【千葉ロッテマリーンズ2019:後編】千葉移転後最多本塁打。攻撃力が増した打線を振り返る

2019-12-24 17:30 「パ・リーグ インサイト」編集部

より一層ボリュームアップした「シーズンレビュー2019」!! 千葉ロッテの名シーンの数々をご覧ください!!(C)パーソル パ・リーグTV

 3位の楽天と2ゲーム差で惜しくも4位に終わった千葉ロッテマリーンズ。最終的には悔しい結果に終わったが、来季に向けて多くの収穫があった1年でもあった。今回は、特集動画「シーズンレビュー2019」で試合を振り返り、本記事では選手にフォーカス。前編は投手を中心に、後編は野手を中心に千葉ロッテの2019シーズンを振り返っていく。

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チーム打点大幅増。立役者となった主軸選手たち

 チーム打率は.249でリーグ5位に終わった一方で、チーム本塁打数は昨季の78本から132本に大幅増。チーム本塁打が100本を超えるのは、日本一に輝いた2010年以来9年ぶり、千葉移転後最多本塁打を記録した。さらにチーム打点は613と、埼玉西武の「獅子おどし打線」に次ぐリーグ2位を記録。455打点で最下位だった2017年、510打点で5位だった2018年から劇的に改善してみせた。

 攻撃力を増した2019千葉ロッテ打線。その中心にいたのは荻野貴司選手だ。ルーキーとして迎えた2010年、46試合で25盗塁、打率.326と衝撃的なデビューを飾ったが、以降8年間は怪我に泣き続けた。しかし迎えた今季、開幕スタメンこそ逃したものの、4月に月間打率.355の好成績をマークしてレギュラーを奪取する。その後、腰痛により約10日間離脱するも、自身初の規定打席に到達。自己最多の125試合に出場して最終成績は打率.315、10本塁打の好成績でベストナインにも輝くなど、1番打者として申し分のない結果を残した。

 打撃はもちろん、走塁・守備における貢献度も高く、盗塁数はリーグ4位の28盗塁。守りに転じれば、快足を生かして広い守備範囲を形成し、幾度となく美技を披露した。34歳にして自身初のゴールデングラブ賞も受賞した「伸び盛り」のベテランが、来季もチームをけん引する。

 荻野貴司手とともに上位打線を形成したのが、鈴木大地選手。こちらも開幕スタメンは逃したが、持ち前のユーティリティさを生かして出場機会を増やし、打席で結果を残し続けた。特に交流戦では打率.368、6本塁打、17打点と爆発。プロ入り後初となる外野守備もこなし、攻守でチームに貢献し続けた。FA権を取得した今季は去就が注目されていたが、同一リーグの楽天に移籍。打率.288、15本、68打点と主要項目全てでキャリアハイの成績を残したチームリーダーは、来季から「ライバル」となることが決まった。

 また2019年の千葉ロッテ打線を語る上で外せないのが、レアード選手、マーティン選手の助っ人コンビだ。レアード選手は今季、北海道日本ハムから加入すると、持ち前の長打力を遺憾なく発揮。32本塁打89打点と、中軸として十分な働きを見せた。しかし、打率.352、8本塁打と爆発した4月までと対照的に、夏場は調子が急降下。特に8月は月間打率が2割を切るなどブレーキをかけた。

 そんなレアード選手の不振と時を同じくして加入してきたのが、マーティン選手だった。苦しい夏場にチームへ合流すると、来日2試合目となる7月27日の楽天戦で早くも本塁打を放ち、実力を見せつける。その後も長打を量産し、シーズン終了までの52試合で14本のアーチを描いた。特に今季千葉ロッテが苦手としていたオリックス相手には(9勝15敗1分)、12試合で6本塁打を浴びせ、まさに「助っ人」にふさわしい活躍を見せた。

 さらにマーティン選手の魅力といえば、その強肩っぷり。右翼から放たれる矢のような送球は、まさに「守備でお金が取れる」数少ない選手の証だろう。これからもお立ち台でたくさんの「頑張りマーティン」が見られることを期待したい。

打線が活発になるなかで課題を残した選手たち

 大きく課題を残した選手もいる。まずは、中村奨吾選手だ。昨季は全試合に出場し、打率.284、8本塁打、39盗塁とブレイク。ゴールデングラブ賞も受賞し、主軸としてさらなる飛躍が期待されていた。しかし迎えた今季は、故障の影響もあって打率が悪化。最終成績の打率.232は規定到達者の中ではリーグワーストで、盗塁も12盗塁と大きく数を減らした。ただ一方で、本塁打の数は17本と昨季から倍増。ポテンシャルは十分なだけに、本領発揮といきたいところだ。

 そして、同じく昨季全試合に出場した藤岡裕大選手も不調に苦しんだ。開幕から調子が上がらず4月は月間打率.194。状態が上向いた5月には右ももの肉離れで二軍落ち。翌月復帰を果たすも、またも同箇所を負傷し、戦線を離脱する苦しいシーズンとなった。しかし、再昇格後の9月には、月間打率.353と結果を残した。またシーズン全体で見ても、長打率が昨季の.305から.352に上昇と成長も見られた。3年目の来季こそ真価を発揮し、レギュラーをつかみとりたい。

 また、田村龍弘選手も、悔しい1年を過ごした。昨季まで3年連続で130試合以上に出場し、正捕手としての地位を確立。しかし、柿沼友哉選手の台頭や、故障による離脱などもあり、出場機会が減少。試合の終盤には細川亨選手がマスクを被ることもあり、年間を通じて「正捕手」だったとは言えないシーズンだった。来季で26歳と円熟期に差し掛かりつつある扇の要は、不動の正捕手に返り咲けるか。

来季こそ飛躍へ。覚醒が待たれる若鴎たち

 鈴木大地選手の退団が決まった今、最も期待されているのは三塁手・安田尚憲選手の一軍定着だろう。高校通算65本の実績を引っさげて入団した金の卵は、2年目の今季、二軍で経験を積んだ。19本塁打、82打点はイースタン・リーグ二冠。主軸打者として活躍する下地は十分にできた。守備や打撃の確実性など課題は多いが、そのプレーに注目が集まる。

 同じく期待されるのが、平沢大河選手の一本立ちだ。昨季112試合に出場し、353打席に立った2015年のドラフト1位内野手。いよいよブレイク、と目された今季だったが、終わってみれば打率.198、1本塁打と結果を残せなかった。多くはない守備機会で5失策と遊撃手としても安定感を見せられず、攻守にわたって不発。今秋のドラフトでは同学年・同ポジションの福田光輝選手が指名されるなど競争は激化しており、2020年は平沢選手にとって正念場となるだろう。

来たる2020年。打線の破壊力を増して優勝へ

 これまで振り返ってきたように、円熟期を迎えた主力と期待の若手が混在している千葉ロッテ野手陣。新たに設置されたホームランラグーンの影響もあってか打撃成績は良化しており、チームとしての攻撃力は増していると言えよう。今季24本塁打の井上晴哉選手など既存の選手らの奮起と、期待の若手がマッチすれば、破壊力はさらに増すだろう。反省と収穫を胸に、千葉ロッテは2020シーズンへと向かう。

文・望月優樹

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