ビジターの成績がAクラスに直結? パ・リーグ6球団過去5年のホーム・ロード別勝敗

2020-06-25 10:00 「パ・リーグ インサイト」望月遼太
撮影:菊地綾子

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 野球ファンならご存じの通り、プロ野球チームの本拠地は日本各地に点在している。とりわけパ・リーグの場合、北は北海道、南は福岡と移動距離が長くなっており、各球団にとっては遠征にかかる負担もより大きくなっている。時期によっては東北や九州における地方球場での試合が続く場合もあり、シーズンによっては長期の遠征を経験するチームも出てくる。

 そのため、1つのシーズンにおいて、ホームゲームとロードゲームの成績に少なからず差異が出てくるチームも存在する。また、過去の成績を見てみると、ロードゲームを乗り切れたか否かが、Aクラスに入ったチームとBクラスに沈んだチームの明暗を分けたケースも、決して少なくはなかった。

 今回は、直近5年間のパ・リーグにおける、各チームのホームとロードの成績をそれぞれ紹介。実際の数字を確認したうえで、シーズン通算の成績との相関性を見ていきたい。

ほぼ毎シーズン同じ傾向が見られるなか、2018年は……

 過去5年間のパ・リーグにおける、各チームの順位と成績および、ホームゲームとロードゲームにおける成績はそれぞれ以下の通り。

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 ホームとロードの双方で大きく勝ち越して白星の数を90に乗せた福岡ソフトバンクはもちろん、2位の北海道日本ハムもロードで5つの勝ち越しを作り、ホームで作った12個の勝ち越しも含めて安定した戦いを見せた。3位の千葉ロッテもロードゲームは1つの負け越しにとどめ、ホームでの貯金を生かしてAクラス入りを果たしている。

 埼玉西武はホームで9つと少なくない数の勝ち越しを作っていたが、ロードで同じく9つの負け越しを作ってトータルの成績はイーブン。勝率.500でBクラスに終わる結果となった。また、オリックスもホームでは五分に近い成績を残しながら、ロードで18個の負け越しを作って5位に沈んでいる。

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 最大11.5ゲーム差をひっくり返して奇跡の大逆転優勝を飾った北海道日本ハムと、惜しくも2位に終わった福岡ソフトバンクの2チームは、ともにホームとロードの両方で大きな勝ち越しを記録して3位以下を大きく引き離した。千葉ロッテは前年と同じくロードでの負け越しを1つにとどめており、ホームでの勝ち越しを生かして3位に入ったのも同様だ。

 このシーズンは2位と3位のゲーム差が12.5、3位と4位のゲーム差が8.0と、上位と下位の差が大きく開いた年だった。Bクラスに甘んじた4位の埼玉西武、5位の東北楽天はともにホームでは五分に近い数字を残しながら、ロードゲームで10以上の負け越しを喫したことが、シーズン全体の順位にも大きく影響している。

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 リーグ優勝を果たした福岡ソフトバンクはシーズン全体で94勝を積み上げただけあり、ホームで32、ロードで23と、場所を選ばずに大きな勝ち越しを作っていた。2位の埼玉西武、3位の楽天イーグルスもホームとロードの双方で勝ち越しており、そういった要素がシーズン途中まで3チームによる熾烈な優勝争いが演じられたことにも寄与していたと言えるか。

 このシーズンも3位と4位のゲーム差が14.5と大きく開いており、4位以下のチームはいずれも苦しい戦いを強いられた。北海道日本ハムはホームでは勝率.500と五分だったが、ロードで23個の負け越しを記録して5位に沈んだ。4位のオリックスもホームでの負け越し3つに比べ、ロードで13個と10個の差がついており、そのぶん借金もかさむ結果となっていた。

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 Aクラスに入った3チームはいずれも10勝以上の勝ち越しを作っており、優勝争いを演じた2チームは埼玉西武が14、福岡ソフトバンクが12と、いずれもロードで大きな貯金を作っていた。一方、3位の北海道日本ハムはロードで3つの負け越しを喫したが、11個の勝ち越しを作ったホームでの戦いがそれを帳消しにし、Aクラスの座を確保している。

 下位に沈んだ3チームは揃ってホーム・ロードの両方で負け越しており、Bクラスに沈んだのもやむなしと言えるか。しかし、4位のオリックスはホームとロードの負け越しがそれぞれ4つと、全く同じ数字となっていた。また、楽天イーグルスはホームで28の負け越しを作った一方でロードでは4つの勝ち越しを作っており、ともにやや異質といえる成績を残していた。

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 リーグ連覇を果たした埼玉西武は、ホームでの14個の勝ち越しに加え、ロードでも4つの貯金を作った。対して、福岡ソフトバンクはホームで埼玉西武を上回る15個の貯金を作ったのに対し、ロードでは1つの負け越し。ロードゲームの成績の差が、シーズンの結果にも直結したと言えそうだ。楽天イーグルスは前年に苦しんだホームで3つの勝ち越しを作り、ビジターでも勝率.500と五分の成績を残してAクラスを確保した。

 千葉ロッテは前年15個の負け越しを作ったホームで5つの勝ち越しを作ったが、ロードゲームで6つの負け越しを喫したのが響き、Aクラス浮上を逃している。5位の北海道日本ハムもホームで1つ勝ち越し、最下位のオリックスも2つの借金にとどめたものの、ともにロードで大きく負け越し。その点が、年間成績にも少なからず反映された。

ロードゲームでの奮闘が、Aクラス入りの可能性を大きく高める?

 以上のように、レギュラーシーズンでAクラスに入ったチームは、ロードで勝率.500以上の成績を残したケースが多かった。また、ロードで負け越したチームも、勝率.500に近いラインの数字を記録している場合が大半だった。2019年の埼玉西武と福岡ソフトバンクのように、ロードゲームでの成績がシーズンの優勝争いを左右したシーズンも存在。ロードゲームをどう乗り切るかは、上位争いをするにあたって非常に重要な要素となっている。

 その一方で、Bクラスに沈んだチームの多くがロードゲームで大きな負け越しを作っている点も興味深いところ。最も顕著だったのは、ホームで9つの勝ち越しを作りながらロードで同じ数だけ負け越し、4位に甘んじた2015年の埼玉西武だろう。ロードで勝ち越しながらBクラスに甘んじたのは2018年の楽天のただ1例のみであり、ロードでの健闘がAクラス入りの可能性を高くするのは間違いないようだ。

 どのシーズンにおいてもある程度共通した傾向が見られる中で、2018年はやや異なる趣がある1年だった。先述した楽天のほか、同年4位のオリックスはホームとロードの成績が全く同じ(4つの負け越し)。また、3位の北海道日本ハムは、今回取り上げたAクラスのチームの中では最多となる3つの負け越しをロードで喫しながら3位に入っていた。

ホームゲームでの成績を生かすも殺すも、残り半分のビジター次第

 過去の成績をあらためて振り返ってみると、やはり上位争いをするチームは、ホームゲームでの成績がおしなべて優れていたという事実も見えてくる。そんな中で、大きな負担がかかるロードゲームで五分以上の成績を残せるか否かが、シーズン全体の勝ち越しや順位に大きな影響を与えるのは、いわば当然の帰結と言えるかもしれない。

 各種の数字にも表れた、パ・リーグにおける遠征時の戦いの重要性。地元を離れて敵地に乗り込み、奮闘するチームの勝敗が順位にダイレクトに響いてくるとあれば、テレビ越し、あるいはビジターでの応援にも、より熱が入ろうというもの。シーズンの成否を分けるといっても過言ではないロードゲームでの成績に、ぜひ注目してみてはいかがだろうか。

文・望月遼太

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