「『一球一生』の言葉を胸に、一軍で一勝を」
~福岡ソフトバンク・高橋投手インタビュー

2016-03-03 00:00 「パ・リーグ インサイト」岡田真理

新人合同自主トレで左すねの張りを訴えていた高橋純平投手は、キャンプもリハビリからスタート。完治して走れるようになるまで投球はNG。「一日も早く下半身を強化して、キャンプ中にはブルペンに入りたい」と、もどかしい思いを吐露していた。

「選手として強くなるのも大事なんですけど、それ以前にストレッチの時間が足りていないなと自分でも感じています。連戦となると、次の日に疲れを持ち越さないコンディションづくりが大切。一日24時間を上手に使って、次の日に備えないといけないですね」

ケガをして、まだまだ考え方が甘かったと痛感。しっかり体の土台を作らなければ、その上に技術が乗らない。今は土台を作る大切な時期だと自分に言い聞かせ、毎日のリハビリに励んでいる。

「高校時代も体のことはそれなりに考えていたんですけど、ケガのおかげでさらに考えるようになりました。周りからのアドバイスで吸収することも多く、ケガする前より知識が増えたことはよかったです」

キャンプイン後は、和田毅投手、武田翔太投手、千賀滉大投手など先輩ピッチャーたちの投球を目の当たりにし、自分が今までいたステージとの差も実感した。

「力を使っていないですよね。力をうまく使っているという言い方が正しいのかな。無駄がないんです。5割の力で8割以上の完成度の球を投げているという印象。そういう凄いピッチャーでも打たれて点を取られるわけですから、プロの世界ではピッチャーもバッターも極限の状態で戦っているんだと思い知らされました」

今シーズンの目標は、一軍で一勝。「一軍で二桁勝利とか、武田投手を目指すとか、今の僕には非現実的。一勝ならできるかもしれない。努力すれば達成できる目標を掲げたつもりです」

もちろん、将来的にはチームの絶対的エースになることを目指しているが、「エースかどうかは、周りが決めること」と高橋投手は淡々と言う。

「WBSC U-18ワールドカップで日本代表に選ばれたとき、4イニングくらいしかマウンドに立てなかった。そのとき思ったのは、自分はあまり信頼されていないんだなということ。高橋をマウンドに上げておけば勝てると思わせるくらい信頼を高めないといけないですよね」

理想像は、武田投手のカーブ、千賀投手のストレート、サファテ投手のフォークに、和田投手の美しい投球フォームを持ち合わせたピッチャー。「ホークスのピッチャーはみんなマウンドに立ったら自信に溢れている。どの先輩を見習っても勉強になります」

バッティングも好きだという高橋投手は、このキャンプで柳田悠岐選手のフルスイングにも魅了された。「ヘルメットが落ちるようなフルスイング。実際に見て、あれは飛ぶだろうなと。ピッチャーは空振りを取っても取った気がしないでしょうね(笑)」

ピッチャー、バッターともにスター揃いのホークスでインパクトを残すのは至難なことに思えるが、高橋投手はむしろ厳しい環境に喜びを感じている。

「ドラフト後に、自分が入るチームだと意識しながら日本シリーズを見ました。ホークスの選手はみんなレベルが高く、自分がそのレベルを超えないと試合に出られない。そういう環境で野球ができることは自分にとってプラスです。日本一のチームに入れたことを嬉しく思います」

座右の銘は、「一球一生」。今投げた一球は人生の中でその一球しかない。もし手を抜いてホームランを打たれたら一生後悔するのだという、高校時代の監督からの教えだ。

「どの試合でも、どんな局面でも手を抜かずに、ということを心掛けています。手を抜かないというのはすべて全力投球するということではなく、その一球をしっかり考えて投げたかどうかということ。その教えを守って、一軍で一勝を必ず実現させたいと思います」