今では球場での楽しみの一つ?球場中を縦横無尽に動き回る売り子という存在

2016-12-03 00:00 「パ・リーグ インサイト」編集部

野球観戦のお供に冷たいビールは外せない。東京ドームで売り子をしていた“おのののか”さんや、横浜スタジアムでの売り子経験がある“ほのか”さんが芸能界入りするなど、近年大きな注目を集めている野球場の売り子という存在。

スタンドを縦横無尽に動き回り、汗をかきながらも常に笑顔でビールやソフトドリンクなどを売っている姿を見ると、思わず買ってしまう人も多いのではないだろうか。現在、パ・リーグの各球団では、売り子を画期的な方法で取り上げ、集客アップにつなげている。

千葉ロッテはエイベックスとの共同プロジェクトで、球界初の売り子アイドルグループ「マリーンズカンパイガールズ」をプロデュース。「マリーンズカンパイガールズ」は、ホームで開催された公式戦全試合でビールの売り子をする傍ら、球場外でもテレビ出演やライブ活動などを行う6人組のアイドルグループである。2015年9月に発売されたデビューシングルは即完売するという人気ぶりで、写真集までもが販売されたことで大きな話題を呼んだ。

福岡ソフトバンクでは球場の売り子を「売り子タカガール」と称し、球団ホームページで各社の売り子の名前や担当エリア、各月の売上ランキング等を公開している。また、福岡ソフトバンクは、球界初の「ビール売り子カード」を販売。カードは、アサヒ・キリンの両メーカーの人気売り子10人ずつの全20種類。球場内のショップで10枚7000円のビール回数券を購入すると、ランダムで1枚配布される。まさに売り子の「アイドル化」が進んでいると言えるだろう。

オリックスは、球場で好きなビールメーカーの売り子が呼べる日本初のスマートフォンアプリ「野球場NAVI」を2014年に導入。試合観戦中にビールを注文したいが近くに売り子が見つからない、という経験をした方も少なくないだろう。しかし、本アプリを使用すれば、自分の座席番号を入力し、好きな商品を選択するだけで簡単に売り子を呼ぶことができる。昨季は楽天もこのサービスを取り入れており、どのメーカーのビールがどの場所で売れているのか把握できることで売上アップにつながっている。

では、実際に球場で働いている売り子はどのようなことがきっかけで、どのようなことを考えながら仕事をしているのか、現在も売り子として働く都内在住の女子大生に話を聞いてみた。

まず、売り子を始めた理由を尋ねると、「もともと小さいころから球場によく足を運び、観戦に来たときに笑顔を振りまきながら働く売り子さんの姿を見て憧れたのがきっかけでした」と語った。

また、「体力的な部分できついと感じることは多いですが、それ以上にやりがいや楽しさを感じています。一番楽しいのは、お客様と会話するときですかね。そのときの会話内容は野球の話から世間話まで様々で、コミュニケーション能力が上がったと感じています。また、常連さんが付いてくれたときには喜びを感じますし、大きなやりがいも感じますね」という。コミュニケーション能力が上がり、苦しさを乗り越える力も身につくなど、売り子として球場で働く魅力が多数あるということをうかがうことができた。

今や球場の目玉の一つとなった売り子という存在。この売り子ブームは、確実に集客数アップやビールの売り上げ増につながっているだろう。野球観戦の際は試合だけでなく、選手と同じように球場で奮闘する売り子たちにも注目してみてほしい。