チームカラーが垣間見える?これまでのパ・リーグ6球団の春季キャンプ(後編)

2017-02-21 00:00 「パ・リーグ インサイト」馬塲呉葉

(前編の続き)

【千葉ロッテ】
沖縄県石垣市でスタートした千葉ロッテのキャンプ。初日は早速18名の投手がブルペンに入った。侍ジャパンに選出されている石川投手は、チームの誰よりも先に投げ込みを開始し、マウンドの感覚を入念に確認した。

ドラフト2位入団の酒居投手、ドラフト5位入団の有吉投手、そしてドラフト1位入団の佐々木投手も、並んで投げ込みを行った。即戦力として大きな期待がかかる佐々木投手は、プロ初のブルペンでも堂々とした様子を見せ、2017年の開幕ローテーション入りに向けて良好なコンディションをアピールした。

今回一軍キャンプに参加した菅原選手は、育成ドラフト2位ルーキー。伊東監督は「育成だろうと支配下だろうと、良い選手をどんどん使っていきたい」「その道(支配下登録)も開けていくと思います」と話し、菅原選手のポテンシャルに期待を寄せる。同じ外野手である岡田選手も肘井選手も、入団時は育成選手。早くも訪れたチャンスを逃さず、まずは指揮官の期待通り、支配下への道を切り開きたい。

第2クール2日目、8日(水)。アウトコースの直球とインコースの直球を18球ずつ、最後に変化球を15球投げ、審判がストライクと判断した数が記録される課題では、ルーキーの土肥投手がアウトコースの直球で13個のストライクをとり、参加選手中トップとなった。また、デスパイネ選手の穴を埋める役割が期待される新外国人選手、ダフィー選手とパラデス選手は、はじめから積極的に全体練習に加わるなど、慣れない環境やチームの雰囲気に溶け込もうと努力している姿が多々見られた。

11日(土)と12日(日)には、台湾のプロチームLamigoモンキーズとの交流試合が行われた。千葉ロッテは2戦1勝1敗となったが、文句なしの本塁打を放った平沢選手、三木選手、井上選手、第1試合で無失点だった二木投手、信樂投手、第2試合で最長の3イニングを投げ、被安打2本、奪三振3、無失点だった関谷投手など、投打において若手が躍動した。チーム内部における内野のポジション争い、先発ローテーション争いは熾烈だが、指揮官を悩ませるほど候補選手が多くいるということは明るい話題だ。

第3クール最終日の14日(火)には、練習前にバレンタイン投票企画の表彰式が行われた。「あなたがチョコを渡したい選手」と題したインターネット投票で2万8千票を集め、1位に輝いたのは成田投手。「投票をしてくれたファンの人に感謝です。その期待に恥じない結果を出したいと思います」と、今季の活躍を誓った。16日(木)からは、いよいよキャンプ最終クールに突入。最後の仕上げの段階に入っている。

【オリックス】
宮崎市清武総合運動公園で行われたオリックスキャンプ。初日、選手会長のT-岡田選手は、「“今年こそ優勝する”という強い気持ちでキャンプインしました。自分らしく、言葉よりも姿勢でチームを引っ張っていきたいと思っています。このキャンプでは打撃、守備ともに精度を上げていき、キャリアハイの成績を残せるようにがんばります!」とコメントした。

ドラフト1位の山岡投手は、キャンプ2日目からブルペン入り。「いい球も悪い球もありましたね。今日は投げ終わってからの左足のバランスがよくなかったので、後からもう一度ブルペンに入りました。こんなにいい環境で練習させていただいているので、納得いくまでやりたいと思っています」と語った。福良監督は、「山岡は体の使い方がうまいね。キレもあるし、角度のあるいいストレートを投げていた」と太鼓判を押した。

第1クール3日目の3日(金)には、山田久志臨時投手コーチが合流。ブルペン投球を終えた金子千尋投手などにアドバイスを送った。4日(土)は、今キャンプ初の紅白戦が行われた。白組先発は青山投手、紅組先発は齋藤綱投手。両投手、危なげなく1回を無失点に抑える。2回、吉田正選手が二塁打を放つと、若月選手の適時打で紅組が先制。一時同点となるが、最後は4対3で紅組が勝利した。この試合で、吉田正選手が2本の二塁打を放ち、新人の飯田選手も2打席連続の適時打を放って存在感をアピールした。

第2クール2日目、8日(火)に今キャンプ2度目の紅白戦。白組先発・山崎福投手、紅組先発・山田投手の両先発はともに1イニングを無失点。さらに、白組4番の吉田正選手がライトスタンドへ飛び込む本塁打を放ち、注目度に負けない存在感を発揮した。試合は3対3の引き分けに終わったが、投手陣では山崎福投手、近藤投手、青山投手、山田投手、新加入の金田投手がそれぞれ無失点に抑える好投を披露した。

第3クール2日目、12日(日)も今キャンプ3度目の紅白戦。紅組が初回に3得点を挙げて、リードをもらった紅組先発のコーク投手は、1回を無失点で切り抜ける。追いかける白組は2回に1点を返すが、白組は山田投手と金田投手、紅組は佐藤達投手、山崎福投手、ヘルメン投手がそれぞれ無失点と、緊迫した投手戦が繰り広げられる。最終的には、紅組のT-岡田選手が本塁打を放つなど、6対1で紅組が勝利した。

第3クール3日目、13日(月)の紅白戦は、中盤から打ち合いとなった。紅組は初回、伏見選手の2点適時打で先制し、5回には一挙5得点を挙げる。白組は4回に2得点、5回には安達選手、小島選手の連続適時打で3得点。6回も飯田選手の適時打などで2点を奪うが、試合は9対7で紅組に軍配が上がった。

紅組で先発した青山投手は、2イニングスを投げて無失点。これまで登板した実戦3試合で失点はいまだ0と、今季の先発ローテーション入りへ存在感を見せつけた。この試合、最終回に登板したプロ3年目の佐野投手も、1イニングを3者凡退に抑えるなど、一軍定着に向けたアピールを成功させた。14日(火)には、ルーキーの山岡投手と黒木投手がフリーバッティングに初登板。おのおの収穫のある練習となったようだ。

【福岡ソフトバンク】
宮崎市で行われている福岡ソフトバンクのキャンプ。初日のキャッチボールでは、松田選手が「背番号3」の新ユニホームを披露した。A組は参加選手20名が全員ブルペン入りし、ドラフト1位ルーキーの田中正義投手も、武田投手の隣でピッチングを敢行。「7,8割の力で投げました。雰囲気も違うし、ユニホームを着ると、どうしても力が入ってしまうと思っていました。だから敢えて抑え気味で投げました」とコメントした。

第1クール3日目の3日(金)には、松坂投手がチーム一番乗りで打撃投手を務めた。B組若手選手の川瀬選手、堀内選手、樋越選手、茶谷選手、幸山選手、黒瀬選手との対戦形式で、球種を予告しての投球とはいえ、力強いストレートで3三振を奪う。松坂投手自身は、「気づいたこともあったので、次回までに修正したい。ただ、今の自分の状態を発揮することが大事なので(今日は)それだけで十分です」と語った。

第2クール初日の7日(火)、今クールではA組投手陣が続々と打撃投手を務め、松本投手と高橋投手、石川投手と島袋投手がマウンドに。特に直球で押し込む石川投手が存在感を放った。第3クール2日目の12日(日)はシート打撃が行われ、上林選手が高橋投手の初球を見逃さず、右中間へ大きな一発を放った。石川投手も150キロをマークして、対戦打者7人のうち許したのは1安打のみという好投を見せた。

13日(月)、この日のシート打撃には侍ジャパンに選出されている千賀投手と武田投手が登板。ともに、今年初めての打者に対しての投球となる。千賀投手は四球を出すも、“伝家の宝刀”お化けフォークで空振り三振を奪う場面も。千賀投手と武田投手は、最終的に打者7人、被安打1、奪三振1、四球1のまったく同じ結果となった。

第3クール最終日、14日(火)はバレンタインデーということで、練習の合間に選手たちがファンにチョコレートのプレゼント。もちろんファンから贈られたチョコレートも丁寧に受け取るなど、つかの間の交流を楽しんだ。翌日の15日(水)は休養日となり、16日(木)は第4クール初日。今キャンプ初の紅白戦が催される。

以上、パ・リーグ6球団のキャンプの模様を振り返ってみた。この期間に選手たちは技術のさらなる向上を図り、弱点の克服を目指し、定位置確保のためアピール合戦を繰り広げる。首脳陣はシーズンに向けて新しく戦略を練り、新戦力の見極めをも行う。最終的な目標は今季のペナントレースを勝ち抜くことであり、どの球団もそこに懸ける思いは同じだが、上にも挙げたように、キャンプの過ごし方、練習メニューに関してはそれぞれのチームの特色がよく出ている。キャンプスケジュールももうすぐ終盤。この時期にしか味わえない期待も不安も楽しみつつ、間近に迫った新シーズンの開幕を待ちたい。