オリックスが宮崎で初のホーム試合。変わりゆくプロ野球キャンプのメッカ

2018-09-02 13:00 「Full-Count」山岡則夫
宮崎県延岡市出身のオリックス・福良監督【写真:荒川祐史】

宮崎県延岡市出身のオリックス・福良監督【写真:荒川祐史】

巨人、広島、近鉄から福岡ソフトバンク、さらに埼玉西武、オリックスへ

宮崎県の野球事情に地殻変動あり。「宮崎=巨人」のイメージが変わりつつある。その中心にいるのはオリックス。8月28日、宮崎で初となるホーム試合が開催された。

プロからアマまで野球熱の高まりをみせる宮崎。1959年から宮崎で行ってきた巨人宮崎キャンプの様子は、2月、球春至来の風物詩とも言えた。

当然、宮崎の多くの住民が巨人ファンと言っても過言ではないほど。選手が揃って参拝する宮崎神宮や宿舎裏の青島神社。長嶋茂雄氏が好んだうどん店など、ファンにとって絶好のスポットも多い。

宮崎県延岡市出身で、千葉ロッテのエースとして活躍した黒木知宏氏が、故郷での少年時代を思い起こしてくれた。

「やっぱり子供の頃は巨人でしたね。あとは日南の広島と日向の近鉄。宮崎でのプロ野球といえばこの3チームの印象が強い。キャンプ期間中はテレビなどでいつも取り上げられていたので、子供達にとっての影響は大きかった。以前からプロにも多くの選手を出している。青木宣親(ヤクルト)のようにメジャーリーガーもいる。

それに最近は高校野球でも結果が少しずつ出始めている。宮崎の野球は少しずつ進歩しているし、可能性はまだまだある。梅雨時期以外は雨も少ないので野球をやりやすい環境でもあると思います。でも九州で唯一、高校野球の全国制覇をしていないんですよね」

黒木氏や青木、そして巨人だけでなく現在福岡ソフトバンクで活躍する武田翔太や寺原隼人など、多くのプロ選手を輩出している。また記憶に新しい2013年夏の高校野球では延岡学園が準優勝。

加えて、日本一の称号を獲得した地元・宮崎牛を用いたグローブ「和牛JB」ブランドも登場するなど、野球熱が高まりを見せている。また宮崎市の鹿児島よりにある日南市では、現在大人気の古豪・広島とパ・リーグの強豪・埼玉西武もキャンプを行う。

大きく勢力図が変化した宮崎のキャンプ、ホークスが入り巨人は沖縄へ

プロの状況が変化の兆しを見せ始めたのは2003年。福岡ソフトバンクが同じ宮崎市内の生目の杜運動公園内でキャンプを張るようになった。

豊富な資金力と地元・福岡の熱いサポートを受け、強豪チームに成長。同じ九州の球団ということで、右肩上がりにファンも増え続ける。日によっては巨人キャンプよりも多くの観客動員を記録するまでになった。

時を同じくして11年から巨人は、宮崎と沖縄の2箇所でキャンプを行うようになった。実は沖縄でキャンプを張る球団が増えたのには理由がある。2020年東京五輪での各国キャンプ誘致への沖縄PR。そして北部特別振興事業費の存在だ。

これは1999年に米軍普天間代替基地の受け入れを名護市が認めた代わりに、北部12自治体に合計1000億円の国費が公共費として流入するというもの。これによって施設が充実、多くの球団が沖縄にキャンプ地を移転させた。

当然、危機感を強めた宮崎は老朽化の進んでいた既存施設などの改修、新規建設などを計画。清武総合運動公園(SOKKENスタジアム)もその1つで、メイン球場や室内練習場などの大改修を提案した。その思いが実を結び、オリックスは15年、22年間キャンプを行った宮古島から宮崎へ移転した。