FA権を行使し楽天移籍を決めた岸投手。目標の15勝達成で杜の都の救世主へ

2016-11-20 00:00 「パ・リーグ インサイト」編集部

3年連続Bクラスからの脱却へ、頼もしい新戦力が加入した。楽天は18日、埼玉西武からFA宣言していた岸孝之投手と契約に合意したことを発表。岸投手は立花陽三代表取締役社長、星野仙一取締役副会長とともにコボスタ宮城隣接の、イーグルスドームで入団会見を行った。プロ入りまでを東北で過ごした右腕は「東北、仙台のために、精いっぱい頑張りたい」と、恩返しを誓った。

緊張の面持ちで、新天地の“第一歩"を踏んだ。大学まで過ごした東北の地。「プロになるまでたくさんお世話になって、支えられてここまで来た」。2007年の1年目から活躍し、いきなり2桁勝利を達成。田中将大投手にその座は譲ったが、11勝をマークして最後まで新人王争いを展開した。プロ10年で7度の2桁勝利。2014年には5月2日の千葉ロッテ戦でノーヒットノーランを記録するなど、実績十分の右腕に、楽天もFA宣言直後に速攻。星野取締役副会長の「迷ったら前へ」という口説き文句も響き、楽天・岸が誕生した。

チームとしても、心強すぎるピースだ。先発ローテ投手では、今季、2桁勝利は則本投手(11勝)のみ。球団の歴史をさかのぼっても、2桁勝ったのは田中将大投手、岩隈久志投手、永井怜氏、則本昂大投手の4人しかおらず、勝ち星を計算できる先発投手の補強が毎年のテーマだった。10勝には届いていないが、美馬投手、塩見投手、釜田投手、辛島投手、安楽投手ら将来性のある若い投手も多く、岸投手の加入で内なる競争はヒートアップする。

同席した星野取締役副会長は「もう一度、球場で日本シリーズをし、梨田監督胴上げというニュースを作りたい。そのためには彼が必要」と、岸投手とガッチリ握手。監督時代は「この球団はFAで選手が来ることは難しい」と嘆いていたこともあったが、自ら“参戦"したFA交渉では、昨年の今江選手に続き2連勝だ。「監督じゃないんだけども、監督だったらもっとうれしいかな」と満面の笑みを浮かべた。

今年はオリックス・糸井選手、北海道日本ハム・陽選手、DeNA・山口投手らFA選手豊作の年。その中で早々と入団を決めた岸投手。「チームに貢献して優勝しないと来た意味がない。常にキャリアハイを目指して、15勝はしたいと思って毎年やっている。それは変わらずに目標としてやっていきたい」。背番号11は埼玉西武時代と同じ「11」。クリムゾンレッドのユニホームに袖を通す右腕が、杜の都の救世主となる。