千葉ロッテ・梶原広報の広報術(前編)

2018-05-28 12:34 「パ・リーグ インサイト」武山智史
グラウンドで井口監督と会話する梶原広報【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

グラウンドで井口監督と会話する梶原広報【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

球団広報として勝ち取った、パ・リーグ制覇

また、昨年は「文春オンライン」が主催する「文春野球コラムペナントレース2017」に千葉ロッテ代表として“参戦"した。各球団のコラムニストがその球団についてのコラムを執筆し、ペナントレースのように優勝を争うというこの企画。梶原氏は球団広報の立場だからこそ書ける、様々なエピソードを伝え見事、パ・リーグ制覇を飾った。

「毎年何か新しいことにチャレンジしたいと思っていたときに、声を掛けてもらいました。文春といえば影響力のある媒体。そこに自分発信で千葉ロッテの情報を出せるというのは広報戦略の面でメリットがありますよね。もちろん、怖さもありましたよ」

「千葉魂」は選手についての記事がメインだったが、「文春野球…」ではチームスタッフや球団のファンサービス・取り組みを主眼に置いた。ただ、シーズン終盤は優勝を狙うため、選手メインのコラムに方向転換。「チームが最下位だったので、『文春野球…』では優勝したいという意地ですね。一方、ポリシーを貫けなかった思いもあります」と語る。チーム制となった今年は千葉ロッテ“監督"として参戦。開幕3連戦後には鈴木大地選手がコラムを執筆するというサプライズを演出した。それでも、球団の取り組みについて発信する基本姿勢は変わらない。

「情報の押し売りではなく、受け入れてもらえるように意識しています。例えば、お客さんが千葉ロッテのグッズを手にしたときに『あぁ、球団はこんな努力をして開発していたんだなぁ』と思えるように。選手だけでなく、フロントにも感情移入してもらえるようなものを広報がショップに対してバックアップできたらと考えていますね」

梶原広報が口にした「野球と文章について」

梶原氏は野球と文章について、このように語っている。

「ただ打った、抑えただけでなく、『こんな苦労・悩みがあった選手が活躍した』とバックグラウンドを伝えることで野球が2倍、3倍楽しくなるはず。どのスポーツよりも野球が一番バックグラウンドが伝わりやすいと感じます。野球には『間』がありますから。そして野球は一番文章にしやすいんですよ。例えば『1点リードの9回、2死満塁…」だけで場面が分かりますよね。そういう意味では野球には状況が分かる面白さがあり、一番文学的なスポーツだと私は思います。だからもっと文学的にできるのではないでしょうか」

メディアへの露出が増えている梶原氏だが、今後に向けて「もう一つ上に行かないと…」とその先を見据えている。

「プロ野球ファンだけでなく、もっと多くの人に届かせないと。今読んでくれている人たちを満足させるのは大事ですが、千葉ロッテを知らない人たちに興味を持ってほしいですよね」

多くの人に千葉ロッテを知ってもらおうと発信を続ける梶原氏。後編では広報の仕事についても話が及んだ。

(後編へ続く)