月にはセットアッパーに定着。投手事情が厳しくなる8月は月間12試合に登板し、自責点はわずか1と、チームを救った。しかし、9月は6試合で防御率15.43と数字を悪化させ、シーズン防御率4.71でフィニッシュ。収穫も課題も見つかったルーキーイヤーだったと言えよう。10試合に登板した中村稔弥投手を含め、実力の片鱗を見せた3人のルーキーが来季の起爆剤となれるか。

大車輪の活躍を見せたブルペン陣

 中継ぎ陣を引っ張ったのは、益田直也投手と東條大樹投手だ。抑えを務めた益田投手は60試合に登板し、防御率2.15、リーグ4位の27セーブを記録。特に7月以降は30試合に登板し自責点はわずか3と抜群の安定感を誇った。FA権を取得し去就が注目されていたが、チームにとどまることを決意。自身のSNSで「千葉ロッテマリーンズで優勝したい」と残留を表明し、チーム愛を語ったことはファンの記憶に新しいだろう。プロ8年間で472試合に登板した鉄腕が、来季も「幕張の防波堤」として君臨する。

 プロ4年目の東條大樹投手は中継ぎとしての地位を確立した。昨季11試合で防御率1.54と結果を残し期待され、迎えた2019シーズンは58試合に登板する大車輪の活躍。対右打率は.228と「右キラー」っぷりを発揮し、得点圏被打率は.162とピンチにも強かった。しかし8月に月間15試合に登板するフル回転を見せた後、9月は不調に陥ってしまう。月間8試合で防御率11.57と打ち込まれ、シーズン防御率も3.78と成績は悪化。終盤は悔しさの残る結果となっただけに、来季はリベンジを果たしたい。

かつての守護神と競合ドラ1が躍動

 かつての守護神・西野勇士投手と2016年ドラフト1位右腕・佐々木千隼投手が一軍で活躍を見せた。西野投手は2013年に先発としてプロ初勝利を挙げると2014年からは抑えを務め、2年連続30セーブを挙げた。2016年には日本代表にも選出された「育成の星」だったが、その後は怪我に苦しみ、2017年はわずか5登板。昨季は14試合で防御率6.19と結果を残せていなかった。しかし今季は開幕一軍に名を連ね、5月9日の埼玉西武戦では3年ぶりにセーブを記録。8月5日の楽天戦では先発として674日ぶりの勝利を収め、シーズン終盤には福岡ソフトバンクを相手に完封勝利も挙げた。来季は中継ぎと先発どちらで起用されるにせよ、フル回転の活躍を期待せずにはいられない。

 佐々木投手は外れ1位ながら5球団競合の末に千葉ロッテに入団し、即戦力候補とされていた。2017年はルーキーイヤーながら4勝を挙げ本格化を期待されたが、2018年は怪我に苦しみ一軍登板なしに終わった。雪辱を期して臨んだ今季、7月9日の北海道日本ハム戦で今季初登板を果たすと、7回1失点で2年ぶりの白星をつかむ。その後も先発として登板を続け、7試合で2勝、防御率2.53と結果を残した。来季こそシーズンを通した活躍を見せ、実力を示したい。

若手が成長を見せるなかで不振に陥る投手も

 そんななか、波に乗り切れなかった選手もいる。その筆頭は二木康太投手だろう。2016年に高卒3年目の21歳ながら7勝を挙げ、ブレイクが期待されていた右腕。しかしそこから7勝、4勝、そして今季も7勝と、2桁勝利まであと一歩のところで足踏みが続いており、防御率も4.41と支配力に欠けた。7月までは6勝、防御率3.44とローテーション投手として合格点の投球を続けていたが、8月は防御率8.05、9月は8.22と大不振に。Aクラス入りをかけて臨んだ埼玉西武との今季最終戦では2回を持たず5失点KOと、悔しさの残るシーズンとなった。「来季こそ」と言われ続けてはや4年。納得のいく結果が求められる時期に差し掛かっている。

 その他にも、石川歩投手、涌井秀章投手、ボルシンガー投手の3投手が先発の柱として期待されていたが、ローテーションを守り続けた投手は一人もおらず、大きな誤算となった。特に涌井投手は昨季の7勝から3勝へ、ボルシンガー投手は13勝から4勝へと大きく成績が悪化。石川投手は9月に4戦4勝と巻き返して実力を示したが、7月まではわずか3勝、防御率5.21と精彩を欠いた。涌井投手、ボルシンガー投手はチームを離れる来季、実績のある石川投手にかかる期待は大きい。

真価が問われる来季。豊かなポテンシャルを生かしてAクラスへ

 以上のように若手投手が台頭する一方、長年チームを支えてきた選手たちが力を発揮できなかった今季。フレッシュな面々に中堅・ベテランの力が加われば、さらなる飛躍が見込めるだろう。井口資仁監督も、来季で勝負の3年目。ポテンシャル豊かな千葉ロッテは、真価が問われる1年を迎えることになる。

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文・望月優樹