内海哲也がついに移籍後初登板。その実績と、埼玉西武にもたらす波及効果は?

2020-08-22 13:00 「パ・リーグ インサイト」望月遼太

2度の最多勝、1度の最多奪三振を獲得し、巨人のエースとして活躍した内海投手

 埼玉西武の内海哲也投手が、8月22日のオリックス戦にて、ついに移籍後初登板を果たす見込みだ。プロ17年目、38歳の大ベテランである内海投手は、巨人のエースとして10年以上にわたって活躍。2度の最多勝、1度の最多奪三振といったタイトル獲得歴に加え、現役選手の中では4番目の多さとなる通算133勝、同じく現役4位の通算1969投球回という数字も記録している。

 今回は、そんな内海投手が過去16年のプロ生活で見せてきた活躍について紹介するとともに、故障との戦いを乗り越え、2年ぶりとなる一軍のマウンドに立つベテラン左腕の、今後の活躍にも期待を寄せていきたい。 

2006年からの8シーズンで、7度の2桁勝利を記録した抜群の継続性の高さ

まず、内海投手がプロ入り後に残してきた成績を紹介したい。

 東京ガスから2003年ドラフトの自由獲得枠で巨人に入団した内海投手は、プロ3年目の2006年に12勝13敗、防御率2.78とブレイクし、ローテーションの中心的存在の一人へと飛躍を果たす。続く2007年には自身初タイトルとなる最多奪三振も獲得し、2006年からの8シーズンで7度の2桁勝利を記録。巨人のエースとして広く認められる存在となり、長年にわたって安定した活躍を見せた。

 とりわけ、統一球の影響で球界全体の投手成績が向上した2011年と2012年に記録した数字は、まさに圧巻と呼べるものだった。内海投手だけでなく、多くの投手が成績を伸ばしてくる中で、2年続けてセ・リーグ最多勝のタイトルを獲得。防御率も2年続けて1点台と極めて安定しており、2012年にはセ・パ交流戦のMVPと、日本シリーズのMVPもそれぞれ受賞している。

ベテランとなってからも随所で存在感を示してきたが……

 もちろん、極端な投高打低だったこの2シーズン以外の成績も十二分に優れていたのは、内海投手が残してきた数字を見れば一目瞭然だ。2015年以降は相次ぐ故障もあって登板機会がやや減少したが、2016年には9勝を挙げて防御率も3点台と復調の兆しを見せるなど、ベテランの域に達してからも、左の先発として随所で存在感を発揮していた。

 生え抜きとして15年間にわたって巨人に貢献し続けてきた内海投手だったが、2018年オフ、炭谷銀仁朗選手のFAに伴う人的保障として埼玉西武に移籍。前年の2018年にも先発として一定の成績を残していたこともあり、先発の層が厚いとは言えないライオンズにおいても、先発陣の一角に加わる活躍が期待されていた。

 2019年のプレシーズンではその期待に応えて好投を見せ、一時は辻発彦監督が開幕ローテーション当確の言葉も口にしていたが、相次ぐ故障の影響もあり、開幕後は一転して、自身初めて一度も一軍で登板できない苦難のシーズンに。シーズンオフの10月24日には左前腕の手術を受けるなどケガとの戦いは続いたが、二軍での調整を経て迎える新天地での一軍初登板で、実績十分の左腕はその実力を示すことができるだろうか。

精神的支柱としての期待に加え、大舞台での豊富な経験もプラスになりうる

 内海投手は巨人時代に投手陣のリーダーとしての役割を果たしており、その人柄も相まってチーム内の人望も厚かった。内海投手がローテーションの一角として一軍に定着すれば、若返りが進む埼玉西武の投手陣にとっても、精神的支柱としての役割をを果たしてくれる可能性は大いにあるだろう。

 また、内海投手は巨人のエースとして6度のリーグ優勝と2度の日本一に貢献し、WBCでも日本代表の一員として2009年の世界一メンバーとなった経験の持ち主でもある。2年続けてリーグ優勝を果たしながらも、クライマックスシリーズで涙を飲んできた埼玉西武にとっては、日本シリーズMVP受賞経験をはじめとした、内海投手が大舞台で培ってきた豊富な経験が、チームに還元されることにも期待したいところだ。

 その一方で、過去2シーズンにおけるクライマックスシリーズでの苦戦の要因の一つには、先発投手の駒不足があったのは否めないところ。今シーズンは短縮日程の影響もありクライマックスシリーズも縮小されるが、混戦が続くパ・リーグにおいて、埼玉西武が今後2位以上に浮上する可能性はまだ残されている。そういった意味でも、内海投手が一軍の舞台で好投を見せてくれるかどうかは、今後に目を向けても小さくないファクターとなりうる。

今日の登板では、あと4に迫った節目の記録達成も期待される

 貴重な先発左腕の一人としての期待を受けて移籍したものの、その後は故障の影響で歯がゆい状況が続いていた内海投手。その実績とリーダーとしての資質に疑いの余地はないだけに、新天地でのデビュー戦でどのような投球を見せてくれるかに期待が集まるところ。あと4に迫った通算1500奪三振、同じく残り31となっている通算2000投球回という節目の記録も迫っているベテラン左腕の新たな船出に、ぜひ注目してみてはいかがだろうか。

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