高校時代、センバツで活躍したパ・リーグの打者たち

2017-03-26 00:00 「パ・リーグ インサイト」武山智史

3月19日、甲子園球場で第89回センバツ高校野球が開幕した。今大会は早稲田実・清宮幸太郎選手、履正社・安田尚憲選手を筆頭に、打者に有望選手が多いのが特徴だ。それは試合展開にも反映され連日、打撃戦を中心に熱戦が繰り広げられている。

現在、パ・リーグで活躍する打者にも高校時代、センバツで躍動した選手たちがいる。昨年パ・リーグMVPに輝いた「二刀流」こと北海道日本ハム・大谷翔平選手も、打者として存在感を見せたのがセンバツだった。花巻東3年春の2012年、大谷選手は大会屈指の好投手として注目を集める。その初戦で対戦したのが、好投手・藤浪晋太郎投手擁する大阪桐蔭だった。大会を代表する注目選手同士の対決とあって、試合前から盛り上がりを見せる。

「4番・ピッチャー」で登場した大谷選手は2回裏、打席が回ってくる。藤浪投手はカウント2-2から真ん中低めに緩い変化球を投じた。そのボールを、大谷選手は軸が崩れることなくうまくすくい上げる。打球はそのまま大きな放物線を描き、ライトスタンドに吸い込まれていった。大谷選手の先制ソロ本塁打で花巻東が先制。その後、4回の第2打席は四球。6回の第3打席は外角のボールをうまくはじき返すも、サードの正面を突くライナーに。9回の第4打席はショートフライ。3打数1安打1打点の結果だった。

試合は花巻東が2対0と試合中盤までリードするが、6回に大谷選手が大阪桐蔭打線につかまり2対3と逆転される展開に。終盤にも追加点を奪われ2対9で大阪桐蔭が勝利した。大谷選手は試合に敗れたが2回のホームランで「打者・大谷」として評価を高め、その後のプロ野球での「二刀流」につながっていく。

その大谷選手と同じ北海道日本ハムの先輩である中田翔選手も大阪桐蔭時代、センバツでその才能の片鱗を見せつけた。高校1年夏に夏の甲子園で活躍し注目を集めた中田選手は、2年秋には秋季近畿大会で推定170メートルのホームランを放つなど、高校球界屈指の長距離バッターとして評価を高めていった。

そして2007年のセンバツ、中田選手は2回戦の佐野日大戦でその打棒を発揮する。1点を追いかける3回表、1死1,2塁の場面で打席に入った中田選手。カウント2-2からやや内角寄りのストレートを振り抜くと、打球はそのままレフトスタンドへ。中田選手の3ランで3対1と大阪桐蔭が逆転する。さらに6対3で迎えた4回表、中田選手は甘く入った変化球を逃さずにフルスイング。3回と同じくレフトスタンドに吸い込まれる2ランとなり、2打席連続のホームランとなった。試合は11対8で大阪桐蔭が勝利し、中田選手の1試合2本塁打は1992年センバツの星稜・松井秀喜選手以来15年ぶりの記録となった。大阪桐蔭は続く準決勝で、この年のセンバツを制する静岡・常葉学園菊川高に敗れるが、中田選手は評判通りのバッティングを甲子園で見せつけた。

その中田選手の大阪桐蔭の後輩で、大谷選手の花巻東対大阪桐蔭の試合で藤浪投手とバッテリーを組んでいたのが、埼玉西武の森友哉選手だった。当時2年生だった森選手は「1番・キャッチャー」として、その強打をセンバツの舞台でも発揮した。花巻東との試合では3回にチーム初安打となるレフト前ヒット、7回には2ベースヒットを記録して3打数2安打と活躍。さらに3番に打順が変わった準々決勝の浦和学院戦は4打数3安打、準決勝の健大高崎戦では8回に勝ち越し弾を放っている。光星学院(現・八戸学院光星)との決勝はノーヒットに終わるが、藤浪投手をうまくリードしセンバツ優勝。さらに夏の甲子園も制し、大阪桐蔭は春夏連覇を達成した。

大阪桐蔭は翌2013年のセンバツに出場し、3年生となった森選手は大会屈指の強打者として甲子園に戻ってくる。初戦となった遠軽戦では5打数4安打3打点と大活躍。試合も11対1と大勝する。しかし大会中の練習で右ふくらはぎを負傷し、続く県岐阜商戦は出場できずベンチから試合を見守った。試合は4対5で大阪桐蔭が敗れ、3季連続甲子園制覇はならなかった。

将来、パ・リーグの球団に入り、活躍する選手が今年のセンバツから出てくるかもしれない。ペナントレース開幕までの間、センバツを見て次代のスター候補に想いを馳せるのも一つの楽しみだろう。