想像以上に多様なチアのお仕事 「華やか」な笑顔を作り出す元気の源とは?

2018-11-12 11:00 高島三幸
(左から)「ファイターズガール」畠山茉央さん、「東北ゴールデンエンジェルス」KANOKOさん、「bluelegends」EMIKAさん、「M☆Splash!!」ASUKAさん、「BsGirls」CHALさん、「ハニーズ」NAYONさん

(左から)「ファイターズガール」畠山茉央さん、「東北ゴールデンエンジェルス」KANOKOさん、「bluelegends」EMIKAさん、「M☆Splash!!」ASUKAさん、「BsGirls」CHALさん、「ハニーズ」NAYONさん

 選手やファンと一緒になってシーズンを駆け抜ける、パ・リーグ6球団のチアリーダーたち。グラウンド上のダンスなど応援パフォーマンスだけが仕事だと思いがちだが、彼女たちの仕事はそれだけではなく、実は私たちが思う以上にハードだ。後編では、チアリーダーの具体的な仕事内容や、この仕事を続ける理由、そしてこれからの夢などを紹介する。

 チアリーダーという仕事に熱い思いを持って全身全霊を捧げる彼女たちだが、実際の仕事内容はどのようなものだろうか。

 埼玉西武のオフィシャルパフォーマンスチーム「bluelegends」のEMIKAさんの1日の仕事は、試合開始の4時間前に球場に入り、当日の進行の流れやダンスをチェックすることから始まる。開門時には、「ウエルカムグリーティング」を行い来場者を笑顔で出迎え、試合開始前には、パフォーマーとしての見せ場である「グラウンドパフォーマンス」で観客を魅了。試合前には場外ステージでダンスパフォーマンスを行い日頃の練習の成果を披露する。

 試合直前、選手が守備位置につく際に、フィールドで選手1人ひとりを応援しながら場内を盛り上げ、3回表が終わった後には、再びフィールドに降り立ち、バズーカに子供用のTシャツを詰めて観客席にプレゼントするといったイベント「バズーカタイム」を実施。試合中は、「スタンドグリーティング」というスタンドを回ってファンとコミュニケーションを取りながら一緒に応援したり、子供たちにバルーンを作ってプレゼントしたりする。

 7回表終了時には、ビクトリーバルーンが球場いっぱいに広がった、ラッキーセブンのパフォーマンスを披露し、そして埼玉西武の勝利で試合を終えた日には、球団歌に合わせた勝利のパフォーマンスで、ファンとともに喜びを分かち合う。

「試合中はスタンドを回りながらお客様と同じ目線に立って一緒に応援します。試合が勝っていても負けていても、笑顔を絶やさず全力で全行程をやり抜いて少しでもお客様に喜んでいただきたいので、普段からダンスレッスンで体力をつけ、たんぱく質やビタミンを多く摂って疲れが残りにくい体になるよう心がけています。スタンドグリーティングの時にファンから声をかけてもらえたり、勝利の喜びを一緒に分かち合ったりする瞬間が特にやりがいを感じ、疲れも吹き飛びますね」とEMIKAさんは語る。

 最近では、手話を取り入れた手話グリーティングを行い、聴覚障害を持つファンも楽しめるような活動を積極的に行っている。

 福岡ソフトバンクの「ハニーズ」は、試合時は試合開始約5時間前にはドームに集合。準備ができたメンバーから各自ストレッチやトレーニングを行うが、その姿は試合前のアスリートそのものだ。進行ミーティングの後、試合前オープニングパフォーマンスの練習を本番同様に行い、全員で円陣を組んで気合を入れた後、それぞれの業務の準備を行う。

 試合開始2時間前の野外ステージで踊るメンバーもいれば、花束贈呈や始球式などのアテンドを担当するメンバー、試合開始30分前にはグラウンドでDJたちと一緒にMC を担当するメンバーも。

 試合中もマスコットと一緒に写真撮影会を実施したり、一、三塁スタンド客席通路に設置されているお立ち台とグラウンドに分かれてウーハーダンスというパフォーマンスを披露したり、ファンにマイクを向けたり、チームが勝利すればセレモニーに参加し、ヒーローインタビューでの花道を作って、『いざゆけ若鷹軍団』のパフォーマンスを行う。

 息つく間もないぐらい、細かな仕事が用意されているが、全員がドーム内を動き回り、それぞれの担当が責任を持ってやり抜くことで、観客を退屈させることなく、満足度につなげているという。

アスリートのような福岡ソフトバンクの「ハニーズ」

アスリートのような福岡ソフトバンクの「ハニーズ」

 タイムスケジュールだけを見ても忙しさが伝わってくるチアリーダーだが、仕事は球場内だけではない。球場外のイベント活動や、球団のPR活動、学校・幼稚園訪問といった仕事もあるという。

 オリックスの「BsGirls」はオフシーズンに、単独ライブを開催する。ライブ用のダンスは多い日で1日6〜7時間ほど練習し、オリジナル楽曲の歌詞はもちろん、ライブの構成や企画なども自分たちで考える。選手の登場曲をメドレーにしてパフォーマンスするなど、単独ライブといえども、チームを感じてもらえるような構成にしているとか。「ファンの皆さんと盛り上がれる空間を作れることが、すごく楽しいです」(CHALさん)。

「東北ゴールデンエンジェルス」は、球団の職員と一緒に客席を清掃したり、球団全体の朝礼に出席したり、イベント開催のミーティングに参加したりすることも。「職員と一緒に演出を考えるなど、準備段階から携わることで、与えられたダンスをただ踊るのではなく、パフォーマンスを一緒に作り上げるという当事者意識や、チアリーダーとしてのプライドが生まれます。そんな情熱を持って臨んでいることが、私たちのパフォーマンスや活動を通じて少しでもファンの皆さんに伝われば嬉しいです」とKANOKOさんは語る。

 「ハニーズ」のNAYONさんは、「ステージを終えた後、お客様から『お疲れ様!』『元気出たよ!』と声をかけてもらい、チームが負けたときでも、『また明日頑張ろうね!』『次は勝とうね!』と温かいお言葉や感謝の気持ちをいただいた時はうれしいし、次も頑張ろう!と思います。ヤフオクドームで日本一になった瞬間を、ファンの方々やメンバー全員と一緒に見て、喜びを分かち合えた時は今も忘れられません」とこの仕事のやりがいについて話してくれた。