「楽天戦どうこうではない」? CS争い埼玉西武から見える“残った者たち”の意地

2020-10-29 17:55 「Full-Count」編集部
埼玉西武・辻発彦監督※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

埼玉西武・辻発彦監督※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

今季8月まで対戦打率.333だった浅村を9月以降は.080、2戦2敗だった涌井も攻略した

■埼玉西武 4-3 楽天(28日・メットライフ)

 埼玉西武は28日、楽天に4-3で競り勝ち、残り11試合でクライマックスシリーズ(CS)進出圏の2位千葉ロッテへ1ゲーム差に迫った。29日に楽天に勝ち、千葉ロッテが福岡ソフトバンクに敗れれば、開幕2戦目の6月20日以来4か月ぶりの2位に浮上する。また、今季の楽天戦は12勝8敗1分で、3試合を残して勝ち越しが決まった。一昨年までチームメートだった浅村の対策を徹底したことが、功を奏したようだ。

 辻発彦監督は「楽天戦どうこうではない。上(2位)が見えてきたので、そこへ向けて一戦必勝でやるしかない」と語ったが、ナインにとっては、元同僚の浅村、岸、涌井、牧田が顔をそろえる楽天との対戦には、特別な思いがあるはずだ。2016年から楽天に在籍している岸を除く3人の獲得に携わった石井一久GMも、現役時代に08年から13年まで6年間、埼玉西武で活躍した。

 一昨年オフに埼玉西武から楽天にFA移籍した浅村は、移籍初年度の昨年、古巣との対戦で打率.303、11本塁打、27打点と打ちまくった。本塁打と打点は対戦相手別で断トツ。打率もセ・リーグ球団との交流戦を除けば最高だった。埼玉西武にとっては昨年、リーグ連覇を果たしながらも、楽天に11勝14敗と負け越す要因となった。

 この日は3点リードで迎えた8回、セットアッパーの平良が浅村に152キロの速球をとらえられ、本塁打王争いで単独トップに立つ32号ソロを被弾。しかし、先発の浜屋は浅村を左飛、二ゴロ、四球と無難に抑え、守護神の増田は1点リードの9回2死一塁という一発逆転の場面で、スライダーで遊飛に仕留めた。

 浅村には今季も、8月30日までは51打数17安打、対戦打率.333、4本塁打、13打点と相変わらず打たれていた。しかし、1か月近く対戦がなかった間に研究が進んだのか、9月25日以降の7試合では、25打数2安打、対戦打率.080と抑え込んでいるのだ。2安打はいずれも本塁打で、この日の平良に加え、今月11日に楽天生命パーク宮城で松本が右中間席へ運ばれている。楽天戦は8月30日まで6勝7敗1分だったが、9月25日以降は6勝1敗と激変。浅村対策の徹底と直接的な関係がある。

 さらに、この日は今季2戦2敗だった涌井を攻略。2回に木村が真ん中に来たシュートを見逃さず、左中間へ先制7号2ランを見舞い、6回には栗山が初球の119キロのカーブをとらえ、右中間を破る貴重な2点二塁打を放った。辻監督は「好投手・涌井ですから、そうは点を取れない中で、木村が見事なホームランを打ってくれて、栗山も変化球を打ち損じることなく一振りで仕留めてくれた」とご満悦だった。

 辻監督就任4年目。毎年のように主力がFAやメジャーリーグのポスティングシステムでチームを去る中、CS出場圏内をキープし続けている。残った者たちにも意地がある。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)