CMの先にある価値と感動までを提案する。
ワールド・ハイビジョン・チャンネル 営業部 神長 洋祐さん【PLMキャリアインタビューVol.3】

2021-02-15 18:00 「パ・リーグ インサイト」編集部

「スポーツに関わる仕事」と一口に言っても、多種多様だ。今回は、パシフィックリーグマーケティング株式会社が運営するスポーツ業界専門の転職エージェントサービス「PLMキャリア」を通じて転職された方にインタビュー。転職のきっかけや仕事の魅力を紹介していく。

大看板がないからこそのスタイル

メディアとスポーツの関係は多岐にわたる。報道や中継といったスポーツの瞬間そのものを視聴者に伝えるものもあれば、その「伝える」を実現するために、メディアにかかわる様々なステークホルダーと関係し、支え、広げていくものもある。神長さんが担うテレビ局のメディア営業という仕事は、まさに支え、広げていく仕事といえるだろう。スポーツの価値、そしてこれを魅力的に伝える番組、その先にいる視聴者の評価にスポンサーから対価をいただく。ここで生まれる収益が「伝える」ことを生み、続けていくもとであり力になるのだ。まず、具体的な仕事内容から聞いてみよう。

「BS放送局である『BS12トゥエルビ』の営業部で、パ・リーグ中継をはじめ、『ハワイに恋して』といった旅情報、『ザ・カセットテープ・ミュージック』という音楽番組など各種番組のCM枠の広告セールスを行っています」

BSならではのメディアの特性に合わせた営業のやり方というのはあるのだろうか?

「BSというメディアはシニア層の視聴者が多いです。情報をインターネットで拾って、というより、慣れ親しんでいるテレビ、ラジオで情報を得て、そこから商品を選ばれるという傾向があります。そこで私は、シニアに向けた商材がある企業に絞って、その商材が番組の枠を通してどうやって視聴者に届くのかというストーリーをしっかりつくって提案をするということを心がけています。ひたすらやみくもにあたっても宝くじを当てるといいますか、ホームランを打つのは難しいですから」

前職では有名ラジオ局で同じように営業職だった神長さん。そのころは有名局であることの「大看板」を使っての営業スタイルだったという。

「前職でもスポーツのCM枠も手掛けていました。CM枠という商材は同じなのですが、新規で提案に伺った際に、前の局であれば名前を生かして70点の商談でも出稿いただいていたかもしれません。今はテレビとはいえBS。立ち位置とすればマイナーといってもよいかもしれません。そこで、その価値をご理解いただくうえでも意識しているのは0点か120点か。これまでは首位打者を狙っていたけれど、今はヤクルトスワローズで活躍していたころの池山選手。ブンブン丸。三振かホームランかというマインドに変わりましたね」

70点を狙ってもうまくいかない。神長さんは「どこかネジをふっとばさなきゃ」という勢いでマインドを変えた。

「お客様にとっていい商材を提案することはもちろん、人として好かれることも重要だと思っています。貴重なお時間いただいているので、私自身のオリジナルな企画は持っていく。その時点で、私とは気が合わないとなればズバっと切っていただいてもいいんです。前の会社をやめる直前に当時の営業局長に言われた言葉を今も大切にしています。それは初見から『こいつだったらやってくれると思われるように』。でも私は失敗の経験も多い。だからこそ、それこそが僕の生きるための方法だと感じています」

もちろんメディアとしての価値があると自身が信じていることが前提だ。

「パ・リーグ中継やBリーグ中継は実際売りやすいんです。スポーツそのもののコンテンツとしての価値を感じていただけているから。ターゲットとするご担当者と決裁権者を間違えなければ即決していただけることもあります」

加えてスポーツ好きだからこそ、この番組にスポンサーについていただきたいという思いも強くある。その情熱が言葉の行間からあふれ出す。それも「人として好かれる」一つの要因にもなりそうだ。

「私もスポーツ大好きですから。余談ですがグランド(フィールド)ホッケーの社会人チームに所属しています。観るのはサッカーも野球も好きです。そのあたりのスポーツ好きということは話をしていてクライアントに伝わっているのだろうなと思っています。数字もついてきました。個人的な思いではあるのですが、ラジオでも選手の頑張りや迫力は伝わっているけれど、試合の空気感が一目で伝わるなどテレビは強い。どこか、そういうもどかしさもあったんです。テレビ業界に来たという決断の裏には、好きなスポーツをもっと魅力的に伝えたいという思いもありました」

伸びしろがあるからホームランを狙える

転職の大きな理由として「テレビの力」と「スポーツ愛」を挙げた神長さん。

「思い切った決断ではありましたが、もともとテレビが好きで、その業界で営業をしたかったというのは以前からありました。そこにタイミングだったのか、スポーツ業界という選択も浮かんできて。まずはスポーツ系を見てみようということでPLMキャリアと接点を持ちました。きっとどこかのサッカーチームや球団の営業職を紹介されるのだろうなと思っていたら、紹介先がテレビ局だったんです」

不思議な縁ともいえるし、神長さんのメディアにおける営業経験が生きたともいえる。とはいえ、前段で神長さんが語ったように以前のラジオ局は、その看板だけである程度の成果が見込め、仕事自体に不満があったわけではなかったし、そもそもの歴史と規模、知名度も違う。迷いはなかったのだろうか。

「まったくキャリアダウンとは思いませんでした。このタイミングで伸びしろがある会社、仕事に就けたと思っています。もちろん周りの環境に支えられてということではあるのですが、現職の方が自分にあっているかなという肌感覚。以前は数字を手堅く稼がなきゃという焦りもあった。でも本来メディアの営業の仕事は、自分が楽しめなきゃいけない。自分が楽しまないと相手も楽しめない。自分楽しんでいないと、それが伝わってしまう」

だからこそホームランを狙える。塁に出ることだけを考えてスイングができなくなることは避けたい。この気持ちが伝わり成功した印象深いプロジェクトがあるという。

「野球のコンテンツではないのですが、音楽番組の『ザ・カセットテープ・ミュージック』で、ナショナル・クライアントの提供が1社決まりました。プロデューサーと若い営業とでチームを組んだのですがみんなの息がビシッとあって、提案のその場で決まったぐらいいい形で進みました。それに加えてうれしかったことがあります」。

数字?社内の評価?という言葉に神長さんは首を振りこう答えた。「視聴者の熱さを知ったこと」だと。

「この番組はシニア層の音楽好きの方に支えていただいている番組で、番組中もツイッターでつぶやくことを楽しみにされているなど熱心なんです。このスポンサーのロゴが番組の冒頭で映された瞬間から、視聴者の方から『おめでとう!』というつぶやきが100件以上も寄せられたんです。CMを通じてこういう反応があるのか、と感動しました」

実は「スポンサー募集!」と自虐的に発信していた番組で、番組の熱狂的ファンがそんな事情を察していたからこその「おめでとう」。スポンサーと局のBtoBだと思われがちな仕事だが、その先にいるファンの喜びがあってこそ。スポーツ番組も同様だろう。その先に熱いファンがいる。最後に、この職種に適している人のイメージを聞いてみよう。

「素直で誠実であることはもちろんなのですが、人を喜ばせることが苦にならない、努力を惜しまない、というよりも努力ではなくそれが楽しいからできる、そんな人でしょうか。もちろん営業ですから粗利をあげてこそ会社に評価される。でも目先の利益だけだと単発で終わってしまう。楽しんだ人間には叶わないですよ、何事も」


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文・岩瀬大二

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