3年連続50試合登板を達成している投手は? 過密日程を戦い抜くカギを握る「鉄腕」を紹介

2020-06-13 08:00 「パ・リーグ インサイト」編集部
左から宮西尚生投手(北海道日本ハム)、近藤大亮投手(オリックス)、嘉弥真新也投手(福岡ソフトバンク)(C)パーソル パ・リーグTV

左から宮西尚生投手(北海道日本ハム)、近藤大亮投手(オリックス)、嘉弥真新也投手(福岡ソフトバンク)(C)パーソル パ・リーグTV

 野球界の「鉄腕」と聞いて誰を連想するだろうか。最も多くの人が頭に思い浮かべるのは「神様、仏様、稲尾様」の異名を持った西鉄ライオンズ・稲尾和久氏かもしれない。稲尾氏は1956年の入団1年目から61試合に登板し、14年間の現役生活で合計756試合マウンドに上がった。それは入団から引退まで毎年54試合登板のペースで投げ続けたことになり、先発投手だったというのだからその「鉄腕」ぶりは計り知れない。

 先発投手が50試合登板する起用法は、投手の負担を考えて避けられるが、分業制が確立された現代野球では、1シーズン50試合以上に登板する中継ぎの「鉄腕」は存在。彼らは1シーズンで3試合に1回以上はマウンドに立っていることになり、それは首脳陣からのこれ以上ない信頼の証だ。

 今季は試合数削減と短縮日程に伴い、同一カード6連戦が続くことになった。いわゆる「過密日程」を戦い抜くことは選手たちに大きな負担がかかるだけに、例年以上に中継ぎの「鉄腕」たちがチームのカギを握ることになる。

 イレギュラーな日程である今季は投手陣の負担をより考え、先発完投型よりも盤石な勝利の方程式を築くことが求められるだろう。2番手以降の投手がより重要になるだけに、安定した投球を披露し続けられる中継ぎ投手がブルペンにいることは非常に頼もしい。そこで今回は、直近3年間のパ・リーグで「3年連続50試合登板」を達成している投手を紹介する。

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 1シーズンで50試合以上投げるのは怪我なく、そして大不調に陥らずシーズンを戦い抜いた証であり、それを3年も続けることは並大抵の努力で達成できることではない。どの投手もチームに欠かせない投手であることは、誰もが納得するところ。

 信頼は数字にも現れている。上記6投手の防御率を見ると、一時期不調に悩まされたオリックス・増井浩俊投手の防御率4.83(2019年)を除き、どの投手も全てのシーズンで防御率は3点台以下。登板イニング数が少ない中継ぎ投手は、一度の大量失点で防御率が大きく変動するため、常にハイクオリティの投球を見せている証だ。「先発転向」を明言している楽天・松井裕樹を除いた上記5投手が、今季もリリーフ陣の中心となり、ブルペンを支えていくことになるだろう。

千葉ロッテと埼玉西武に「3年連続50試合登板」を達成した投手はいなかったが……

 千葉ロッテと埼玉西武は、3年連続で50試合登板を達成した投手こそいなかったが「鉄腕」と言うべき投手が存在する。千葉ロッテの松永昂大投手は、入団以来7年連続40試合登板を達成しており、怪我で一時離脱した昨季もチームトップのホールドを上げた。埼玉西武の平井克典投手は、2018年に64試合、昨季はリーグトップかつ、歴代2位の81試合に登板。ブルペンの大黒柱としてフル回転し、パ・リーグ連覇に大きく貢献した。

 月間登板数で稲尾氏に並んだ「鉄腕」もいる。オリックス・山田修義投手だ。2018年シーズン、8月に開催された25試合のうち稲尾氏に並ぶ月間18試合に登板した。この月の登板率は実に72%であり、年間143試合換算すると、100試合以上も投げる驚異的なペースだ。2018年は30試合、昨季は40試合の登板にとどまった山田投手が、シーズン通して安定した投球を続ければ、中継ぎ陣の厚みが飛躍的に増すことは言うまでもないだろう。

 全120試合と短いシーズンとなり、長期の不調はより一層許されない今季。イレギュラーな日程だからこそ、各チームの勝利の方程式を作り上げる「鉄腕」の活躍に注目してみてはいかがだろうか。


文・小野寺穂高

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