北海道日本ハムが10年ぶりに日本一の栄冠。激闘となった日本シリーズ全6戦を振り返る

2016-11-02 00:00 「パ・リーグ インサイト」編集部

10月29日、北海道日本ハムが2006年以来10年ぶりとなる日本一に輝いた。レギュラーシーズンでは、最大11.5ゲーム差を驚異の追い上げでひっくり返してリーグ制覇。福岡ソフトバンクとのクライマックスシリーズでも存分に持ち味を発揮して勝ち進み、ついにセ・リーグ覇者の広島との頂上決戦をも4勝2敗で制した。ここでは日本シリーズにおける北海道日本ハムの戦いぶりを振り返りたい。

【10月22日「SMBC日本シリーズ2016」第1戦 マツダスタジアム】
第1戦が行われたのは小雨が降りしきるマツダスタジアム。北海道日本ハムは大事な初戦のマウンドをエース・大谷選手に託す。しかし、「足」で積極的に攻める広島の作戦にかき乱されて先制点を奪われると、1イニングで2本塁打を打たれるなどして6回3失点。後を受けたリリーフ陣も2点を失って、手痛い敗戦を喫した。打線も相手先発・ジョンソン投手の前につながらず、得点は7回のレアード選手による一発の1点のみ。これまでの戦いでは見られなかったミスも目立ち、投打ともに精彩を欠いた。

【10月23日「SMBC日本シリーズ2016」第2戦 マツダスタジアム】
0勝1敗で迎えた第2戦の先発は増井投手。今季シーズン途中から先発に配置転換し、両リーグ16年ぶりの2桁勝利2桁セーブを挙げた右腕だ。ここで何としても1勝を手にし、勝敗を五分に戻したいところだったが、この日も先制を許し、試合の主導権を終始広島が握る展開に。一時同点に追い付くも、6回にエルドレッド選手の2試合連続本塁打などで4点を失って敗北。唯一の得点も菊池選手のミスによるもので、内容的にも大いに不安を残す2敗目となった。

【10月25日「SMBC日本シリーズ2016」第3戦 札幌ドーム】
まさかの2連敗から本拠地に場所を移して行われた3戦目。初回に今シリーズ初の先制に成功するも、2回に逆転を許す。以降は先発の有原投手、黒田投手ともに立ち直って得点を許さず。北海道日本ハムが1点ビハインドで迎えた8回裏、2死2塁。北海道日本ハムのチャンスの場面で、広島は大谷選手の敬遠を選択。異様な雰囲気の中、勝負を挑まれた4番・中田選手は、見事逆転となる2点適時打を放って1点のリードを奪い返す。9回に再び同点とされるが、延長10回裏、2死2塁で打席には大谷選手。もう一度敬遠か、真っ向勝負か。緊迫した場面で、明らかなボールゾーンに来た4球目に対し、大谷選手が技ありの一打。2連敗の嫌な流れを断ち切るように、本拠地での初戦を劇的なサヨナラ勝利で飾った。

【10月26日「SMBC日本シリーズ2016」第4戦 札幌ドーム】
連敗を食い止め、1勝2敗で迎えた第4戦。先発の高梨投手が落ち着いた投球を見せ、3回まで両者無得点。4回表に先制を許してしまうが、6回裏に中田選手が一発を放ち、同点に追い付く。さらに、高梨投手の後を受けたバース投手、谷元投手が無失点に抑えて流れを呼び込むと、8回裏にレアード選手に2ランが飛び出して2点の勝ち越し。最終回、2死から四球と連打で満塁、長打が出れば逆転のピンチが訪れるも、鉄腕・宮西投手がしのいで2勝2敗の五分とした。

【10月27日「SMBC日本シリーズ2016」第5戦 札幌ドーム】
勝敗を2勝2敗と五分に戻し、勝った方が日本一へ王手をかけられる第5戦。先発は1年目の加藤投手が務めたが、大舞台での緊張もあってか初回にいきなり先制点を奪われる。2回途中からはメンドーサ投手がマウンドに上がり、4イニングス連続、3人で攻撃を終わらせる投球を披露。中4日で先発したジョンソン投手を初戦と同様に打ち崩せなかったが、7回に岡選手が2番手の今村投手から犠飛を放って同点とする。そして9回裏に迎えた2死満塁の絶好機。ここまで打撃不振に陥っていた西川選手が、打った瞬間にそれと分かる会心の当たりで、日本シリーズ史上2人目のサヨナラ満塁本塁打。2連敗からの3戦連続逆転勝利を劇的な一打で仕上げて、10年ぶりの日本シリーズ制覇に王手をかけた。

【10月29日「SMBC日本シリーズ2016」第6戦 マツダスタジアム】
再び広島が圧倒的な勝率を誇る敵地・マツダスタジアムで迎える第6戦。先発は、第2戦で本来の力を発揮できなかった増井投手。初回、西川選手が昨夜の勢いそのままに三塁打でいきなり出塁。その後、3番・岡選手の適時打で幸先良く1点を先制するものの、2回裏に暴投と失策が絡んでリードを奪い返される。4回表には、田中賢選手の適時打と西川選手のこの日2度目となる三塁打などで2点の勝ち越しに成功するが、6回裏に試合を振り出しに戻されてしまう。シーソーゲームの展開が再び動いたのは8回表2死から。またもや西川選手からの3連打で満塁とすると、中田選手の押し出し四球、バース投手の適時打、レアード選手の駄目押しの満塁弾で一挙6点を奪い、広島を大きく突き放した。最終回は、リリーフとして今年もフル回転してきた谷元投手が締め、悲願の日本シリーズ制覇。10年ぶりに12球団の頂点に輝いた。

2016年は、最大11.5ゲーム差からの大逆転や日本シリーズでの3夜連続逆転勝利など、数々の逆転劇を生み出した北海道日本ハムが、日本一の栄冠に輝いた。比較的若手の選手が多いチームながら、勢いだけでなく粘り強さも備え、9回裏2死まで諦めない姿勢がこのような劇的な結果をもたらしたのだろう。来季からは優勝チームとして扱われ、他球団からのマークも厳しくなることが予想される。来季のパ・リーグのペナントレースの展開が今季以上に白熱することを期待したい。