ルーキー・茂木選手の「1号」がチームを上昇気流に乗せられるか?

2016-05-11 00:00 「パ・リーグ インサイト」編集部

プロの記念すべき1本目が、勝利へ導く一撃になった。楽天のルーキー・茂木選手が1点を追う2回2死1,2塁、相手のチェンジアップをはじき返し、右翼席へプロ第1号本塁打。鋭く振り抜いた打球は、ポール際ギリギリのところへ飛び、ファンの大歓声が本塁打を確信させた。「勝利に貢献できてうれしい気持ちです。2ストライクと追い込まれていたので、食らいついて、走者をかえそうと思った結果が本塁打につながって良かった」と、お立ち台でうなずいた。

オープン戦では2試合連続本塁打を放つなど、打力の可能性も見せていたが、ここ最近はバットで結果を残せない日々が続いた。4回2死、左前打を放ってこの日2本目のヒット。マルチ安打は、4月17日の福岡ソフトバンク戦以来と、久々の複数安打が出た。

試合は今江選手の史上65人目となる300二塁打達成や、美馬投手の今季負けなしの4勝目。さらに前回登板、5日の千葉ロッテ戦で6失点を喫し敗戦投手となった守護神・松井裕投手が、5点差ながら最終回にマウンドに上がり、3者凡退。楽天にとって好材料が多い試合だった。その展開を導いたのは、紛れもなく背番号5の一振りだった。

早大からドラフト3位で入団した茂木選手。なんといっても今年は注目度ではドラフト1位のオコエ選手がいたし、入団当初、遊撃手として期待度の高かったのはドラフト2位の吉持選手。茂木選手は内野でも遊撃として計算されてはいなかった。だが打撃を含め、地道にアピールを続け、キャンプ、オープン戦を走り切った。早大時代も守っていなかったという遊撃のポジションで、球団史上初の新人野手の開幕スタメンを獲得。今季ここまで、途中出場もあったが35試合すべてに出場している。

このままシーズンを戦い抜けば、当然新人王という可能性も出てくる。チームでは田中将大投手や則本投手と、投手としての新人王の先輩はいるが、野手では初めての栄冠となる。お立ち台で聞かれた茂木選手は照れ笑い。「1試合1試合必死にやってるので、その結果がそうつながればいいと思いますけど…」と語りつつ、再び「1試合1試合やっていければいいと思います」と浮かれることはなかった。

連敗を4で止め、チームは4位に浮上した。12日はエースの則本投手が先発と、ここで一気に勢いに乗りたいところだ。だが、3位の北海道日本ハムには2.5ゲームの差があり、Aクラスのハードルは低くはない。「1試合1試合必死にやっていく」。繰り返した茂木選手の言葉をチーム全体が追い求め、地道に1つの勝利をつかんでいきたい。