「開幕」から約1ヶ月。ファームで奮闘する選手たちの現在は?

2016-04-21 00:00 「パ・リーグ インサイト」編集部

未来の活躍を目指す若手選手、あるいは再起を狙う中堅・ベテランなど、さまざまなストーリーが交錯する2軍、いわゆる「ファーム」。華やかな舞台である一軍とは異なり、メディアに取り上げられる機会も少なく、熱心なファンの中でもさらに熱心なファンが興味を持つものという捉え方をされることが、今までは多かった。

しかし近年、北海道日本ハムや楽天、福岡ソフトバンクがインターネットでファームの試合ライブ配信を行い、少しずつその流れが変わり始めた。今年からは新たに埼玉西武が西武第二球場・西武プリンスドームで行われる試合の配信をパ・リーグTVなどで開始し、千葉ロッテもロッテ浦和球場で行われる試合のインターネットライブ配信を発表。パ・リーグ6球団中5球団が、ファームのホームゲームをインターネットで視聴できる環境を整えた。

そんな少しずつではあるがファンの注目を集めつつあるファームを、パ・リーグ6球団のここまでの成績とともに振り返っていきたい。

楽天が独走中のイースタン。「補殺王」はもう確定!?

20日現在イースタン・リーグの首位をひた走るのが、15勝5敗2分の楽天。チームの中で光っていたのが、一時打率4割超と絶好調だった中川大志選手だ。故障者の続発に伴い4月14日に一軍へ昇格したが、開幕約1ヶ月でのファーム打率.377、出塁率.479はいずれもリーグトップを保っている。

中川選手は一軍昇格した14日のうちにタイムリーを放つ勢いを見せたが、以降の試合ではあまり出番に恵まれていない。昨年も二軍54試合で打率.324、4本塁打、31打点、出塁率.416と好成績で、もはや「二軍でやることはない」状態に近いだけに、舞い戻ることなく、一軍に踏みとどまって機会を待ちたいところだ。

投手では2年目を迎えた安樂智大投手が、20日現在で4試合22回を投げて21奪三振、防御率2.45。一軍先発ローテーション投手が結果を残しているため今季の一軍メンバー入りはまだないが、アピールを続けてチャンスを待つ。

育成力に定評のある北海道日本ハムでは、宇佐美塁大選手が20日現在でリーグトップの5本塁打。すでに一昨年、昨年マークした自己最多本塁打数に並んだ。打率は23試合で.211と打撃の精度には課題はあるが、長打力には磨きがかかっているようだ。

また高卒ルーキー・平沼翔太選手も、打率は.253ながら出塁率がチームトップの.349。選球眼の良さを見せている。場数を踏んで、鎌ヶ谷から巣立っていった選手たちのあとに続けるか。

キャンプ前から注目を集めていた千葉ロッテの高卒ルーキー・平沢大河選手は、高卒1年目ながら打率3割を超える順調なスタートを切った。もともと打撃には定評があっただけに、守備の向上を含めてこのままアピールを続けて「その時」を待ちたい。また同じ千葉ロッテでは、育成選手の柿沼友哉選手が規定打席未達ながら13試合で打率.382をマークして「平沢超え」中。「打てる捕手」として存在感を示し、支配下を勝ち取れるか注目だ。

埼玉西武では9日、ドラフト1位ルーキーの多和田真三郎投手が東京ヤクルト戦にプロ「初登板初先発」。独特のストライドの長い投球フォーム、切れのあるスライダーなどを武器に、3回を投げて無失点に抑えるまずまずのスタートとなった。19日の試合では4回3失点という結果だったが、ケガからの復帰途中でもあるだけに、チームとしても焦らず徐々に調子を上げていってほしいところだろう。

なお埼玉西武では高卒プロ5年目・駒月仁人選手が開幕から1ヶ月ながら、すでに補殺を7つ記録している。低弾道・ノーバウンドの返球、いわゆる「レーザービーム」もたびたび披露しており、その強肩ぶりが顕著だ。今後相手の警戒が強まることも予想されるが、もはや「補殺王」は確定的か。昨年二軍で11本塁打を記録したパワーを持ちあわせており、打撃の精度も上げて一軍の舞台でも強肩でスタンドのファンをうならせたいところだ。

オリックスは浮上のきっかけをつかめるか。そして悩める将来の主軸は?

オリックスは二軍もやや停滞気味。20日現在で5勝16敗1分、チーム打率が.214、チーム防御率も4.56と、まだ開幕1ヶ月ではあるものの深刻だ。

そんな中でも光明と言えるのが、ルーキー・塚田貴之投手。12試合で2勝1敗、17回1/3で与四球6、14奪三振、防御率2.08という成績で、早くも支配下登録を勝ち取った。オリックスは一軍もチーム防御率が5.12(20日現在)という状況。このままアピールを続けて、一軍入りを狙う。

新たに「タマホームスタジアム筑後」へ本拠を移した福岡ソフトバンクは、12勝12敗。66勝35敗9分、貯金31というぶっちぎりの状態だった昨年に比べるとやや落ち着いた印象だ。

「若鷹」の注目は上林誠知選手。プロ2年目の昨年はプロ初ホームランが満塁弾というド派手なデビューとなり、オフには台湾で行われたアジアウインターリーグでも経験を積んだ。20日現在、26試合に出場して打率.222。ホームラン数はチームトップタイの3本となっているが、同じくウインターリーグに参加した真砂勇介は同じホームラン数3本ながら26試合で打率.308と好調で、対照的な結果。ファン、首脳陣の期待も高い好打者の本領発揮はいつとなるのか、「目覚め」の時を待ちたい。