本塁打の滞空時間TOP5! もっとも長~く余韻を残した個性派スラッガーは?

2018-11-13 11:00 キビタキビオ

余韻にひたれる長い滞空時間の本塁打

 木製バットが乾いた音を響かせた瞬間、ボールは点にみえるほど高々と上がり、上空でゆるりゆらゆら距離を稼いだあと、観客席にスコーンと落ちてくる──。滞空時間の長い本塁打は、野球というスピードや効率が求められがちなスポーツにおいては珍しく“時(とき)”の余韻にひたることができるプレーだ。

 プロ選手の本塁打の滞空時間は、バットにあたってからスタンドに落ちるまで4~5秒が一般的で、6秒を超えてくると飛ばすことに長けた者にしか到達できない“聖域”に入ってくる。

 希少な醍醐味を提供してくれたパ・リーグの強打者は誰だったのか? 7月16日から10月13日までに記録した本塁打から滞空時間トップ5を紹介していこう。

本格台頭が待たれるオコエ瑠偉

 関東一高時代に規格外の俊足で甲子園を沸かせた3年目のオコエ瑠偉(東北楽天)が、6秒50で5位に入った。

 今季は打撃面で確固たる成績を挙げたとはいえず、芯でとらえたときと外したときの格差は激しいが、今シーズン2本塁打ながらトップ5に入ってくるあたりに潜在能力の高さを感じさせる。プロ入り直後から着手してきた打撃改造と肉体強化によって、ボールを上げて飛ばす技術とパワーを着々と修得しつつあることをタイムが示した格好だ。

 身体能力はすでにメジャー級。精度が上がれば、いよいよ来年あたり覚醒するかもしれない。

ステイバックが強烈なアルシアのスイング  

 4位は6秒55を記録したアルシア(北海道日本ハム)。89試合の出場で14本塁打、打率.222、三振92と穴の多さが目立ったシーズンだが、メジャーリーグ通算44本塁打を誇るパワーヒッターの片鱗がうかがえるランクインである。

 アルシアの一発の滞空時間の長さは、フォロースルーで体がキャッチャー方向に反り返る「ステイバック」といわれるフォームによるところが大きい。頭を残すことで、自然と高く上がる弾道を生み出すスイングの角度となる。

 最近こそ、柳田悠岐(福岡ソフトバンク)のように同種のスイングで活躍する日本人選手が出てきたが、日本では古くから「上から叩きつけなさい」とする指導が多かったせいか、現在もその数は少ない。だからこそ、アルシアのようなタイプが日本で成功するチャンスが秘められている。

 11月7日に退団が発表されたが、まだ27歳と若いため、来年以降、再び日本でプレーする可能性もあるだろう。そのときは、規格外の高弾道本塁打をまた見たいものだ。

中村晃はミスター“こすり打ち”

 意外といったら失礼か? 3位には6秒69で中村晃(福岡ソフトバンク)が入ってきた。

 独特のバットを短く持った一本足打法で食らいつくスタイルの中村は、ボールの下半分を切るように打って、逆方向の左翼側の内野と外野の間にフワーッと落とす曲芸のようなヒットを打つ印象が強い。今回の3位入賞もこの打法が関係しているようである。

 このタイムを記録した一打も、打った瞬間は「ボールの下をこすりすぎてライトフライか?」と思われたものが、あれよという間にスタンドに届いてしまった。

 「SMBC日本シリーズ 2018」でも全試合に出場して存在感を示した中村は、単打にも長打にもできる無敵の“こすり打ち”がある限り、現在の活躍ぶりは長く続きそうな気配だ。