開幕直前特別コラム。パ・リーグ6球団の新戦力を一挙おさらい

2017-03-29 00:00 「パ・リーグ インサイト」編集部

徐々に暖かさを感じられる日が増え、北海道や東北地方などをのぞけば桜の花も開花しつつある。そして、出会いや別れ、環境の変化などが増える時期ではあるが、プロ野球ファンにとっては待ちに待った、非常に楽しみな季節を迎えることになる。そう、プロ野球2017年シーズンの開幕である。

昨シーズンは1990年~1992年の西武以来となる24年ぶりの3連覇へ、順調に歩を進めていた福岡ソフトバンクを大逆転で下し、北海道日本ハムが10年ぶりの栄冠。最後まで手に汗握る戦いが繰り広げられた。今年も移籍や新戦力の加入があり、当然、チームの戦力にも大きな変化が生じている。そこで、ここではパ・リーグ6球団の注目の新戦力を動画とともにご紹介していきたい。(成績は全て3月25日終了現在のもの)

【北海道日本ハム】
首位と最大11.5ゲーム差。絶望的とも言える位置から見事に差し切った北海道日本ハムも中堅手の陽選手がFA、2012年にMVPを獲得した吉川投手がトレードで巨人に移籍するなど、今年はチームの状況が大きく変化。新戦力の活躍こそが連覇への大きなポイントとなることは間違いない。

投手陣では、アメリカで6年間経験を積んだ村田投手や、常時150キロを超えるパワー型サウスポーのエスコバー投手が加入。巨人からトレードで加入の公文投手もここまで8試合に登板し、防御率1.29と良い投球を見せている。村田投手はオープン戦で3試合に登板し、1勝1敗、防御率2.70の成績。要所で際どいコースに投げ分ける制球力は“さすが”の一言。先発、中継ぎ問わずチームに大きく貢献してくれることだろう。

野手では、同じく巨人から移籍の大田選手、ドラ2ルーキー・石井一選手の加入が大きい。大田選手は期待されながらも、これまでは期待を上回る活躍を見せることができず。ただ、環境や指導者が変わることで一気に才能開花という可能性も十分だ。そして石井一選手はオープン戦でホームランを放つなど、安定感のある守備力だけでなく打撃でも存在感を見せ付けている。昨年は中島卓選手が全143試合に出場するなど相手となる壁は高いが、その牙城を崩すことができるか。

【楽天】
昨シーズン、チームで唯一2桁達成の則本投手に続く先発が不可欠の楽天に、10年で2桁勝利7度と実績十分の岸投手がFAで加入。さらに、最速152キロのストレートを武器に昨夏の甲子園を沸かせた藤平投手(横浜高校)がドラフト1位で入団。田中将大投手がメジャーリーグへ移籍して以降、長年の課題でもあった先発投手の整備が急ピッチで進みそうだ。

さらに、細川選手(元・福岡ソフトバンク)や久保投手(元・横浜DeNA)、小山投手(元・巨人)が加わるなど、経験豊富な選手たちの加入によってチームにもたらされる効果は大きいはずだ。2013年以来、4年ぶりのAクラス入り、そして一気のリーグ制覇も十分望める戦力補強であったと言えるだろう。

【埼玉西武】
両リーグワーストの101失策と守備面の課題が浮き彫りとなった埼玉西武。今季から指揮を執る辻監督も守備面の強化を目標に掲げ、春季キャンプでも守備力の向上に努めた。そんな中、未だに固定できていないショートのレギュラー候補としてトヨタ自動車から源田選手が入団。背番号「6」が物語っているように球団からの期待は大きく、オープン戦ではここまで3割近い打率をマーク。注目の守備でも、好判断や素晴らしい反応で打球をさばくシーンが数多く見られた。

それ以外にもドラフトで今井投手や鈴木選手などを指名。今井投手はキャンプ途中で無念の離脱となってしまったが、高橋光成投手が1年目から5勝を挙げる活躍を見せた埼玉西武ということもあり、いきなり活躍の場面が見られるかもしれない。また、鈴木選手はファーム公式戦に出場し、高卒ルーキーらしからぬバットコントロールでヒットを量産。期待に違わぬ活躍を見せている。

【千葉ロッテ】
オープン戦首位と絶好調の千葉ロッテ。チーム防御率は1点台と、ここまでの仕上がりは文句なしである。その好調の要因を探ってみると、新加入の選手の活躍が大きく関わっている。そのうちの一人、ドラ1ルーキー・佐々木投手が4試合、15回1/3、3失点(自責点1)、防御率0.59と好内容。被安打15はやや気になるところであるが、要所を締めてきっちり試合を作っている。

同じくルーキーの有吉投手の活躍も非常に目立つ。オープン戦で7試合に登板し、6回2/3、無失点。鋭く曲がり落ちるスライダーに加え、力強いストレートで相手打者を翻弄する完成度の高い投球を披露している。救援陣の安定感はリーグ屈指だが、また一枚力強い右腕が加わろうとしている。

もう一つの要因として、新外国人のパラデス選手、ダフィー選手のここまでの活躍が挙げられる。主砲・デスパイネ選手の移籍で長距離砲の不在が不安視されていたが、オープン戦での活躍を見る限り、その不安は杞憂に終わりそうだ。ともに打率は3割を超えており、ダフィー選手に至っては12球団トップタイの4本塁打を放っている。今年も安定した活躍が見込める角中選手や鈴木選手などと強力打線を形成し、2010年以来の日本一を目指す。

【オリックス】
1996年から遠ざかっているリーグ制覇を目指すべく、浮上のきっかけとなりそうな戦力が多数加入したオリックス。新人では、山岡投手の評価が急上昇中。オープン戦で2試合に登板し、11回1/3を3失点(自責点2)、防御率1.59と好投を続けている。走者を背負いながらも冷静に対峙して打ち取る姿は、「将来のエース候補」としての素質の片鱗を感じさせた。

中継ぎでは、黒木投手や澤田投手もアピールを続けている。両者ともここまでの防御率は0.00。平野投手や塚原投手、佐藤達投手の負担をどれだけ軽減できるか、新人両右腕のシーズン中の活躍にかかっている。

また、新外国人・コーク投手も注目すべき存在だ。メジャーリーグでの実績は十分で、オープン戦でも圧巻の投球を見せている。3月25日の阪神戦では、7回1失点と好投し、これまでの防御率は0.96。18回2/3で与えた四球はわずかに3つと制球力の高さからも自滅は考えにくく、チームの浮上に大きく貢献してくれるだろう。

【福岡ソフトバンク】
中盤まで3連覇へ向けて首位をひた走りながらも大逆転で悔しいV逸を喫した福岡ソフトバンク。田中正義投手を5球団強豪の末に獲得し、即戦力投手の補強にも成功したが、今年はさらなる強力打線を形成すべく、強打者2人の補強を敢行した。

1人目は、日本での実績も十分で、WBCでも特大弾を放つなど、今季もまず間違いなく大活躍を果たしてくれるであろうデスパイネ選手。昨年は全24本塁打中、ヤフオクドームで8本塁打をかっ飛ばすなど、今季は得意の舞台が本拠地となる。さらに本塁打の数を伸ばし、昨年のチームのリベンジを果たせるか。

もう一人、3Aで89本塁打を記録したパワーヒッター・ジェンセン選手が加入。日本球界に対応できるかどうかが焦点となるが、キャンプ中には積極的にファンサービスを行い必死になじもうとする努力が見られた。ジェンセン選手が一塁手として固定できるほどの活躍を見せられれば、おのずとチームは優勝争いに加わるはずだ。

新天地への移籍で、心機一転これまで以上の活躍を見せる選手も多数いる。だが、裏を返せば、新しい環境になじむことができなければ活躍の道が閉ざされてしまうことにもなる。しかしその困難を乗り越えてこそプロであり、ファンは活躍を期待する。今年も昨年同様に白熱のペナントレースが繰り広げられるか、新戦力の活躍を中心に注目していきたい。