「埼玉西武には明確な穴がある」―「下剋上」経験者の里崎智也氏が指摘する理由

2018-10-12 20:46 「Full-Count」篠崎有理枝
CSについて語った里崎智也氏※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

CSについて語った里崎智也氏※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

13日にセ・パCSが開幕「下から行くチームはプレッシャーはありません」

 13日からいよいよクライマックスシリーズ(CS)が開幕する。2010年に千葉ロッテでペナントレース3位から日本一に輝き、「史上最大の下剋上」を経験している里崎智也氏に、今年のCSを予想してもらった。

 パ・リーグではこれまで、里崎氏も経験した2010年の1度しか下剋上は起きていない。下剋上が起こる可能性は非常に少ないが、2位、3位のチームはプレッシャーがないため戦いやすいと、自らの経験から話す。

「2位、3位のチームは負けても誰からも非難されない。ノーリスク・ハイリターンなんです。『何負けてるんだ』とは言われない。負けて当たり前ですから。逆に1位のチームは『1位になったのに日本シリーズに出られなかったら……』と悪い思考になる。下から行くチームはいいことしか考えませんから、プレッシャーはありません」

 それでも下剋上が少ないのは、ペナントレースで優勝しているチームが順当にいけば勝つのが当然だから。CSで負けたチームは、昨年の広島のように「主力が怪我をして欠場していた」など、理由があるという。里崎氏は、今年のセ・リーグはペナントを獲った広島に離脱者がいないため、CSも強いだろうと話す一方で、パ・リーグは福岡ソフトバンクの下剋上の可能性もあると予想する。

 開幕から1度も首位を明け渡すことなく優勝した埼玉西武だが、里崎氏は開幕前、埼玉西武をペナントレース4位と予想していた。その理由を次のように話す。

「防御率4点台のチームが優勝したのは、2000年以降では、2001年の近鉄しかない。また、近年のプロ野球を見た時に、中継ぎがしっかりしていないチームが優勝したことはない。東京ヤクルトが2015年に優勝した時も、ロマン、オンドルセク、バーネットと、後ろ3枚がしっかりしていた。そう考えると、埼玉西武を優勝候補にする理由がなかった。その中でチームがマーティン、ヒースを補強した。組織力の勝利です。あのまま補強しなかったら今の優勝はないでしょう」

 防御率リーグ最下位の埼玉西武が下剋上をされないためには、投手がいかに相手打線を抑えるかが重要だという。

「福岡ソフトバンクが勝ち上がってきた場合、菊池は福岡ソフトバンクに1回勝ちましたが、全体的に大きく負けている。勝てなかった場合、菊池以外で3勝しなければいけない。非常に負担が大きい戦いになると思います。菊池が勝った9月28日の試合も勝っただけ。3点取られているし、味方打線に5点取ってもらって勝った試合。内容は万全ではないので、福岡ソフトバンクは嫌だとは思っていないでしょう。埼玉西武にはチーム防御率パ・リーグ最下位という明確な穴がある。万が一、埼玉西武打線が抑えられてしまうとなかなか厳しい戦いになる。今年は面白いクライマックスシリーズになると思います」

 過去に1度しか起きていないパ・リーグの下剋上が今年は起きるのか。それともペナントレース同様、不安な投手陣を強力打線が援護して埼玉西武が日本シリーズに進むのか。CSの戦いから目が離せない。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)