プロで実現した2013年の甲子園春夏優勝投手対決 埼玉西武高橋光と千葉ロッテ小島の“現在地”

2020-07-23 10:32 「Full-Count」編集部
22日の千葉ロッテ戦に先発した埼玉西武・高橋光成※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

22日の千葉ロッテ戦に先発した埼玉西武・高橋光成※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

課題の粘り見せた高橋光、“呪縛”を解いた小島

■千葉ロッテ 2-1 埼玉西武(22日・メットライフ)

 埼玉西武・高橋光成投手VS千葉ロッテ・小島和哉投手。22日にメットライフドームで実現したこの2人の投げ合いは小島に軍配が上がった。高橋光は2013年夏の甲子園で群馬・前橋育英高を、小島は同年春の選抜大会で埼玉・浦和学院高を、共に2年生エースとして全国制覇に導いた甲子園春夏優勝投手による珍しい対戦だった。

 この日は6回2/3を5安打1失点に抑えた小島が今季2勝目(2敗)を挙げ、高橋光は7回8安打2失点の“粘投”が報われず、3敗目(2勝)を喫した。軍配の上がった小島がお立ち台で「真っすぐを低めに、強く集めることができた」とうなづけば、高橋光も「良かったところは粘れたこと」と満足げに振り返った。

 同学年の2人は、共に高1の秋からエースとなり、12年秋の関東大会2回戦で直接対決。5-3で浦和学院が勝ち、この時も小島に凱歌が上がっている。小島はそのまま同大会で優勝し、翌年の選抜への切符を手中にして、全国制覇へ驀進した。夏の甲子園にも出場したが、初戦で宮城・仙台育英高に敗れた。高橋光はその夏に初めて甲子園の土を踏み、優勝へ駆け上がった。2人とも3年生の夏は県大会で敗退している。

 高橋光は14年ドラフト1位で埼玉西武入りし、昨季は初の2桁勝利(10勝6敗)をマーク。身長190センチ、体重105キロの“メジャーサイズ”を誇る高橋光に対し、177センチ、85キロの小島は高校卒業後、早大を経由し、東京六大学リーグ通算22勝の実績を積んでプロの世界に飛び込んだ。ドラフト3位で千葉ロッテ入りし、1年目の昨季は3勝5敗。

22日の埼玉西武戦に先発した千葉ロッテ・小島和哉※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

22日の埼玉西武戦に先発した千葉ロッテ・小島和哉※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

今季防御率は高橋光が5.34で、小島が4.78

 近い将来のエースと目されている高橋光への期待値は高く、埼玉西武・辻監督はめったに手放しではほめない。今季2勝目を挙げた6月30日のオリックス戦でも、6回まで無失点で抑えながら、3点リードの7回にロドリゲスの2ランを含む3連打を浴びて降板。投球数が100に近づき、いったん崩れ始めると歯止めがきかず、指揮官は「急にガタッと馬力が落ちた。厳しいことを言うようだが、もう少し頑張ってもらいたい」とおかんむりだった。

 その点、この日は負けたとはいえ、求められていた粘りを見せた。2点ビハインドで迎えた7回、2死満塁のピンチを招いたが、この日120球目にして149キロを計測して4番・安田を中飛に仕留め、追加点を許さなかった。辻監督も「粘ったといえば粘ったが、相手投手にもいいピッチングをされて、粘り切れずに先に点を与えてしまったところが今ひとつ」と注文を付けながら「全体的には2失点で頑張った」と評価した。

 一方、ようやく“呪縛”を解いたのが小島だ。埼玉県出身で、メットライフドームはいわば“地元”。昨年4月4日にこの球場でプロ初登板(先発)を果たしたが、2回8失点で黒星を喫した。同7月17日にも再びメットライフの先発マウンドに上がったが、4回1/3で4点を失い返り討ち。今年も今月8日にZOZOマリンで行われた埼玉西武戦に先発したが、6回2失点で3たび敗戦投手となった。埼玉西武戦は過去3戦3敗だっただけに「去年ここで負けてから、早く1勝がほしかった」と胸をなでおろした。

 今季防御率は高橋光が5.34で、小島が4.78。ともに先発ローテの柱としては胸を張れる数字ではない。この日を“ライバル伝説”の序章として、お互いを高め合っていってほしいものだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)