千葉ロッテに2人目の「チェン」が加入。大物助っ人の経歴と、期待される波及効果は?

2020-09-25 15:00 「パ・リーグ インサイト」望月遼太
現在の千葉ロッテには、若きサウスポーが多く在籍

 千葉ロッテがチェン投手を補強した理由の一つに挙げられるのが、チーム内の慢性的な先発投手、および左投手の不足にある。懸案だった左の先発として小島和哉投手が開幕から先発ローテーションに定着し、ここまで5勝を挙げる活躍を見せているのは明るい材料だ。だが、期待の大きかった種市篤暉投手の離脱もあり、先発投手陣全体がやや手薄な状況に。チェン投手が期待通りの働きを見せれば、シーズン終盤に向けても大きな追い風となる。

 そして、チェン投手に期待される役割は単なる戦力としてのものだけにとどまらない。千葉ロッテに現在在籍している左投げの投手の内訳、年齢、通算成績は下の表の通りとなっている。

 30代は豊富な実績を誇りながら今季はコンディション不良に悩まされている松永投手のみで、20代前半の投手が8名中5名と、かなり若手が多い状況となっている。今季は土肥投手を除く7名の投手が一軍での登板を果たしているが、永野投手、山本投手はそれぞれ速球の威力に魅力があるものの、制球面や変化球の精度に少なからず課題を残しており、小島投手、中村稔投手のように投手陣の主力に定着するような立ち位置には至っていない。

 また、成田投手も二軍では2年続けて中継ぎとしてフル回転して結果も残しているが、一軍ではなかなか本来の投球を見せられていない状況だ。それだけに、日米の双方で素晴らしい実績を残しただけでなく、2019年も一定の制球力を発揮していたことが指標にも示されているチェン投手の加入は、試合に臨む準備や、自らの武器をどう活かすかといった要素を含め、後輩たちにとっての“生きた教材”となる可能性は大いにあるはずだ。

 そして、なんといっても、もう一人の「チェン投手」である、チェン・グァンユウ投手との関係も語り落とせないところ。姓だけでなく台湾出身の左腕でもある両者は共通点も多く、過去には共に自主トレを行うなど、今回の入団決定前から親交は深かった。9月16日に一軍へ復帰したチェン・グァンユウ投手にとっても、かねてより畏敬の念を口にする偉大な先輩の加入は、プレーとメンタルの両面において、非常に大きな刺激となることだろう。

今季の優勝、そして未来に向けての「ラストピース」となるか

 先ほどの項ではチーム内の左投手について取り上げたが、25歳の二木康太投手、24歳の東妻勇輔投手、23歳の岩下大輝投手と小野郁投手のように、右投手の中にも一軍戦力として奮闘している若手投手は少なからず存在している。チェン投手がチームに合流すれば、若手の多い現在の投手陣にとっても良い手本となると同時に、石川歩投手や美馬学投手のようなベテランに続く、精神的支柱としての貢献も期待できるかもしれない。

 そして、一軍に帯同しながら吉井理人コーチによる英才教育が続いている佐々木朗希投手にとっても、MLBの舞台で強打者たちを相手に真っ向勝負を繰り広げてきたチェン投手の一挙手一投足は、今後の野球人生に役立つ教材となる可能性もあろう。若き逸材が多く在籍する千葉ロッテにやって来た、圧巻の実績を持つベテラン左腕。悲願のリーグ優勝、そして近未来の投手王国への礎を築く、文字通りの「ラストピース」となりうる存在だ。

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