今年はどうなる? パ・リーグの各球団を得意とした「キラー」の存在(後編)

2017-01-26 00:00 「パ・リーグ インサイト」編集部

(前編の続き)

【オリックスキラー】
・福岡ソフトバンク・バンデンハーク投手
対戦成績:4試合4勝0敗 25回、24奪三振 防御率3.24
・北海道日本ハム・レアード選手
対戦成績:25試合93打数25安打6本塁打22打点 打率.269

福岡ソフトバンクのバンデンハーク投手は、防御率こそ3点台だが、オリックス相手に先発した全ての試合で見事勝利を収めている。北海道日本ハムキラーである和田投手の成績からも窺えたが、バンデンハーク投手も、3失点以内に抑えて試合の流れを引き寄せ、打線の奮起を促して勝ちを手繰り寄せる技術に長けているのだろう。

北海道日本ハムのレアード選手は、昨季のパ・リーグ本塁打王。最も多く本塁打を放ったのは楽天戦の10本だが、最も多くの打点を挙げたのがオリックス戦である。特に、ディクソン投手との対戦では、12打数7安打2本塁打、打率.583と、ずば抜けて相性が良い。

【福岡ソフトバンクキラー】
・北海道日本ハム・高梨投手
対戦成績:8試合3勝0敗 29回、22奪三振 防御率1.86
・オリックス・西投手
対戦成績:7試合4勝2敗 48回、29奪三振 防御率2.06
・北海道日本ハム・大谷選手
対戦成績:21試合73打数30安打9本塁打16打点 打率.411

昨季パ・リーグ新人王に輝いた北海道日本ハムの高梨投手は、中継ぎとして4試合、福岡ソフトバンク戦に登板。大谷選手が先発した4月1日の福岡ソフトバンク戦では、チームがサヨナラ勝利を収め、勝利投手に。その後も安定して結果を残し、シーズンの中盤から先発に配置転換されたが、その後も効率的に2勝を挙げた。

オリックスの西投手は、2013年ごろから埼玉西武戦を苦手としている傾向があり、昨季も2試合10回1/3を投げて防御率8.71。しかし、最も多く登板した福岡ソフトバンク戦では7試合48回を投げて防御率2.06と優秀な成績を残した。西投手は、2012年に福岡ソフトバンクの強力打線を相手に無安打投球を達成しており、相性が良い相手であると言えるだろう。

北海道日本ハムの大谷選手は昨季、投手としても福岡ソフトバンク戦で4試合に先発し、2勝無敗の成績。日本最速となる165キロを叩き出した10月16日のCSファイナルステージ第5戦での快投は記憶に新しい。しかし大谷選手は、投手としての活躍以上に打者として福岡ソフトバンクの脅威となった。5打数以上対戦した福岡ソフトバンクの投手7人の中で、大谷選手を打率.250以下に抑え込んだのは、バンデンハーク投手ただ一人だけだ。放った本塁打は9本、打率は驚異の.411。「パ・リーグ制覇のために、福岡ソフトバンクとの直接対決だけは落とせない」という、大谷選手の明確な意志が窺えるような数字である。

以上、昨季のパ・リーグの「各球団キラー」を紹介した。キラーというだけあって、当然特定のチームを得意としている選手たちを挙げたが、その選手たち自身にも、苦手な球団、相性の悪い相手というものが存在している、ということも見えてきた。もちろん、どのチームを相手にしても、安定した成績を残せてこそ一流選手だという意見もあるだろう。しかしたとえ相性の悪いチームがあっても、そのぶん、相性の良いチームから勝ちを取りこぼさず、結果を残す。それも、一流だからこそできることだ。

「相性」というのは不思議なものだ。「その打者または投手を相手にすると、調子が良くてもどうにも打たれる。抑えられる。タイミングが合わない。似たようなタイプで、成績も拮抗している別の選手を相手にしても、そこまで反撃を封じられることはないのに」。そういう感覚を、まさに「相性」というのだろう。順位は関係なく、特定の相手チームに極端な強さを発揮し、対戦チームごとの成績の差が大きく開く原因というものは、突き詰めれば技術的な問題ですらないのかもしれない。

しかし、プロはたった1年でそれを克服してみせることもあるし、逆に克服させまいと、さらなる研鑽を積むこともできる。今回紹介したのは、あくまでも「2016年のチーム同士の相性」、つまり「過去の各球団キラー」である。今季からは、これらのデータをもとにした新たな展開が望めるだろう。昨季とはどのような選手間の意識の変化、数字の変化が見られるのか、新入団選手の台頭も含めて、楽しみに待ちたい。