なぜ、オリックスの場内ビジョンはあんなにカッコいいのか?【福田周平選手撮影現場潜入レポート】

2020-05-01 18:00 「パ・リーグ インサイト」編集部
チャンス動画撮影中の福田周平選手(C)パ・リーグインサイト

チャンス動画撮影中の福田周平選手(C)パ・リーグインサイト

 全国の球場に足を運んで思うことがある。オリックス・バファローズの本拠地、京セラドーム大阪の場内ビジョンはズバ抜けてカッコいい。

 吉田正尚選手のチャンス動画では、本人出演のゆかいな映像に合わせて、ファンが一斉にダンベルを掲げるのが定番になっており、岸田護現二軍投手コーチの引退試合のスペシャルムービーでは、選手の表情、グラフィック、演出、どれをとってもセンスのよさを感じた。

 縦8メートル横23メートルの特殊すぎるビジョンだからこそできる演出は、中継ではなかなか映らないため、球場へ足を運ぶ醍醐味であり、「野球を観に来た」高揚感を助長させる。このオリックスのビジョンのカッコよさを野球ファンへ伝えたいという純然たる思いから、2020年バージョンのビジョンの撮影現場に潜入することに。想像以上のスケールと、チーム関係者、選手間の信頼と協力体制のもとでできあがっていく様子をお伝えする。

撮影だけで10日間。プロモーションや演出のパイオニアだからこそのこだわり

 1月下旬、ところは舞洲バファローズスタジアム隣接の室内練習場。この練習場内に特設のスタジオを用意し、選手のビジュアルのスチール撮影とムービー撮影を行う。全選手撮り終えるのに10日間。選手ひとりひとり少しずつ違う内容の撮影が行われる。

「他球団から移籍した選手は『えっ撮影にこんな時間かかるんですか?』『何に使うんですか?』とびっくりされますね。でも、できあがりを見て『あれカッコよかったですね』と納得してくれる。元からいる選手は『今年もこの季節か』という感じでしょうか。ほんまに選手がよく協力してくれています」と話すのは、ビジョン制作に携わるオリックス野球クラブ・宣伝グループの木寺一樹さんだ。

「そもそも、オリックスはいろいろなプロモーションや演出のパイオニアと言われています」と木寺さん。今では当然のように全球団が取り入れている「選手の登場曲」や、チャンス時の演出などもオリックス球団が走りだったという。だからこそ毎年こだわった新作を出していきたいという思いもあるのだろう。

 そして、選手にとっても試合中にビジョンを目にすると気分が高まる。こうしたモチベーションを上げるために、演出は極力一緒に行っていくのだという。さらに、撮った映像は必ず選手本人が確認をして修正を施していく。登場する選手本人が映像の制作に携わっていくことで、選手もシーズン通して見るこれらの映像に愛着が沸くのだろう。

 この日撮影を行っていたのは、福田周平選手。スチール、チャンスムービー、スタメン発表時のオープニングムービーの撮影に同行した。

「慣れないっすね」と言いながら、メイク台の前に座る福田選手。

「慣れないっすね」と言いながら、メイク台の前に座る福田選手。

 まずはスチール撮影。メイクをしてもらいすぐにフォトグラファーの前に立つ。正対、あおり、振り返り、おなじみの「Bポーズ」など細かくフォトグラファーから指示が飛ぶも、淡々とこなす福田選手。途切れることなくシャッター音が鳴り響き、撮ったそのカット数は18にもおよんだ。「カット数も他球団さんに比べて多いと思います」と木寺さん。この写真は、ビジョンだけでなく宣伝販促物、プロフィールなど、あらゆる場面で使用される。

スチール撮影は3回目とあって慣れたもの。

スチール撮影は3回目とあって慣れたもの。

 スチール撮影が終わると流れるようにムービー撮影へ。まずは福田選手の登場曲『バリバリ最強No.1』のアニメ『地獄先生ぬ〜べ〜』をオマージュしたチャンスムービーの撮影から。

「昨年は、(鬼の手の)グローブを外すだけでしたが、今年はもう少しポーズを増やしています」と映像ディレクターの(株)ナナイロ永友伶奈さん。グローブを外した後の表情や、決めのポーズなど、より複雑な演出になった。

映像ディレクターの永友伶奈さんによる演技指導(!?)があってか、スムーズに撮影が進む。

映像ディレクターの永友伶奈さんによる演技指導(!?)があってか、スムーズに撮影が進む。

「緊張はしないです」と福田選手。ほとんど一発OKだった。

「緊張はしないです」と福田選手。ほとんど一発OKだった。

一瞬の表情をカメラが追う。

一瞬の表情をカメラが追う。

 福田選手は演出の意図や撮影カットをすぐに理解し、撮影にも協力的なため進行が早い。左から右からカメラを向けては、次々とOKテイクとなっていく。「(福田選手は)いい役者さんでした」と永友さんも満足の撮れ高だったようだ。

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