藤原恭大ら逸材を多く抱える千葉ロッテ。緊急事態の今、二軍で若手が見せた活躍を振り返る

2020-10-10 09:50 「パ・リーグ インサイト」望月遼太

《THE FEATURE PLAYER》可能性は無限大!! M藤原は『優勝争いのキーマン』となれるか!?(C)パーソル パ・リーグTV

期待の若手が1番から5番のうちの大半に座っていた、千葉ロッテの二軍オーダー

 現在、優勝争いを繰り広げている千葉ロッテ。好調の一軍のみならず、二軍においてもファンにとって楽しみな要素が存在したことをご存じだろうか。9月上旬から、1番に藤原恭大選手、2番に平沢大河選手、4番・山口航輝選手という打順が固定され、若き逸材が揃って上位打線に並んでいたのである。また、大卒ルーキーの高部瑛斗選手も3番や5番といったクリーンアップの一角を務め、打率.368(2020年10月7日現在)という好成績を記録していた。

 一軍で新型コロナウイルスの感染が拡大した影響で野手が大きく不足したこともあり、ファームのチーム編成が困難なため、残念ながら、10月11日までの千葉ロッテのイースタン・リーグ公式戦の中止が発表された。ロマンあふれる二軍の上位打線が見られなくなるのは、ファンとしては残念な面もあるが、このタイミングで一軍に昇格した藤原選手と高部選手ら若いメンバーが一軍でどんなパフォーマンスを見せてくれるか、という見どころも同時に生まれている。

 今回は、先ほど名前を挙げた4名の若手選手たちが、今季の二軍でどのような活躍を見せてきたのかを、あらためて見ていきたい。先日一軍に昇格した2選手だけではなく、近未来のチームを担うことが期待される山口選手と、苦闘が続く中で持ち味を失っていない平沢選手の現状についても、個別に紹介していこう。

藤原恭大選手

 藤原選手は積極的にスタメン起用された昨季に引き続き、今季も主に一番打者として出場を重ねていた。打率の部分だけ見ると昨季と大差のない成績にも感じるが、各種の数字をつぶさに見ていくと、その打撃内容の確かな進化が表れていることがわかる。

 最も顕著なのが、打数が減っているにもかかわらず2倍近くまで増加した本塁打数だろう。また、上位を打つにあたって重要な要素でもある出塁率に関しても、.300に満たなかった昨季から、今季は.046も上昇させている。そして、出塁率そのものも.332と一定以上の水準に到達。こうした面からも、リードオフマンとしての適正を着実に伸ばしている。

 また、昨季の盗塁成功率が.842、今季の盗塁成功率が.824と2年続けて高い水準にある。その盗塁技術の高さは、持ち前の脚力を活かすためにも大きな要素となるだろう。また、数字に表れない場面でも貪欲に先の塁を狙う姿勢を見せるシーンもたびたび見られ、そのスピードは、機動力を活かすという現在の一軍のチーム方針にも合致するものだ。

 選球眼の向上に、本塁打数の増加も含めた長打力の上昇も合わさり、OPSも昨季から.100近く増加して.700台に到達。高卒2年目ということもあり、まだその打撃は発展途上ではあるものの、少しずつ完成度は高まっているとも言えるだろう。10月6日に今季初の一軍昇格を果たし、シーズン初スタメンに抜擢された10月7日には今季初ヒットも放った俊英は、今後も一軍の舞台で確かな存在感を放ち続けられるだろうか。

《THE FEATURE PLAYER》M藤原『一歩ずつ、たくましく』日々の進化を見守る(C)パーソル パ・リーグTV

山口航輝選手

 山口選手も藤原選手と同じく、高卒1年目だった2019年から多くの出場機会を得ていた。そして、2020年にはより優れた打撃内容を見せ、成長の跡を感じさせているのも同様だ。山口選手は打率.260、出塁率.321と一定以上の数字を残し、わずか59試合で昨季の数字を上回る7本塁打を記録。OPSも昨季に比べて.119も向上しており、先述の通り4番にも定着。打線の中軸として、随所で光る活躍を見せている。

 高卒2年目で二軍の4番を任された選手といえば、2019年にイースタン・リーグで本塁打王と打点王の2冠に輝き、現在は一軍でも4番として奮闘している安田尚憲選手を思い出すファンも少なくはないだろう。その安田選手が昨季残した成績と、今季の山口選手の成績の比較は、下記の通りとなっている。

 打率に関しては山口選手のほうが上回っているが、本塁打、打点、出塁率、OPSといった要素では、安田選手が一枚上手だった。このあたりは高校時代から将来を嘱望された安田選手の豊かな才能を感じさせるところだが、同じく高卒2年目で及第点以上の数字を残している山口選手も、若くして4番に座り続けるだけの理由を示しているのではないだろうか。

 千葉ロッテの外野手陣の年齢層に目を向けると、26歳以下の選手は藤原選手(20歳)、山口選手(20歳)、和田康士朗選手(21歳)、高部選手(22歳)の4名だけと、全体的に高齢化が進んでいる傾向にある。それだけに、優れた打撃センスを有する山口選手が台頭すれば、チームの中長期的な展望も明るくなってくることだろう。藤原選手と共に将来の千葉ロッテの外野を担うことが期待される逸材は、着実に成長のステップを踏み続けている。

【ファーム】今日も子鴎打線が猛攻!! マリーンズ・山口 逆方向への一発でリードを広げる!! 2020/10/4 E-M(ファーム)(C)パーソル パ・リーグTV