「台風の目」の中に仁王立ちする、不動の守護神・平野投手

2016-09-18 00:00 「パ・リーグ インサイト」編集部

クライマックスシリーズ進出が消滅してしまった中、オリックスが下位から見事な「上位いじめ」を展開している。9月2~4日の試合で北海道日本ハムとのカードを1勝1敗1分け、続く9月6~9日の福岡ソフトバンクとの変則4連戦を3勝1敗で終え、福岡ソフトバンクを一時2位に転落させた。

ルーキーの吉田正選手が強烈なフルスイングと豪快なホームランで注目を集めれば、35歳の糸井選手も史上最年長の盗塁王を視界に捉え、15日の北海道日本ハム戦では1試合3ホーマーを記録。さらに中島選手も8月の月間打率が3割超と埼玉西武時代に見せた本来の打撃を取り戻しつつあり、西野選手、大城選手、園部選手といった若手選手たちも必死にアピールを続けている。

彼ら野手陣の活躍に目を奪われるが、オリックスには救援陣の踏ん張りにも目を配っておく必要がある。16日時点で2013年ドラフト1位の吉田一投手が今季開幕から救援として計47試合に登板して防御率2.74、1イニングあたりどれだけの走者を許すかの指標となるWHIPも1.16とまずまずの数値を残し、左腕の海田投手も43試合で防御率2.29、WHIP1.05と目を引く数値をマーク。さらに自身初のオールスターにも出場した6年目の右腕・塚原投手もWHIPは1.38ながら防御率2.55。先発陣になかなか白星が付かない難しい展開となる中、救援陣が踏ん張りを見せて勝利につなげている。

この救援陣の最後に控えているのが、守護神の平野投手。開幕当初は最速166キロを誇ると言われた新加入のコーディエ投手がその座にあったが、コーディエ投手が不安定な投球を見せたのち、その座を引き継ぐ形で、2013年から守護神を務めていた平野投手が最後を締めくくるようになった。

入団から3年は先発を主な主戦場としていた平野投手は、岡田監督(当時)によりブルペンへ配置転換。これが見事にはまり、2010年は63試合に登板して7勝2敗2セーブ。80回2/3を投げ、防御率は1.67で、奪三振は101。シーズン先発0の救援投手としてはトップの数値を残した。

平野投手がいかに優れた投手であるかは、その他の数字の上でも十二分に示されている。奪三振率は毎年のように10を超え、3.5を超えると優秀とされるK/BBもコンスタントに3以上を記録。特に2012年は1試合当たりの四球率は0.79、K/BBは16という異次元の数値となった。

今年、平野投手は16日時点で26試合連続無失点を継続中。救援転向後としては最も低いながらも奪三振率は8.63を記録。K/BBも3.31で、WHIPも2012年以来となる1を割りそうな0.94だ。常時140キロ台後半、最速では154キロを記録するストレートと、落差の大きなフォーク。ここにスライダーと、時折カーブも織り交ぜる。中でも低めギリギリに決まるストレートは打者も手が出せない、まさに「難攻不落」の存在となっている。

オリックスは17日から福岡ソフトバンクとの3連戦を迎えている。さらに26日には1試合ながら北海道日本ハムとの対戦も控える。北海道日本ハムにとってこの1戦は、21・22日の福岡ソフトバンクとの直接対決後、すぐに札幌に戻っての楽天3連戦を終え、翌日この1試合のために大阪へ移動するという、ハードなスケジュールの真っただ中で迎える一戦(さらにその翌日には西武プリンスへ移動する予定)。上位2チームの差が拮抗している中では、1戦で潮目が変わる可能性も十分にあり、まさにオリックスがペナントの行方を左右するだろう。

リーグの覇権の行方を占う「台風の目」の中にいる、難攻不落の守護神。2014年、オリックスが悲願のリーグ制覇まであと一歩まで迫ったときに誇ったのが、その平野投手ら救援陣の盤石さだった。今年はリーグ優勝もクライマックスシリーズも可能性が消滅したが、上位との戦いで得られるものは、来季以降につながっていくに違いない。そしてその来季以降、チームの十八番である盤石継投のコアとなるのは、平野投手だ。