「チバリヨー!」大城滉二、平良海馬、山川穂高ら沖縄出身「ウチナーンチュ」に熱い声援を

2020-07-22 08:00 「パ・リーグ インサイト」編集部

 8月10日から15日にかけて、甲子園球場にて、2020年甲子園高校野球交流試合が行われる予定だ。そんな甲子園大会の醍醐味のひとつといえば、アルプススタンドでの応援だろう。特に異様な雰囲気に包まれるのが、沖縄県代表の応援風景である。定番の「ハイサイおじさん」という曲が流れるやいなや、大声で歌う者、「エイサー」と呼ばれる踊りを披露する者、指笛を吹く者……まさにお祭り状態である。

 さて、そんな沖縄出身のプロ野球選手は現在、合計で26名(セ・リーグ9名、パ・リーグ17名、育成選手含む)今回は、その中から8名のパ・リーグ戦士たちをピックアップ。今季はあなたも甲子園のアルプススタンドに負けない、指笛やチバリヨー!(沖縄の方言でがんばれ! の意味)の声援を送ってみてはいかがだろうか。

【神出鬼没】大城の『クセが凄いポジショニング』

驚愕の守備範囲を魅せるあの選手や「どすこい」のパフォーマンスでおなじみのあの選手も。パ・リーグで奮闘するウチナーンチュたち!

大城滉二選手(オリックス・バファローズ 興南高校出身 27歳5年目)

 大城滉二選手は、県内屈指の強豪校・興南高校で、2年時から遊撃手のレギュラーに。甲子園では、唯一の2年生レギュラーとして1学年上のエース・島袋洋奨投手(元福岡ソフトバンク)をバックで支え、史上6校目の甲子園春夏連覇に貢献した。その後立教大学を経て、15年のドラフト3位でオリックスに入団。昨季までは本職の遊撃手に加え、二塁・三塁・さらには外野手をもこなすユーティリティプレーヤーとして役割を全うしていたが、今季は開幕から二塁手に専念。すると、深めに守る大胆なポジショニングで、衝撃のプレーを連発している。

 動画を見ると、ライトやセンターの守備範囲をもカバーしているといえる大城選手。これだけ深いポジショニングを取れるのは、強肩とスピードを兼ね備えているゆえである。また、どの方向の打球にも反応が良く、これはさまざまなポジションを経験した成果といえるかもしれない。今季開幕から二遊間コンビを組む、こちらも名手・安達了一選手とともに、自身初の三井ゴールデン・グラブ賞受賞の可能性は大いにありそうだ。

宮城大弥投手(オリックス・バファローズ 興南高校出身 19歳1年目)

 そんな大城選手とチームメイトで、興南高校の後輩にあたる宮城投手は、19年のドラフト1位左腕だ。興南高校では、1年時、2年時に甲子園経験があり、スリークォーターから繰り出されるストレートとスライダー、チェンジアップを軸に、内角を強く攻め込む投球スタイルが持ち味だ。ウエスタン・リーグでは、早速その大器の片りんを見せつけており、デビュー戦で自己最速を更新する最速153km/hをマーク。またひとり楽しみな「ウチナーンチュ」がプロ野球界に現れた。

平良海馬投手(埼玉西武ライオンズ 八重山商工高校出身 21歳3年目)

 平良海馬投手は、高卒2年目の昨季後半にブレイク。26試合に登板するなど主に夏場以降のブルペンを支え、リーグ連覇に大きく貢献した。今季は開幕から絶好調で150km/h台後半のストレートと140km/h台後半のカットボールが冴えわたり、なんと開幕から10試合連続パーフェクト投球。7月19日の楽天戦では、自己最速となる160km/hを記録するなど、進化が止まらない。じつは平良投手、昨季までの一軍通算登板イニング数が24イニングと30イニングを下回るため、新人王の有資格者なのだ。沖縄県出身としては初の新人王獲得という快挙へ向け、剛腕は攻め続けている。

《THE FEATURE PLAYER》L平良『実質ノーヒットノーラン』まとめ

與座海人投手(埼玉西武ライオンズ 沖縄尚学高校出身 25歳3年目)

 沖縄尚学高校から岐阜経済大学を経て、17年のドラフト5位指名でプロの世界に飛び込んだ與座海人投手は、「絶滅危惧種」ともいわれるアンダースローの投手として注目を集めた。しかし、右肘の炎症の影響で18年にトミー・ジョン手術を受けるなど、わずか1年で育成選手契約に。それでもリハビリを続けた與座投手は、19年9月に実戦復帰。11月には支配下での再契約を勝ち取った。その後もオープン戦、練習試合と結果を残し続けると、見事初の開幕ローテーション入りの切符を手にし、6月21日の北海道日本ハム戦でプロ初登板・初先発登板。6回3失点とゲームを作るも、敗戦投手となるほろ苦いデビュー戦となった。その後もローテーションの一角として4試合に先発した與座投手だが、ここまで2敗とプロ初勝利はまだお預け。現在二軍での調整を続けているが、歓喜の初勝利の知らせが海を越え、沖縄に届けられる日はそう遠くはないはずだ。
 
山川穂高選手(埼玉西武ライオンズ 中部商業高校出身 29歳7年目)

「山賊打線」を引っ張る主砲・山川穂高選手も、沖縄出身のウチナーンチュだ。打席に入る際の登場曲『オジー自慢のオリオンビール』も、もうファンにとってはおなじみ。今季は背番号「3」を背負い心機一転、オフには打撃フォームの改造に着手した。ここまで調子に波はあるものの、7月17日から3試合連発を放つなど、そのバットは快音を奏でつつある。3年連続本塁打王という偉業達成に向け、より一層の本塁打量産に期待が高まっている。

福岡だけじゃない! オール九州の思いを背負ったあのチームでは、やはり沖縄勢の活躍が光る

東浜巨投手(福岡ソフトバンクホークス 沖縄尚学高校出身 30歳8年目)

 東浜巨投手は今季、前年の故障から復活し、8年目にして自身初の開幕投手に。5回2安打5奪三振無失点と、白星こそつかなかったものの自身初の大役を務めあげた。その後もここまで1勝と勝ち星にこそ恵まれずも、防御率2.08と好成績でチームを支えている。そんな東浜投手は、沖縄尚学時代、1学年下の嶺井博希選手(現横浜DeNA)とバッテリーを組み、3年春の選抜高校野球で優勝。その後亜細亜大学に進学しても、嶺井選手とバッテリーを組み続けた。今季こそ、交流戦で対戦の機会はないものの、今後はこの2人の対決にも注目してみてほしい。

嘉弥真新也投手(福岡ソフトバンクホークス 八重山農林高校出身 31歳9年目)

 昨季ブルペンを支えた甲斐野央投手高橋純平投手の二軍調整が続く中、開幕から奮闘し続けているのが嘉弥真新也投手だ。ここまで8試合で7イニングを無失点と完璧なピッチング。さらに特筆すべきは奪三振数12個と、奪三振率15.43という数字である。さらに対左打者に対しては、ここまで12人をパーフェクトに抑え込むなど圧巻の内容で、まさに球界屈指の「左キラー」だ。172cmの小柄な体から、どんなときでも落ち着いた投球を披露する嘉弥真投手。これまでも、そしてこれからも、チームの危機を何度も救ってくれるであろう。

リチャード選手(福岡ソフトバンクホークス 沖縄尚学高校出身 21歳3年目)

 沖縄出身野手のネクストブレイク枠として期待されているのが、リチャード選手だ。昨年から山川選手らと自主トレを行うなど、その潜在能力は折り紙付き。まずはアジア・ウインターリーグで3本塁打を放つと、春先の練習試合、オープン戦で持ち前の長打力を猛アピール。すると、3月16日に支配下登録され、背番号は「127」から「52」に変更された。開幕1軍は逃し、現在ウエスタン・リーグでも打率1割台と苦しんでいるものの、同じく三塁手の松田宣浩選手の後釜候補としてかかる期待は大きい。189cm、112kgの体格ながら、守備では俊敏な動きを見せる一面もあり、遊撃手としても起用されている。沖縄が生んだ心優しきスラッガーは、福岡の地で大きな花を咲かせられるだろうか。

文・岩井惇

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