eスポーツと野球のコラボ。さまざまな取り組みで広がる可能性

2017-01-14 00:00 「パ・リーグ インサイト」新川諒

米国ではスポーツ界のネクストウェーブとして、eスポーツへの注目度が高まっている。各プロリーグ、そしてチームもeスポーツがもたらすビジネスチャンスに注目し、提携を結ぶなど活発的な動きが始まっている。早くもNBAのヒューストン・ロケッツはプロスポーツチームで初めてeスポーツ事業を担当する人材をフロントに雇用したことで大きな可能性を予感させている。

eスポーツの可能性には野球界も着目している。MLB30球団の出資によって設立されたMLBアドバンスド・メディアが所有する動画配信会社のBAMテックは人気ゲーム「League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)」を開発したライアットゲームズと約340億円に及ぶ契約に合意し、大会等の放映権を獲得した。MLBが持つビデオストリーミングのプラットフォームを活用して、すでに世界選手権が6度開催されているリーグ・オブ・レジェンドという新たなコンテンツを取り入れることとなった。

日本ではまだeスポーツがプロ野球球団と本格的に契約を結ぶ動きは見られていないが、先日はeスポーツ大会の「パワプロフェスティバル2016」が開催され、パ・リーグからは北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手、東北楽天ゴールデンイーグルスの小関翔太選手、埼玉西武ライオンズの秋山翔吾選手、千葉ロッテマリーンズの高濱卓也選手、オリックス・バファローズの駿太選手、福岡ソフトバンクホークスの福田秀平選手・川島慶三選手と合計7名の選手が参加。選手たちがゲームで対決するなど、空想と現実の世界が融合を果たした。

こういったイベントだけではなく、テレビゲームは試合を盛り上げる演出面ですでに活用されている。東北楽天ゴールデンイーグルスが昨シーズンの6月10日に「ファミスタナイター」をKoboスタ宮城で開催した。ファミリースタジアムの発売から30周年を記念し、オリジナルTシャツをセットとしたチケットを販売。そして試合中の場内ビジョンや音楽もこの日限定の「ファミスタナイター」仕様にするなど試合を盛り上げた。

テレビゲームはプロスポーツにとっても肖像権が発生するため、収入源の1つとしてこれまでも存在してきた。米国では、最高峰のベースボールゲームの1つである「MLB THE SHOW」には実在するMLB選手たちが使用可能である。このゲームの表紙を誰が飾るかというのは、毎年注目されており、表紙を飾ったものが調子を落とすなどというジンクスが存在するのではないかという噂も度々話題となっている。

2010年、2011年はミネソタ・ツインズのジョー・マウアーがMLBを代表する選手として表紙を飾った。彼はチーム選手、スタッフにゲームをサイン入りで配り、私も頂いたことから非常に印象に残っている。しかし、残念ながら怪我に見舞われ、ジンクスを証明してしまったうちの1人となってしまった。

今後色々な形でゲームとリアルの世界が融合していく動きはさらに増えていくだろう。これは主観的ではあるが、スポーツゲームは誰しもが現実の世界と比較してしまうため、なかなかそれを上回る経験を体験しにくい。だが、それでもeスポーツはさまざまな演出やイベントなどで活用することでスポーツに新たな価値を加える可能性を持っているといえるだろう。

プロ野球の日本シリーズの前哨戦として、プロの球団に所属するパワプロプレーヤーたちが一戦を交える。なかなか想像しにくいシーンではあるが、そう遠くない未来にそんなリアルな世界が広がっているかもしれない。