「歯を食いしばる姿」が誇りだった… 引退の楽天・渡辺直人が見た松坂世代

2020-09-13 20:03 「Full-Count」編集部
引退会見に臨んだ楽天・渡辺直人内野手兼1軍打撃コーチ※写真提供:Full-Count

引退会見に臨んだ楽天・渡辺直人内野手兼1軍打撃コーチ※写真提供:Full-Count

松坂ら高卒組から8年遅れてプロ入り「どっちかというとファンみたいな感じ」

 松坂世代最後の野手が現役生活に別れを告げる。今季限りでの現役引退を発表した楽天・渡辺直人内野手は13日、本拠地・楽天生命パーク宮城で記者会見を行った。会見では、平成の球史を彩ってきた同学年の選手たちへの熱い思いを語った。

 渡辺直は2006年大学生・社会人ドラフト5巡目で楽天入り。1998年ドラフトで高卒でプロ入りした埼玉西武・松坂大輔投手、阪神・藤川球児投手らから8年遅れてプロの世界に入った。その後は横浜・横浜DeNA、埼玉西武を経て2018年に古巣復帰。その間に同世代は続々とユニホームを脱ぎ、気がつけば松坂世代最後の野手となっていた。

 会見では「僕は入団も社会人からで遅かったですし、どっちかというと世代のファンみたいな感じですかね」と表現。「それがみんなが大活躍してる中で遅れてプロに入って、一緒に野球ができたことは楽しかったですね」と振り返った。では、そんな遅れて入った渡辺直から見て“松坂世代”はどう映ったのだろうか。

「今の年齢になってくると、どうしてもいつ引退なのか、力が落ちてきているんじゃないかとか、そういうネガティブなことをすごく言われるところ。もちろんすごく輝いていた時期もありますけど、今頑張ってる姿とか、歯を食いしばってる姿のほうが、僕は大事というか尊敬できる部分だと思う。いい時はみんないい顔できますけど、ダメになったときに歯を食いしばれるか、上を向けるかって、そこが人間として一番大事なところ。僕たちの世代はしっかりそれができた本当のプロの集まりだったなと尊敬してます。そういう同年代と一緒に野球ができたことは本当に誇りです」

残る3人には「ボロボロになるまで頑張ってほしい。自分が納得するまで野球を続けてほしいです」

 世代を代表する松坂は2008年にMLBで18勝を挙げたのを最後に故障に苦しみ、2018年には復活の6勝を挙げたものの、今季は7月に「脊椎内視鏡頚椎手術(せきついないしきょうけいついしゅじゅつ)」を受け、長期離脱を余儀なくされている。また、藤川は2013年にMLBに挑戦して以降は苦戦が続いたが、昨季は38歳にして復活。しかし、今季は故障の影響で8月31日に現役引退を発表した。

 かつてのスター選手たちが40歳を迎えても必死にプレーする姿。渡辺直もそれを間近で見てきただけに「同学年には素晴らしい選手がいっぱいいて、そういう選手たちをすごく尊敬してます。ユニホームを脱ぐ時期は様々ですが、そういう世代の選手たちと同じ時期を必死に戦ってきたことは誇りに思います」と、自身の引退会見でも“戦友”たちへのリスペクトの思いが溢れ出た。

 渡辺直、藤川の引退で、残る松坂世代は埼玉西武・松坂、福岡ソフトバンク・和田毅投手、楽天・久保裕也投手だけとなる。最後には「ボロボロになるまで頑張ってほしい。自分が納得するまで野球を続けてほしいです」と3人にエールを送った。

(Full-Count編集部)