千葉ロッテ森脇新コーチが目指す“走塁革命” シーズン143盗塁は「可能だと思っている」

2020-12-24 11:31 「Full-Count」橋本健吾
千葉ロッテ・藤原恭大(左)と和田康士朗※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

千葉ロッテ・藤原恭大(左)と和田康士朗※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

「先の塁じゃなく“先の先の塁”を狙うことが必要」

 来シーズンから千葉ロッテの1軍野手総合兼内野守備コーチを担う森脇浩司氏。卓越した野球理論と芸術的なノックで福岡ダイエーや福岡ソフトバンク、巨人、中日でコーチを務めオリックスでの監督含め通算勝率.524をマークしている。今季2位に躍進したチームに“走塁革命”を植え付け、ホークス時代の教え子・井口資仁監督を支えていく。

 千葉ロッテは今季、チーム打率こそリーグワーストの.235ながらリーグ最少の53失策の守り勝つ野球と勝負強さを武器にシーズン終盤に福岡ソフトバンクと熾烈な首位争いを演じた。2018年以来、3年ぶりの現場復帰となる森脇氏にもその光景は深く刻まれていた。

「外からマリーンズを見てきましたが野手において今季はチーム打率が低くても、しぶとく点を取って守ってきた。井口監督含め首脳陣の地道な作業が形になったと思います。守備力の向上と走塁のレベルアップは比例すると考えている。一つのアウトを的確に取り、無駄な塁を与えないようになると的確に先の塁を奪えるようになる。打倒ホークスは各チームが持つ共通認識だろう。5チームは力が拮抗している。更に面白いペナントにするためにシンプルだが攻撃的な守備で無駄な塁を与えない、先の塁じゃなく“先の先の塁”を狙い続けることが必要になってくる。今のレベルを1ランク、2ランク上げていければ」

千葉ロッテの1軍野手総合兼内野守備コーチに就任した森脇浩司氏※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

千葉ロッテの1軍野手総合兼内野守備コーチに就任した森脇浩司氏※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

「たとえ足に自信がない選手でも走塁の意識を持つことで大きな戦力となる」

 安田、藤原、和田ら若手が経験を積み、荻野らを含め足を使ったバリエーション豊かな攻撃もできるが、来季はさらなる走塁面の強化を視野に入れ「走塁=盗塁ではなく、たとえ足に自信がない選手でも走塁の意識を強く持つことで大きな戦力となり、走塁の意思統一は最もチームの方向性を定めるものと考える。相手にプレッシャーを与え、それをシーズンを通してやっていくことが重要。走り勝てるチームは井口監督が求めるところ。一年間しっかり走塁をすることは確かにしんどいが、負けることはもっとしんどいことなのだ。勤勉な選手ばかりで今年最も悔しい思いをしたチーム」と、大きな期待を寄せている。

 名ノッカー、三塁コーチ、守備、戦術家の印象が強い森脇氏だが、走塁面でもこれまで指導したチームに大きな変化を与えてきた。ホークスでは2008年の転換期は74盗塁だったが翌年には126盗塁を記録し走塁からチームを立て直し、2013年にオリックスの監督に就任すると前年49個だった盗塁数が84に増加。さらに翌2014年は126盗塁に増え機動力野球でチームを2位に導いた。2011年に巨人の2軍内野守備走塁コーチを務めた時は前年の60盗塁から152盗塁と倍以上の数字を叩き出している。

「まだまだ選手が持つポテンシャルは高い。盗塁が全てではないが試合数(143)ぐらいは確保したいし可能だと思っている。好不調の波は誰もがある。意識にブレが生じないことが大事で外国人選手を含めた中心選手がシーズンを通して体現できるかがポイントになる」

 今季の87盗塁から143個と大幅増が実現できれば得点力もアップしていくはずだ。井口監督とはホークス時代にコーチと選手の“師弟関係”だ。「今年残した成績は素晴らしいものがあった。私自身も選手に負けない向上心を持ってやっていきたい。シーズンに味わった悔しさを晴らし、井口監督を胴上げするための力になりたい」と、新たなチームで、かつての教え子を支えていく。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)