横浜DeNA-千葉ロッテで2件のボール直撃。試合前練習中の事故、過去に深刻な事例も

2018-06-13 15:10 「Full-Count」広尾晃
千葉ロッテ・南昌輝(左)と横浜DeNA・大和【写真:荒川祐史】

千葉ロッテ・南昌輝(左)と横浜DeNA・大和【写真:荒川祐史】

横浜DeNA大和は病院搬送、千葉ロッテ南はまぶたを5針縫う怪我

6月12日、ZOZOマリンスタジアムで行われた交流戦、千葉ロッテ-横浜DeNA戦の試合前の打撃練習で、打球が選手に当たる事故が2件発生した。野球界では、試合前の練習で過去にも深刻な事故が起きている。

この日の試合前、横浜DeNAの大和は、守備練習中にフリー打撃の打球を後頭部付近に受け、病院へ救急車で搬送された。また、千葉ロッテの南昌輝も打撃練習の打球を左目付近に受け、まぶたを5針縫うけがをした。

現在のプロ野球では、打撃練習はバッティングケージの中で行われる。打撃投手は打球の直撃を避けるためにネットの後ろから投げる。また球場内にはスタッフが待機し、スタンドに入りそうな打球には笛を鳴らして観客に注意を呼び掛けている。

しかしグランド周辺では選手がキャッチボールや守備練習、ダッシュなどをしている。野球のボールを扱い慣れた選手たちだが、それでも練習中に打球や送球が当たる事故は無くならない。

過去には死亡事故もあった。

1969年3月、西鉄ライオンズの新人投手の宇佐美和雄は、雨天練習場で練習をしていたが、同僚選手の打球を左胸に受けて倒れた。その場で人工呼吸や酸素吸入を受けたが、外傷性ショックで死亡した。

死亡事故だけでなく、選手生命を絶たれた例も

アメリカでは、2007年7月、コロラド・ロッキーズ傘下のAAタルサのコーチだったマイク・クールボーの頭部に打撃練習の打球が直撃し、これがもとで死亡した。クールボーの兄、スコットは阪神タイガースでプレーした。MLBではこの事故以降、一塁、三塁コーチにもヘルメット着用が義務化された。

練習中の事故で、実質的に選手生命を絶たれた例としては、阪神・三宅と巨人・末次の事例が知られている。

1962年9月6日、阪神の三宅秀史は、試合前のキャッチボールの最中に、エースの小山正明の送球を左目に受けた。これによって視力が急激に低下する。三宅は巨人の長嶋茂雄と並び称される名三塁手だったが、この事故のために700試合連続全イニング出場が断たれた。三宅は以後も控え選手として現役を続けたが、視力はついに回復せず、5年後に引退した。

1977年3月、オープン戦前の練習で、巨人の末次利光は、同僚の柳田真宏の打撃練習の打球を左目に受けて昏倒。病院に運ばれた。末次は王貞治、長嶋茂雄の後を打ち、「巨人史上最強の5番打者」と言われた。このシーズンに復帰を果たしたが、視界が狭くなったために十分な打撃ができず、この年限りで引退を余儀なくされている。

野球練習中の事故は、アマチュア野球でも起こっている。裁判になった事例だけでも十数件が報告されている。注意喚起をするスタッフが少ないアマチュア野球の方が、プロよりも自己のリスクが高いともいわれる。

野球関係者は6月12日の事故を受けて、さらなる安全管理につとめてほしいものだ。