福浦選手の脳裏に残る20年前の開幕戦 本拠地での偉業へ「決めるよ」と力強い言葉も

2018-09-22 12:09 「パ・リーグ インサイト」マリーンズ球団広報 梶原紀章

ついに王手とした。ビジョンに「1999」の数字が映し出されると大きな拍手が沸き起こった。霧雨の中、行われた9月21日のライオンズ戦(ZOZOマリンスタジアム)。福浦和也内野手が1999本目の安打を奏でた。

「打ったらヒットになった。そんな感じ。気持ちだよ。気持ち。どう打ったかも覚えていないぐらいだよ」

ライオンズのエース・菊地雄星と3年ぶりに対峙した。対戦は2015年9月5日のZOZOマリンスタジアム(当時QVCマリンフィールド)以来。その時は代打で登場し遊飛に倒れていた。第1打席は空振り三振。第2打席は一ゴロ併殺。迎えた3打席目。ヒッティングゾーンを広めて打席に立った。

「なかなか思うような打球が飛ばなかった。ボールに勢いがあり当たってもファウル。2打席目はインコースを引っ張ってああいう結果になった。チャンスだったので申し訳ない気持ちでいっぱい。3打席目は反対方向への意識だけを持って無心で向かった」

先頭打者として迎えた7回。初球は低めのボール球。そして2球目。コンパクトにスイングをすると打球は三遊間を綺麗に抜けていった。1塁ベース上で大歓声に応えるように右手を小さく掲げた。偉業達成に王手をかけた1本は無心の状態でガムシャラに放った安打だった。

初の開幕スタメンは足がガクガクと震えるほど緊張し、ほろ苦い結果に

今でこそ長年の経験と磨き上げてきたバットコントロールで安打を量産する大ベテランも原点は「ガムシャラ」がある。初めて一軍で開幕を迎えた時は打席で足がガクガクと震えた。忘れもしない98年4月4日の大阪ドーム(現京セラドーム大阪)での大阪近鉄戦。3番ファーストでスタメン出場。初の開幕一軍にクリーンアップでのスタメン出場。気持ちが空回りした。5打数無安打。

脳裏に深く残るのは7回の先頭打者として回ってきた打席。打ち損ねた三ゴロに思わずヘッドスライディングをした。結果は余裕のアウト。スタンドから失笑が聞こえてくるような状況となってしまったが、悔いはなかった。カッコ悪くてもよかった。笑われてもよかった。とにかく出塁したい。その自分の想いに正直でありたかった。

「開幕でスタメン起用していただいた首脳陣の期待に応えてアピールしようと必死だった。どんな形でも塁に出てチームの勝利に貢献したいという想いだけ。だからボテボテの当たりに頭から飛び込んだ。あそこでセーフになったからといってなにかが変わるような場面ではなかったけど、歯を食いしばって飛び込んだらなにかが起きるかもと思った。それだけ必死で生き残るためにガムシャラだった。あの頃の想いは25年目になった今でも忘れたくはない。大事な初心だと思う」